NFLが地域社会と全国規模で影響を与える団体への支持を継続
2025年05月23日(金) 14:23
NFLが現地22日(木)、“Inspire Change(インスパイア・チェンジ)”と称する取り組みの一環として、全米各地のコミュニティで前向きな変化を起こすために活動している10の非営利団体への助成金を継続すると発表。これらの助成金は、教育、経済発展、警察と地域の関係、刑事司法改革という4つの柱に基づき、測定可能な変化を生み出すとともに、機会への障壁を取り除く活動を行っている団体に授与される。
これらのパートナーに対する助成金の総額は約250万ドル(約3億5,867万円)にのぼる。2017年以降、NFLファミリーは支援を必要とする地域社会に意義ある変化をもたらすために活動しているインスパイア・チェンジの助成金パートナーや数百の草の根団体に対して、累計4億6,000万ドル(約659億9,476万円)以上の資金を提供してきた。
NFLの社会的責任担当上級副社長であるアンナ・アイザクソンは「NFLはインスパイア・チェンジの取り組みを通じて、影響力のある団体を支援できることを光栄に思います」と述べている。
「意義ある社会的前進を推進するには、長期的な取り組みが必要です。私たちは、全米の地域社会に持続的な影響をもたらすため、NFLファミリーのあらゆる力を活用し続けていきます」
Players Coalition(選手連合)特別委員会のメンバーであるアリゾナ・カーディナルスのオフェンシブタックル(OT)ケルビン・ビーチャムは「選手連合は現場で困難な取り組みを行っている人々や団体を支援するために、自分たちの声と影響力を活用することに尽力している」と語り、「われわれはインスパイア・チェンジを通じて、最も必要とされる場所にリソースを届け、地域社会に実際に影響を与えているリーダーたちを支援している」と続けた。
これらの10件の助成金継続は、選手やレジェンド、チームオーナーで構成され、12人のメンバーからなる選手・オーナー社会正義委員会によって承認された。
助成金継続が決定したインスパイア・チェンジのパートナー団体は以下の通りだ。
教育
『Boys & Girls Clubs of America(ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・アメリカ/BGCA)』は、全米のボーイズ・アンド・ガールズ・クラブにおいて若者を対象とした“Think(考える)、Learn(学ぶ)、Create Change(変化を作る)”プログラムのリソース、活動、参加機会を拡充する。これらのプログラムは、子どもやティーンエイジャーに質の高い社会正義、リーダーシップ、アドボカシーの体験を提供するとともに、デジタルプラットフォームにおける若者主導のコンテンツを拡充し、若者たちが影響力のある議論に参加できるように支援するものだ。
『Get Schooled(ゲット・スクールド)』はデジタルプログラムを活用して支援が不足している若者たちが初めての就職や大学進学を実現できるよう支援し、それに必要なリソースを提供している。大学生の年齢の若者を対象に活動する非営利団体はゲット・スクールドと提携し、そのデジタルコンテンツやプログラムを地域社会にもたらす機会を得ることができる。
経済発展
『Operation HOPE(オペレーション・ホープ)』は起業における従来の障壁を取り除くため、事業を開始して拡大するために必要な重要なツール、リソース、教育を個人に提供し続ける。また、全国の支援が行き届いていないコミュニティに対しては、マンツーマンの金融コーチングや、金融リテラシー関連のリソースの提供をより充実させ、対象範囲を広げることに注力する。
警察と地域の関係
『A New Way of Life(ア・ニュー・ウェイ・オブ・ライフ)』は全国8都市を中心に、元受刑者の女性たちの職場復帰を支援する包括的なアプローチを採用した、労働力開発プログラムを継続的に拡大していく。今年の助成金は、従業員及び雇用主向けのデータ収集と研修の強化にも活用される予定だ。
『Free Minds Book Club & Writing Workshop(フリー・マインズ・ブッククラブ・アンド・ライティング・ワークショップ)』は受刑中および元受刑者の若者や成人を対象に、文芸、労働力開発、トラウマ治療、アドボカシーを通じて、個人と社会の変革を促進する活動を行っている。今回の助成金は、同団体の社会復帰プログラムの拡充を後押しするものとなるだろう。
『Impact Justice(インパクト・ジャスティス)』は刑事司法制度における制度的な障壁や経済的不平等を、イノベーション、研究、評価を通じて解消することを目的とする全米規模の非営利団体だ。今回の助成金は、サウスカロライナ州の女子刑務所における垂直型農場での職業訓練プログラムの拡充、司法制度の影響を受けた若者を対象とした全米初のリーダーシップ育成プログラム“California Justice Leaders(カリフォルニア・ジャスティス・リーダーズ)”、および新たな司法改革プログラムの企画・立ち上げを支援する“Innovations Fund(イノベーションズ・ファンド)”に対する一般支援に充てられる予定だ。
『Neighborhood Defender Services(ネイバーフッド・ディフェンダー・サービス)』はニューヨークを本拠点とし、テキサス州とミシガン州にも拠点を持つ組織であり、低所得者向けの包括的な公的弁護サービスを提供している。今回の助成金は、ウェイン郡との契約を通じて、デトロイトで貧困層の重罪被告の35%に刑事弁護を行っている同団体の活動を支援するものだ。重点が置かれる分野には、早期案件対応および有罪判決に伴う付随的帰結が含まれる。
『Vera Institute of Justice(ヴェラ司法研究所)』は全米の都市と連携し、健康や社会問題に対する警察の対応範囲を縮小する政策を実施する。また、各自治体と協力し、多様な専門対応者によって処理される911通報の件数を最大化するためのデータフレームワークを確立する。2年後には、得られた知見を踏まえ、ウェブベースのインタラクティブな報告書を公表し、各地域が警察対応の範囲や件数を減らす政策を実施するための具体的な指針を提供する予定だ。
刑事司法改革
シカゴの『Crisis Assistance Response and Engagement Program(クライシス・アシスタンス・レスポンス・アンド・エンゲージメント・プログラム/CARE)』はメンタルヘルス専門家をシカゴの911システムに組み込み、危機に直面している人々に適切な支援とリソースを提供することを目的としている。NFLは、CAREチームがより多くの住民のニーズに応え続けられるようリソースの提供を支援するとともに、CAREの初期対応者や911コールセンター職員のトラウマに配慮した対応を促進するための継続的な研修や専門性向上をサポートする。
『Metropolitan Family Services(メトロポリタン・ファミリー・サービス)』は『Center for Neighborhood Engaged Research & Science(センター・フォー・ネイバーフッド・エンゲージド・リサーチ・アンド・サイエンス/CORNERS)』と協力し、シカゴ全域で展開されている地域での暴力に対する介入活動の効果検証を支援している。『Metropolitan Peace Initiatives(メトロポリタン・ピース・イニシアチブズ)』や『Communities Partnering 4 Peace(コミュニティーズ・パートナーリング・フォー・ピース)』との連携のもと、CORNERSは地元の非営利団体と協力し、彼らの取り組みが地域の安全向上にどのように貢献しているかを、地域に根ざした協働的な研究手法を用いて調査している。
インスパイア・チェンジのパートナー助成金更新にあわせて、NFLと選手連合は全32チームに対し、地域の非営利団体を支援するための追加の助成金も承認した。これは、情報格差の解消や、支援が特に必要な地域社会でメンタルヘルスサービスにアクセスできるようにするために活用される。
NFLのインスパイア・チェンジの詳細についてはこちら(リンク先は英語)で確認できる。インスパイア・チェンジのインパクトレポートはこちら(リンク先は英語)で閲覧することが可能だ。
【RA】