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タッシュプッシュの今後については気にかけず、スーパーボウル連覇に集中するイーグルス

2025年05月21日(水) 13:08


フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニ【AP Photo/Matt Slocum】

フィラデルフィア・イーグルスの有名なショートヤーデージプレーをめぐる議論が再燃している。チームオーナーたちは春季リーグミーティングで“タッシュプッシュ”の禁止に関する修正案の採決を行う予定だ。

イーグルスの立場は変わっていない。むしろ、彼らもこの話題について話すことに飽きてきているようだ。

現地20日(火)、イーグルスのオフェンシブタックル(OT)ジョーダン・メイラタは報道陣に「いや、それは俺たちが判断することじゃない」と語り、こう続けている。

「彼らがどう判断するかは俺たちにはコントロールできない。プッシュを禁止するって?・・・そうなったらプッシュなしでやるだけだと思う。それが解決策さ」

「タッシュプッシュの禁止については、俺はあの名前が嫌いだから、それが禁止されたらいいんじゃないかな。ばかげた名前だ。でも、誰もコントロールできないことだから、心配すらしていない。今はとにかく自分たちのスキームをインストールしているだけ。(新攻撃コーディネーター/OCケビン・パトゥーロが)その日に何をインストールしようと、それが俺たちの集中すべきことだ。タッシュプッシュが禁止されるかどうかを心配したところで、もう一度優勝できるわけじゃないからな。ここで毎日やっていることこそが大事なんだ」

タッシュプッシュプレーについては、プロフットボール界のあらゆる方面から意見が飛び交い、延々と議論されてきた。イーグルスは当然ながら強硬な姿勢を見せており、自分たちはそのプレーを実行している唯一のチームではなく、単に最もうまく実行しているだけだと主張している。

擁するに、気に入らないなら止める方法を見つけてみろ、ということだ。

しかし、その結論は24時間以内に出るかもしれない。その時に備えているイーグルスのヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは、火曜日に次のように述べた。

「さあ、どうなるかな。そのうち分かるさ。答えが出るまで、そう長くはかからないだろう。明日には公になるはずだ。私が感じていることは皆さんもご存じのはず。オーナーたちの会議の場でも、自分たちの考えはしっかりと伝えたつもりだし、私の立場は誰から見ても明白だと思う。だから、どうなるか見守るつもりだ。明日、どうなるか見てみよう」

特定のプレーについて考えるのに何時間も、ましてや何週間も費やしたいと望むコーチはいない。たとえそれが、プレーの合法性を主張するためであっても、ショートヤードの状況における新たな戦略を考案するためであってもだ。スーパーボウル連覇を目指して準備を進めていることを踏まえると、イーグルスにはより重要な課題があると言える。

そうした中で、シリアニHCは月曜日に複数年の契約延長に合意。火曜日には、契約延長という形で自身への信頼が示されたことと、それを可能にした選手たちの支えに対する感謝の気持ちを述べた。その一方で、シリアニHCは自身だけではなく、すべてのNFLコーチにとって困難な状況が待ち受けていることも認識していると語っている。

そのような困難を乗り越えるために、シリアニHCは過去の栄光に甘んじてはならないことを理解している。シリアニHCはすでに気持ちを切り替え、ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチに就任したケレン・ムーアの後任としてケビン・パトゥーロを攻撃コーディネーターに昇格させ、新シーズンに向けた基本計画を練り始めている。

2025年シーズンに向けてどれほど早く気持ちを切り替えたのかと質問されたシリアニHCは「クレイジーだと思われるかもしれないが、すぐにだ」と返答。

「もちろん、パレードも楽しんだし、帰りのフライトも楽しんだけど、その後ケレンが仕事を得たから、すぐにコーチの補充作業に戻った。スケジュールは常にびっしりだし、前年の仕事をより良くするために常に努力し続けている。例えば、どうやったらコーチの採用をより良く進めて、プロセスを踏んでいけるかってね。その後はドラフトやフリーエージェンシー、選手たちのフェーズ1に移行していくから、気持ちを切り替えないといけないんだ」

「楽しむことはできる。少しの間はね。だが、気持ちを切り替えないと。自分たちに対して高い基準を課しているから、すぐに気持ちを切り替えないといけない。皆さんから高い期待が寄せられることも分かっているが、私たちが自分たち自身にどれほど高い基準を課しているかも分かっている。それは一歩ずつやっていくものだし、それがメンタルタフネスだ。選手たちにも今日、それについて話した。私は時々、メンタルタフネスや逆境を乗り越えることについてよく話す傾向がある。逆境を乗り越えることはメンタルタフネスの重要な部分だが、もう1つ大切な側面は、単調なことを何度も繰り返し、どんな状況でも同じ態度をとり、努力を続けることだ」

そうしたプロセスが一貫性を生み出し、その一貫性こそが最高峰で成功を収めるために不可欠な要素だ。イーグルスは2025年に一貫性による恩恵を受けるかもしれないが、まったく新しい状況に直面する可能性もある。その中には、新たなショートヤードプレーを考案しなければならない状況も含まれるだろう。

幸いなことに、シリアニHCは自分たちにはその状況に対応する力があると信じている。

「この仕事でも、人生においても、経験してきたすべてのことから成長できて感謝している」と語ったシリアニHCは「クレイジーだと思われるかもしれないが、どれだけつらい経験をしたとしても、振り返ってみると感謝の気持ちがわいてくる。そして、次に困難に直面したときにも“この経験にもいつか感謝することになる”ということを思い出したい」と続けた。

【RA】