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ブラウンズで先発を目指すQBピケット、「遊びに行くわけじゃない」

2025年04月14日(月) 10:34


ケニー・ピケット【AP Photo/Matt Slocum】

クオーターバック(QB)ケニー・ピケットは2度目のチャンスで先発の座をつかもうとしている。ピケットはその目標をクリーブランド・ブラウンズに加入した当初に語っていたが、この週末にも改めて強調した。

『Pittsburgh Tribune-Review(ピッツバーグ・トリビューン・レビュー)』によると、ピケットは現地12日(土)にピッツバーグ大学の春季試合中に「それ(先発を務めること)がプランさ」とコメントしたという。

「遊びに行くわけじゃない。プレーがしたいんだ。ワクワクしているし、そのためにずっと努力し、1日1日を大事にしている」

QBデショーン・ワトソンがアキレス腱(けん)を再び断裂し、2025年シーズンに欠場する可能性がある中で、ブラウンズはフィラデルフィア・イーグルスとのトレードでドリアン・トンプソン-ロビンソンおよびドラフト5巡目指名権と引き換えにピケットを獲得。そのピケットは当初、チーム内で唯一の健康なクオーターバックだった。

しかし、方程式には常に変化が伴う。ブラウンズがベテランQBジョー・フラッコを1シーズンの不在を経て呼び戻し、ピケットと競争させることにした先週木曜日にも、その方程式は崩れた。

「ジョーについては素晴らしい話しか聞いたことがない」と明かしたピケットは「俺は10歳の頃から彼を見てきた。ジョーが成し遂げてきたことを心から尊敬しているし、一緒に仕事ができることにワクワクしている」と続けた。

フラッコが新人としてボルティモア・レイブンズに加入した2008年にピケットがまさに10歳だったことを踏まえると、ブラウンズのQBルームで最年長のフラッコは、経験という点では明らかに優位に立っている。

また、フラッコはブラウンズに在籍していた2023年シーズンに、ファンの心を鷲づかみにした可能性が高い。当時、レギュラーシーズンの5試合に先発出場したフラッコは、4勝1敗、1,616パスヤード、タッチダウン13回、インターセプト8回を記録し、チームをプレーオフ進出に導いた。

フラッコはポストシーズンでもそれ以前の5試合とほぼ同じパフォーマンスを見せ、2回の致命的なインターセプトを喫したものの、1回のタッチダウンを記録し、5試合連続の300パスヤード超えを達成した。

そうした活躍により、フラッコは最優秀カムバック選手賞を獲得している。

しかし、フラッコをチームに戻せば同じ結果が得られるわけではない。レイブンズのフランチャイズQBとしての役割を終えてから、初めてブラウンズに加入するまでの4シーズンで、フラッコの先発としての成績は3勝14敗にとどまっていた。昨季はインディアナポリス・コルツで2勝4敗に終わり、その時点でも以前のような輝きを失っているように見えた。

一方、ピケットはピッツバーグ・スティーラーズで先発を務めた2シーズンで、それぞれ7勝5敗の成績を収めている。2022年ドラフト1巡目指名を受けたピケットは、一貫してオフェンスを向上させる能力を証明することができていない。スティーラーズの先発としては試合平均179パスヤード、タッチダウン13回、インターセプト13回を記録。昨シーズンにスーパーボウル制覇を果たしたイーグルスで成長するチャンスを得たピケットは、その経験を生かしてより安定したパフォーマンスを発揮したいと考えている。

現在のブラウンズは、少なくとも先発経験のある2人のシグナルコーラーから選べる状況にある。

キャンプ用の控え選手、ドラフトの上位または下位指名選手、あるいは別のベテラン選手など、ブラウンズが何らかの形でQBを新たに加えることは確実だ。

オーナーのジミー・ハスラムですらクオーターバックに関して“大きな動きに出て失敗した”と認めている状況の中、ワトソンの負傷とフィールドでの苦戦により、ブラウンズには柔軟性が必要となっている。

ブラウンズは今オフシーズンもこれまで通り大きな動きに出続けるだろう。

そして、ピケットはチームを結びつける役割を担いたいと願っている。

【RA】