ジャガーズがWRクリスチャン・カークをテキサンズにトレード
2025年03月07日(金) 10:02
クオーターバック(QB)C.J.ストラウドに助けの手がやってくる。
ヒューストン・テキサンズがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区のライバルであるジャクソンビル・ジャガーズからワイドレシーバー(WR)クリスチャン・カークを獲得すると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地6日(木)に伝えた。ジャガーズは俊足のレシーバーと引き換えに、2026年ドラフトの7巡目指名権を受け取るという。
このトレードは3月12日(水)に新リーグイヤーが始まってから正式なものとなる。
2018年のドラフト2巡目でアリゾナ・カーディナルスに指名されたカークは、2022年にジャクソンビルにやってきた。その際のカークは、まるで背中に的が――もしくは、ドル記号が――貼り付けられているかのようだった。カークはジャガーズと4年7,200万ドル(約106億5,190万円)の契約にサインしており、それは本人の市場価値を大きく上回るものだとみなされた。ジャガーズは周囲を圧倒するほどの資金を2022年のフリーエージェンシーにつぎ込んでおり、その中でも筆頭だったのがカークとの契約だ。ジャガーズの積極的な投資について、または、レシーバー全体の報酬が上がっていることについて人々が話題にするとき、ほとんどのケースでカークの名が挙がっていた。
1年間は、その投資の価値はあるように見えた。カークはジャガーズのレシーバー陣でトップとなるキャッチ84回、1,108ヤード、タッチダウン8回をマークし、AFC南地区でジャガーズが最下位からトップへ浮上して地区優勝するのに貢献し、ワイルドカードラウンドでロサンゼルス・チャージャーズを倒す一助ともなった。
しかし、そこからすべてが次第に落ち込んでいく。2023年は12試合の出場にとどまり、キャッチ57回、787ヤード、タッチダウン3回をマーク。2024年には8試合でターゲット47回にとどまり、新人のブライアン・トーマスJr.がジャガーズで最も有望なレシーバーとして台頭する中、カークは後方へ退いていった。
2024年シーズンが終わるまでに、カークがジャクソンビルの将来計画に含まれないことが明らかになっていた。2025年の早い段階でジェームズ・グラッドストーンがジェネラルマネジャー(GM)の役職を引き継いでからは、それが特に顕著になっている。ジャクソンビルがカークを放出することは予想されていたものの、そうなる代わりに、前年にランニングバック(RB)ジョー・ミクソンがシンシナティからヒューストンへ向かったときと同様の契約で、カークもヒューストンへ移ることになった。
新攻撃コーディネーター(OC)ニック・ケイリーのオフェンスにフィットすれば、カークの出番はヒューストンで増えることになるだろう。ニコ・コリンズがトップターゲットとしてテキサンズに戻ってくるものの、2年で2度目の下半身の重傷(今回は膝)を負ったタンク・デルは、長い復帰への道筋の途中だ。また、ベテランのステフォン・ディッグスはフリーエージェンシーに向かう。
ストラウンドのポジションのために、カークはスピードある新たな選択肢をテキサンズに提供できる。チームにはまだ、2024年の最大の弱点だったオフェンシブラインで解決すべき問題があるが、カークを7巡目指名権という安価――2025年に1,650万ドル(約24億4,106万円)を受け取る契約と共にやってくる以上、適切な代償だと言えよう――で手に入れたことで、まずは最初の一歩を踏み出している。
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