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「ディフェンスのあらゆるレベルに優れた選手」を加えたと感じているペイトリオッツHCブラベル

2025年03月30日(日) 12:21


ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベル【AP Photo/Mark Stockwell】

長年にわたってNFLで偉大さの象徴となっていたニューイングランド・ペイトリオッツは、3年連続でプレーオフ進出を逃したことを受け、再建を切望している。

ヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベルは、特にディフェンス面での重要なフリーエージェント(FA)選手の加入を受けて、ペイトリオッツが良い方向に進んでいると信じているが、その一方で、ドラフトやドラフト後の評価、フィールド上での確かな基盤作りなど、まだやるべきことは多いとも指摘した。

現地29日(土)、ブラベルHCは年次リーグミーティングで『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタに「私たちはロースターを強化、改善し、競争力を高める方法を探し続けている」と述べた。

「90人のロースターにおいて重要なのは、ロースター全体に競争があることだと思う。私たちはディフェンスのあらゆるレベルにチームに貢献してくれる優れた選手を加えることができた。このチームは現在所属している選手たちのことも、新たに加わる選手たちのことも、選手としてだけではなく人として気に入っていると思う。フリーエージェントの話をするときは、それが重要だと感じている」

ペイトリオッツは3月に思い切った動きに出ており、優秀な新加入選手には確かに高いコストをかけている。

フィラデルフィア・イーグルスのスーパーボウル制覇に貢献したばかりのディフェンシブタックル(DT)ミルトン・ウィリアムズはペイトリオッツと4年1億0,400万ドル(約156億0,650万円)の契約を締結。強力なランストッパーとして活躍し、キャリアハイとなる5回のサックを記録してプレッシャーをかける力も証明したウィリアムズは、グレッグ・ローゼンタールが選ぶトップ101フリーエージェントリストで1位とされていた。ペイトリオッツはローゼンタールが上位に位置付けていたコーナーバック(CB)カールトン・デービスも獲得し、3年6,000万ドル(約90億0,375万円)の契約を結んでいる。

エッジに関しては、テネシー・タイタンズ時代にブラベルHCの下でプレーしていたアウトサイドラインバッカー(OLB)ハロルド・ランドリーを3年4,350万ドル(約65億2,772万円)の契約で引き寄せ、ディフェンシブエンド(DE)ケイラボン・チェイソンにも賭けている。ラスベガス・レイダースの一員として過去2シーズンでいずれも17試合に先発出場してきたラインバッカー(LB)ロバート・スピレインはブラベルHCが現役時代にペイトリオッツで果たしていたものと似た役割を担うはずだ。また、ディフェンシブタックル(DT)キルス・トンガやセーフティ(S)マーカス・エップスとの契約も価値があるものだと言えるだろう。

ペイトリオッツが多くの選手たちの契約を延長した翌年に外部からの補強によって競争を促進することは、被得点ランキングで1995年以来最悪の22位に終わった状況を好転させるための新たな方法となるようだ。

しかし、ビル・ベリチックがヘッドコーチを務めた最後の年とジェロッド・メイヨが唯一ヘッドコーチを務めた年に得点ランキングでワースト3に沈んだオフェンスにも改善の余地はある。

ペイトリオッツはオフェンシブタックル(OT)モーガン・モーゼスやガード(G)ウェス・シュワイツァー、センター(C)ギャレット・ブラッドベリーと契約してオフェンシブラインを強化。また、以前に数年間、バッファロー・ビルズで圧倒的な存在だったワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスもAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区に戻ってきている。とはいえ、ディッグスが支配力を発揮していたのは1年前のことであり、現在はACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂からの回復を目指しているところだ。

数日前にポッドキャスト『Green Light with Chris Long(グリーン・ライト・ウィズ・クリス・ロング)』に出演した際と同様に、ブラベルHCはバティスタともディッグスの競争心旺盛なプレースタイルについて語った。しかし、31歳のディッグスがケガから完全に復帰する時期については具体的な言及を避けている。

「できることが増えれば増えるほど、どんどん役割を与えて責任を増やすつもりだ」と明かしたブラベルHCは「彼は健康を取り戻すために懸命に努力しているから、復帰する時期について期限を設けたり、予測を立てたりするつもりはないが、ものすごく努力していることは知っているし、彼がどれほど努力しているかについては大きな自信を持っている」と続けた。

ディッグスは準備が整い次第、才能豊かなキャリア2年目のクオーターバック(QB)の成長を助ける役割を2年連続で担うことになる。2024年はヒューストン・テキサンズでC.J.ストラウドを支えた。そして、2025年にはブラベルHCがオフシーズンを通して称賛しているドレイク・メイとともに取り組むことになる。

ブラベルHCは土曜日にもメイについて「彼は若くてエネルギッシュでワクワクしている」と語った。

「顔立ちもとても若々しい。だってほら、22歳だしね。それに、学ぶ準備ができている。次のステップに進むことに意欲的だし、誰もが誇りに思い、正しい方向に進んでいるプログラムを作り上げる手助けをすることに興奮している」

チームの成績は4勝13敗だったにもかかわらず、メイは新人として有望な姿を見せた。

多くの資金を投じ、素早く方針転換してブラベルをヘッドコーチとして採用したからといって、メイ率いるペイトリオッツが2025年に成績を向上させるとは限らないが、全力を尽くすのに必要な要素は確実にそろいつつある。

【RA】