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ブラウンズがQBトンプソン-ロビンソンおよびドラフト5巡目指名権と引き換えにイーグルスQBピケットを獲得へ

2025年03月11日(火) 09:00


フィラデルフィア・イーグルスのケニー・ピケット【AP Photo/Terrance Williams】

クリーブランド・ブラウンズはクオーターバック(QB)陣に変化を起こそうとしているが、その動きは大方の予想とは異なるものとなっている。

現地10日(月)、ブラウンズがバックアップQBドリアン・トンプソン-ロビンソンおよび2025年ドラフト5巡目指名権をフィラデルフィア・イーグルスに送り、その見返りとして2022年ドラフトで1巡目指名を受けたQBケニー・ピケットを獲得すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じた。

イーグルスで1年間、ジェイレン・ハーツのバックアップとして過ごしたピケットは、2年連続でオフシーズンに移籍し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区に戻ることになった。ハーツが脳しんとうで離脱を余儀なくされたレギュラーシーズン終盤に起用されたピケットは、概ね良好なパフォーマンスを披露。ワシントン・コマンダース戦では惜しくも敗れたものの、勝利目前までチームを導き、唯一の先発出場となったダラス・カウボーイズ戦では地区ライバル相手に2戦2勝を達成するのに貢献した。

ピッツバーグ・スティーラーズからドラフト指名されたピケットは、キャリア最初の2シーズンを過ごしたディビジョンに戻ってくることになるが、その状況は大きく異なっている。もはやチームにとって重要な投資対象ではなくなったピケットは、最終決定にはほど遠いクオーターバック争いに参戦する候補者としてクリーブランドに降り立つ。ブラウンズが4月のドラフトで全体2位指名権を駆使してクオーターバックを指名したり、トレードやフリーエージェント(FA)でベテラン選手を獲得したりした場合、ピケットは先発の座をかけてトレーニングキャンプで競うことになるだろう。現時点では、そのようなシナリオが予想されているが、ピケットはあくまでも選択肢の1つと見なされるべき存在だ。

ピケットはスーパーボウルチャンピオンとしてフィラデルフィアを去る。イーグルスの勝利が一方的な展開となったため、ピケットもその試合に出場した。スーパーボウルリングを指にはめたピケットは、再びユニフォームを入れ替えることになるが、今度はフィールドに立つ機会をより多く得られるだろう。

一方のトンプソン-ロビンソンはイーグルスに加わり、そこで育成対象として扱われる見込みだ。トンプソン-ロビンソンのスキルセットはピケットよりもハーツとマッチするが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)出身のトンプソン-ロビンソンにはプロの試合に適応するための経験がまだ必要であり、昨シーズンはそうした状況に圧倒される場面が目立っていた。ブラウンズは、出場した3試合(うち2試合に先発出場)で悪夢のような結果を残したトンプソン-ロビンソンに対する関心を失い、ピケットを獲得するために彼をトレードで東部へ送ることを決めた。

ブラウンズのQB陣改革はまだ終わっておらず、ピケットの獲得はその始まりに過ぎない。

【RA】