パンサーズ新加入のコリン・グレンジャー、バスケットボール選手からTE転向を目指す最新の選手に
2025年04月10日(木) 14:36
コースタル・カロライナ大学のバスケットボール選手であるコリン・グレンジャーは現地3月4日に行われたサンベルト・カンファレンス・トーナメントのサザン・ミシシッピ大学戦で19得点を挙げたが、チームは初戦で敗退した。そして、身長約203cm、体重約111kgのセンターであるグレンジャーはある選択――(おそらく海外で)バスケットボール選手としてのキャリアを追求するか、中学以来プレーしていなかったアメリカンフットボールに思い切って転向するか――を迫られた。
そして、グレンジャーはフットボールの世界に飛び込むことを選んでいる。
現地4月7日(月)、グレンジャーはタイトエンド(TE)としてカロライナ・パンサーズと契約。
大男のグレンジャーは、かつて大学バスケットボール選手からNFLに転向したベテランオフェンシブタックル(OT)ジョージ・ファントから勧誘された。『Instagram(インスタグラム)』でファントからメッセージを受け取ったグレンジャーは、それが本物であることを確認しなければならなかった。
グレンジャーはパンサーズの公式サイトに対し、「つまり、冗談を言われたわけじゃない。俺ならこういうことができるって信じてくれた人が実際にいるということだ。最終的には実感として湧いてきたから返事をして、“興味がある”とだけ言った」と明かしている。
ファントはバスケットボールからフットボールに転向できる可能性がある選手を見つけ、育成し、導くリクルーティングビジネスを始める計画を立てている。グレンジャーはファントの勧誘を通じて契約した最初の選手となった。
火曜日、「自分が探しているもののイメージはできていた」とファントは話している。
「そこから、フットボールに応用できると思う特定の統計に目を向け始めた。つまり、オフェンシブリバウンドやブロックショットに注目するようになったんだ。それらは応用できるものだと思っている。オフェンシブリバウンドをとるにはフィジカルな選手でなければならないし、自分の体を上手く使う方法も理解しておかないといけない」
「つまり、コリンはそういう条件を満たしたということだ」
バスケットボールを4年間プレーしていたファントは、ウエスタン・ケンタッキー大学でバスケットボールからフットボールに転向したが、タイトエンドとして過ごした1シーズンの出場機会は限られていた。ファントはドラフトで指名されなかったものの、シアトル・シーホークスの幹部の目にとまり、オフェンシブラインマン(OL)としてプレーするようになった。そこから9年間で75試合に先発出場している。2024年にはシーホークスに戻り、2試合に出場した。
「これは、大学でバスケットボールをプレーしている選手がフットボールに転向するのを支援するプログラムだ」と語ったファントは、次のように続けている。
「このプログラムで一番素晴らしいのは、誰でも俺に連絡してプログラムに参加できるわけじゃなく、厳選された選手だけが参加できるところだ。本当に転向できると俺が思った選手が参加する。すべての選手を受け入れられないのは残念だけど、全員を受け入れるとプログラムの限定性が損なわれてしまうと思う。もちろん、自分のバックグラウンドがあるからこそ選手たちを評価できるという点を考えても、それは限定性を損ねてしまうと思う」
「だから、俺は選手を当てずっぽうで選んだり、賭けをしたりするんじゃなくて、ホームランを打てるようなプログラムにしたかったんだ。彼らは、能力やサイズ、転向に必要なあらゆる能力を備えていると俺が思っている選手たちだ。正直、すべてが急速に進んでいるけど、体制やその他の準備は整っているし、あとは名前を決めるだけだ。でも目下で一番重要なのは、コリンをこの転向に向けて準備させることだった」
ファントは最初、グレンジャーがオフェンシブラインマンとしてプレーできると考えていたが、実際にその運動能力を目の当たりにしてからは、タイトエンドの方が適していると確信した。バスケットボール選手がタイトエンドとして成功した例は多く、トニー・ゴンザレス、アントニオ・ゲイツ、ジミー・グラハム、モー・アリー・コックスなどがその代表例だ。
32歳のファントとそのスタッフはグレンジャーのためにジョージア州でワークアウトを実施するのを支援。そこにはパンサーズ、ミネソタ・バイキングス、シーホークス、ヒューストン・テキサンズ、フィラデルフィア・イーグルスの5チームが集まった。
そして、パンサーズは月曜日に、2020年に高校を卒業してから4年以上経過しており、大学でフットボールをプレーしていなかったことから、すぐにフリーエージェント(FA)として契約可能なグレンジャーと契約を結んだ。
「目まぐるしかったよ」とグレンジャーは笑いながら話している。
「今までの人生で一番クレイジーな1カ月間だった。恵まれているよ。最近は神に近づいているんだ。神がいなかったらこんなことできなかったって心から思っている。ジョージや家族がいなくても無理だった。本当に、素晴らしいことだし、毎晩のように驚いている。驚きのあまり、ただただ座り込んでしまう夜もある」
グレンジャーは、トミー・トレンブル、ジャタビオン・サンダース、ジョーダン・マシューズ、ジェームズ・ミッチェル、ドミニク・ダフニーと共にパンサーズのTE陣に加わる。
早期に契約したことにより、グレンジャーはチームが4月21日(月)に開始するオフシーズンワークアウトに参加し、ドラフト後のルーキーミニキャンプにも出席することができる。早期契約は、順調に転向するためにできるだけ多くの練習を積む必要がある未経験の有望選手にとって、大きな利点となるだろう。
【RA】