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QBサンダースの指名順位下落について語るトム・ブレイディ、「評価プロセスには関与していなかった」

2025年05月08日(木) 13:42


コロラド大学のシェドゥーア・サンダース【AP Photo/David Zalubowski】

ラスベガス・レイダースは他のNFLチームと同様に、先月に実施されたドラフトでクオーターバック(QB)シェドゥーア・サンダースを指名する機会を繰り返し見送った。そんな中で、レイダースのマイノリティオーナーであるトム・ブレイディとサンダースの関係性は、この決断に興味深い要素を加えている。

ポッドキャスト『Impaulsive(インポウシブ)』に出演したブレイディは、コロラド大学出身のサンダースが全体144位まで指名されなかった理由について意見を求められ、口ごもりながらも次のように答えた。

「いい質問だね。僕は評価プロセスには関与していなかったんだ」

ブレイディは続けて次のように語った。

「実はシェドゥーアにメッセージを送ったんだ。彼のことはよく知っているからね。“何が起きても、どこに行っても、それがスタートの日だ。大事なのはドラフト当日よりも、その次の日だ。僕は199位指名だった。だからこそ、それがどういう意味を持つか、一番語れる立場だと思っている。モチベーションに変えろ。必ずチャンスは巡ってくる。それをつかみにいけ”とね」

今オフシーズン、レイダースのクオーターバック選定においてブレイディが発言権を有することは予想されていた。実際、QBジーノ・スミスのトレードに関しては関与していた可能性もある。ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・スパイテックが6巡目指名のQBキャム・ミラーについて語った際、ブレイディが「スローの仕方を気に入っていた」と述べたことからも、ノース・ダコタ州立大学出身の同選手について少なくとも意見を求められていたことがうかがえる。

ブレイディがレイダースのクオーターバック評価プロセスにどの程度関与していたかにかかわらず、チームの首脳陣はサンダースを7度にわたって見送る決断を下した。最終的に5巡目でサンダースを指名したクリーブランド・ブラウンズでさえ、6回にわたって彼を指名しない選択をし、3巡目で先にQBのディロン・ゲイブリエルを選んでいる。

ブレイディの助言はこうだ。

「それをモチベーションにして取り組め。どこに行き着くかじゃない。大事なのは、そこでどんなパフォーマンスを見せるか、そして何をするかだ」

“G.O.A.T.(史上最高の選手)”と称されるブレイディは、自身が6巡目指名だったことに加え、ロドニー・ハリソン、ジュリアン・エデルマン、ウェス・ウェルカー、ダニー・アメンドーラといった、下位指名やドラフト外から這い上がってきた優秀な選手たちと共に戦ってきたことにも言及した。

「ドラフトは物語を売ろうとして“これが大事な日だ、これがドラフトだ”と騒ぎ立て、過度に盛り上げられた数日に過ぎない」とブレイディは語った。

「もちろん大事な日ではあるし、楽しいし、自分も見るのは大好きだ。でも、実際に自分は選手としての2日目を経験してきた。そこではプレーブックを覚える必要があるし、ロッカールームの一員として振る舞うことも求められる。成長しなければならない部分は山ほどある」

サンダースが加わったブラウンズのクオーターバック陣には、ジョー・フラッコ、元1巡指名のケニー・ピケット、ゲイブリエル、そして負傷中のデショーン・ワトソンが名を連ねている。

ブレイディはサンダースに対し、努力する姿勢でロッカールームの信頼を勝ち取るよう助言している。

「彼は毎日しっかり練習に参加して、クオーターバックである以上、リーダーでなければならない」とブレイディは言う。

「リーダーであるというのは、チームメイトのことを本気で思っているか、自分たちが何を成し遂げようとしているかに本気で向き合っているか、という2つに尽きる。これは出会うすべてのクオーターバックに伝えていることだ。それがチームメイトにとって信頼につながるんだ。相手にしているのは22歳のルーキーだけじゃない。キャリア最後の数年を懸けている32歳のベテランにも響く必要がある。職を失いたくないコーチにも、自分に投資をしたオーナーにも、結果を出してもらわなきゃ困るスタッフにも、信頼される存在でなければならない」

「最終的に僕にとって大切だったのは、チームメイトの存在だけだった。彼らが自分と一緒なら勝てると思ってくれたかどうかだ」とブレイディは振り返った。

そうして勝利を重ねてきたブレイディ。サンダースもオフシーズンのクオーターバック争いを通じて、チームメイトの信頼を勝ち取るチャンスを迎える。

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