チーフスが爆発力を取り戻すのは時間の問題とWRラシー・ライス
2025年06月16日(月) 12:07
カンザスシティ・チーフスがスーパーボウルでの敗北という傷をなめるのは、久々のことだ。
3連覇まであと1勝およばなかったチーフスだが、それ以前に、攻撃陣に長引く問題を抱えてもいる。チーフスは2年連続で得点で15位となっており、獲得ヤードではクオーターバック(QB)パトリック・マホームズ時代で初めて、トップ10から転落(16位)した。
しかし、ワイドレシーバー(WR)はそういったことに懸念を抱かず、成功の前に立ちはだかっているのは時間のみだと考えている。
現地14日(土)にユースフットボールキャンプに参加していたライスは、『KPRC2』のアーロン・ウィルソンに「うちにはたくさんの選手がいる。層が厚い」と話し、次のように続けた。
「今年のワイドレシーバー陣は爆発的だよ。正直言って、ショーを見せることにひたすらワクワクしている。見ものになるって分かっているんだ。今、前に立ちはだかっているのは時間だけ。だから、じっと待つだけだ」
レギュラーシーズンにショーが上演されるとすれば、チーフスのキャストはなじみある面々になるだろう。
チーフスはこのオフシーズンに、WR陣に大きな変化を加えなかった。マーキス・ブラウンと再契約し、ジュジュ・スミス・シュスターとは1年契約を締結。一方、ディアンドレ・ホプキンス、メコール・ハードマンは、フリーエージェンシーでチームを去っている。ドラフトでチームがワイドアウトに加えた最も大きな要素は、4巡目指名のジェイレン・ロイヤルズだった。
それにも関わらず、トレーニングキャンプで再集結した一同は、活性化したように感じているかもしれない。ライスは昨シーズン第4週の試合の第1クオーターでシーズン終了の重傷を膝に負うまで、ブレイクアウトのシーズンを送っているように見えていた。苛酷なリハビリを終えたライスは、再びマホームズのために広くオープンなアンダーニースを思うままに展開することを目指している。
ライスはケガからの回復は「大変なプロセスだった」とし、今の感覚は最高だと言う。
「このゲームを本当に愛しているなら、どんなことがあっても自分を遠ざけたり、仕事をやり遂げることはできないと思ったりしないんだ」
ブラウンもシーズン開始からの15試合を負傷によって欠場しており、フレッシュな気持ちで復帰してくるだろう。
この2人と、ルーキーイヤーに遅れてやってきたゼイビア・ワーシーが、一群を率いていくことになる。この3人がそろってフィールドに立ったことは1度もなく、だからこそ、ライスは失われていた機会を取り戻すことで、2025年には新しい、より良い結果が待っていると信じているのだ。
また、36歳のシーズンを迎えてスローダウンする可能性があると言えど、マホームズと以心伝心のタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーがいる。重要なダウンで相手の弱点を突き、チェーンを前に進めていくはずだ。
負傷によって予想外に得られたものの一つが、プロフットボールの殿堂入りが確実であるケルシーのような選手とプレーできることがいかに特別かを、ライスが心から実感したことだ。3年目を迎えたライスは、残された共にプレーできる時間のすべてをかみしめると話している。
このオフシーズンにケルシーが引退する可能性があったことについて、ライスは「本当に心配だった」とコメントし、こう続けた。
「俺はうそをつけない。トラブのことさ。去年ケガをしたことで、目が覚めたような感じだ。本当に彼に戻ってきてほしかった。終わった後になって、自分がどれだけの選手とプレーしていたのかを知ることもあるだろ」
新たに健康を取り戻し――さらにケルシーもいる――ながらも、刷新されたわけではないチーフスのパス攻撃は、以前のような爆発力を発揮しようとしている。
ライスが時間の問題だと考えているのも、当然かもしれない。
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