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ベアーズがチーフスとのトレードでオールプロのGジョー・トゥニーを獲得へ

2025年03月06日(木) 13:06


ジョー・トゥニー【Todd Rosenberg via AP】

シカゴ・ベアーズは新ヘッドコーチ(HC)ベン・ジョンソンの初年度にオフェンシブラインを刷新すると約束した。彼らはそれに、フリーエージェンシーを待たずに着手している。

ベアーズがオールプロに選ばれたカンザスシティ・チーフスのガード(G)であるジョー・トゥニーを、2026年ドラフトの4巡目指名権とトレードする見込みだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地5日(水)に情報筋の話を元に伝えた。

このトレードは3月12日(水)に新リーグイヤーが始まるまで公式なものにはならない。ベアーズはこのトレードが明らかになる前、ガード(G)ジョナ・ジャクソンのロサンゼルス・ラムズからのトレードにも合意している。

わずか2日のうちに、ベアーズはオフェンシブラインの内側を刷新している。プロボウラーであるトゥニーは、ケガのない状態であれば、クオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズの前のポケットをかなり補強できるだろう。

32歳のトゥニーは、今もNFLでトップのガードの1人であり続けており、ポケットの守りを固め、ランゲームでは道筋を広げることが可能だ。2024年にレフトタックルに問題を抱えたチーフスは、ガードをアウトサイドに配置し、QBパトリック・マホームズのブラインドサイドを安定させている。

トゥニーの契約は1年残っており、ベースサラリーは1,550万ドルとなっている。チーフスは今回のトレードにより、サラリーキャップ上で1,600万ドルを節約。トゥニーはカンザスシティではタイミング的に難しかった契約延長を、シカゴで実現できるかもしれない。

ベアーズはオフェンシブラインのインテリアをアップグレードすることなしに2025年シーズンを迎えるわけにはいかないことを理解していた。ジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズがトレード市場に出て、サラリーを引き受け、指名権を投じてまで今回の取引を行ったことで、フリーエージェンシーでのオフェンシブラインの層の薄さが透けて見える。年齢を重ねたガードと、ケガの傾向のあるガードに賭けるのはややリスキーかもしれないが、ポールズは不利な状況の中で最良の動きをとっていると言えるだろう。ウィリアムズが先週よりも良い状況にあることは、間違いない。

今もなお十分なキャップスペースとトップ45の指名権3つを持っているベアーズは、まだアップグレードを終えていないはずだ。今週の動きで、ベアーズは固定概念を持たれることなく、ドラフトでどの方向にも動けるようになっている。

一方、チーフスにとっては、トゥニーを手放すのは痛手だった。しかしながら、25歳のGトレイ・スミスにフランチャイズタグを指定したチーフスは、オフェンシブラインに大量のキャップとキャッシュをつぎ込んでいる。トゥニーをトレードしたことで、それがいくらか和らぐのと同時に、アンディ・リードHCのラインが若返ることになる。チーフスには、2024年ドラフト2巡目指名選手で、ルーキーイヤーにはレフトタックル(LT)で苦戦していたキングスレイ・スアマタイアを、ガードに動かすこともできる。

このトレードで、チーフスのオフシーズンにまた新たな要素が加わった。チーフスにとっては、レフトタックルに答えを見いだすことが今でも最大の課題となっている。とは言え、マホームズと腕のいいフロントオフィスがいればこそ、チーフスはこの状況に持ちこたえていくはずだ。

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