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TEゴーダートの不透明な将来がドラフトに「影響を与えることはない」とイーグルスGMローズマン

2025年04月16日(水) 14:39


フィラデルフィア・イーグルスのダラス・ゴーダート【AP Photo/Matt Slocum】

第59回スーパーボウルで優勝した余韻が薄れ、フィラデルフィア・イーグルスはロースター編成という現実的な仕事に向き合わなければならなくなった。

主な懸念事項の1つは、タイトエンド(TE)ダラス・ゴーダートの不透明な将来だ。ゴーダートは過去7シーズンにわたってチームの中心選手であり続けてきたが、大型契約の最終年に突入している。

しかし、ゴーダートの将来が不透明であることが、イーグルスの2025年NFLドラフトに対するアプローチに影響を及ぼすことはないようだ。少なくとも、ジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンはそのように話している。

チーム公式記録によると、現地15日(火)にゴーダートの状況とドラフトへの影響について質問されたローズマンGMは「私たちはドラフトを、それ以外のこととは切り離されたものとして捉えている」と報道陣に答えたという。

「ドラフトでは、誰が獲得可能かに基づいて適切な判断を下さなければならない。どのポジションも、実際以上に良くすることはできない。私たちは本当に正確なプロセスを踏む必要がある」

「だから、それが私たちに影響を与えることはない」

2018年ドラフトの2巡目で指名されて以来、イーグルスで重要な存在となっているゴーダート。現在は4年5,700万ドル(約81億2,255万円)の契約の最終年に突入しているが、保証金はなく、キャップナンバーは1,170万ドル(約16億6,726万円)となる見込みだ。イーグルスはゴーダートを6月1日(日)以前にカットあるいはトレードした場合、キャップに対して950万ドル(約13億5,376万円)の負担を抱えることになるが、6月1日以降であれば410万ドル(約5億8,425万円)を節約できる。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは3月31日に、イーグルスはゴーダートの放出を考えていないものの、財政的には難しい決断を迫られていると報道。さらに、ゴーダートはドラフトが目前に迫ったタイミングで注目すべき選手になるとつけ加えていた。現在、ドラフトは約1週間後に迫っている。

ゴーダートは2024年シーズンにキャッチ42回、496ヤード、タッチダウン2回を記録したが、タッチダウン数はキャリア最低記録となり、キャッチ数とヤード数もルーキーシーズンに次いで低い数字となった。ハムストリングと膝のケガを抱えていたゴーダートの出場数はわずか10試合にとどまっている。

そのような数字を踏まえると、イーグルスが30歳のシーズンを迎えるゴーダートと決別するのは理にかなっている。

そのため、ゴーダートの状況がイーグルスのドラフト方針に影響を与えることはないとローズマンGMが述べたとしても、イーグルスがタイトエンドを指名するのではないかと疑問に思うのは当然だと言えよう。

イーグルスはドラフト1巡目の全体32位指名権を保有しているが、この順位ではペンシルベニア州立大学のTEタイラー・ウォーレンを指名するのは難しいだろう。また、ミシガン大学のTEコルストン・ラブランドを獲得するのも難しいかもしれない。しかし、それ以外にも、ボーリング・グリーン州立大学のハロルド・ファニンJr.やマイアミ大学のイライジャ・アロイオ、ルイジアナ州立大学(LSU)のメイソン・テイラーなど、1巡目以降の選択肢は豊富にある。

「確かに、(ドラフト)クラスがどう見えるかは、指名時に誰が残っているかによる」と述べたローズマンGMは「だから、あるポジションに関して本当に良いクラスだと思っていても、自分たちが指名するタイミングで、その指名権の価値に見合った選手がいないこともあった。つまり、私たちがクラスを評価する方法は、どこで指名するとしても、その時点での選手のレベルがどうかだと思っている」と続けた。

イーグルスはすでにフリーエージェント(FA)のハリス・ブライアントやカイレン・グランソンを獲得している。また、2022年ドラフト6巡目指名を受け、2024年に13試合に先発出場したグラント・カルカテラもイーグルスでの4年目を迎える見込みだ。

「私たちはフリーエージェンシーでどのポジションでもできる限りのことをして、補強が必要な状況に置かれないように努めている」とローズマンGMは話している。

「もちろん、私たちは完璧なチームではないし、改善したいと思う部分は常にある。正直に言うと、それはドラフトの翌日にも起こってしまうことだ」

過去の経緯から判断すれば、イーグルスがゴーダートと決別する場合、その後任は――カルカテラではなかった場合に――ドラフトで見つかるだろう。イーグルスはゴーダートをドラフトで獲得し、最終的にザック・アーツの後を継がせた。そのアーツも、2013年ドラフト2巡目でローズマンGMから指名された後、前政権に指名されたブレント・セレックの後任となった選手だ。

「私たちにとって、ここまで質の高いタイトエンドのプレーに恵まれたのは本当に幸運だったと思う」とローズマンGMは語っている。

「私がGMに就任した当初は、ブレント・セレックという信じられないほど素晴らしい選手がいて、その後はザック・アーツ、そしてダラス・ゴーダートと続いてきた。うちには選手としても人としても信じられないほど素晴らしい3人がいた」

「つまり、私たちはタイトエンドのプレーの質に恵まれてきた。グラントについてもご指摘の通り、彼が去年に見せた成長は誰もが目にしたはずだ。だから、自分たちのボードや、ドラフトでの価値に基づいて判断しなければならない。私たちはニーズだけではなく、このドラフト、このクラスにおける選手たちの価値を基準に評価していく」

ゴーダートは2018年ドラフトでイーグルスから指名された選手の1人であり、2024年シーズンにはスーパーボウル制覇を達成するまでプレーオフの全4試合で先発を務めた。しかし、チームにおけるゴーダートの将来は極めて不透明であり、その行方は来週にウィスコンシン州グリーンベイで行われるドラフトで明らかになる可能性がある。

【RA】