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QBロジャースの契約は「気が散る要因」になっていないとスティーラーズLBハイスミス

2025年05月23日(金) 15:41


ピッツバーグ・スティーラーズのアレックス・ハイスミス【AP Photo/Gene J. Puskar】

クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースの決断を待つピッツバーグ・スティーラーズにとって、終わりが見えない状況が続いている。

シーズンの見通しはロジャースの決断に大きく左右されるものの、スティーラーズのオフシーズン活動に参加している選手たちは、そのことをあまり気にかけていないようだ。

現地22日(木)、ラインバッカー(LB)アレックス・ハイスミスは『The Insiders(ジ・インサイダーズ)』でイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロに対し、「俺たちはただ毎日、ベストを尽くそうとしているだけだと思う」と話している。

「今ここにいるメンバーを見ても、メイソン(ルドルフ)は素晴らしい仕事をしている。みんなは彼を中心に団結している。すでに言ったように、彼は前にもうちにいたし、選手たちもピッツバーグのファンも彼のことを知っている。2023年シーズン終盤にチームに貢献してくれた姿は素晴らしかった」

「誰が後ろに立っても、それがルドルフであっても、アーロン・ロジャースが来ても、俺はただただ楽しみだ。誰が後ろに立っても、俺たちは彼らを支え、彼らのもとで結束する。誰になっても楽しみだ」

週を追うごとに、疑問はますます強まっていく。トレーニングキャンプまではおよそ2カ月あり、ロジャースがスティーラーズに加入するには十分な時間があるものの、決断が下されていないことで、スティーラーズは不安定な状況に置かれている。ロジャースに関する質問が煩わしいものとなり、いずれ“気が散る要因”となるのは時間の問題だ。しかし、現時点ではまだその段階に至っていない。

ロジャースについてどれくらいの頻度で聞かれるのか、そしてそれは気が散る要因になるのかと質問されたハイスミスは「仲間や友達からよく聞かれるよ。彼らはファンとかそういう感じだ」と答え、こう続けている。

「ロッカールームではしっかりと取り組んでいるし、それが今、本当に重要なことだと感じている。彼が契約にサインしたら、俺たちは間違いなく興奮するだろうな。彼がどんな人物かは知っている。殿堂入り間違いなしのクオーターバックで、史上最高の選手の1人だ」

「気が散る要因とは言わないけど、彼がどんなクオーターバックで、何をチームにもたらすかはみんな分かっている」

ロジャースは、自分の都合を優先してオフシーズンのスケジュールを無視することで知られている。2021年にはグリーンベイ・パッカーズの参加必須のミニキャンプを欠席し、トレーニングキャンプ開始直前にチームへの復帰を承諾。2年後の春にはニューヨーク・ジェッツへの移籍(トレード)を希望すると表明し、2023年4月下旬に実際にジェッツに移った。

しかし、今回の状況は異なる。ロジャースはどことも契約しておらず、2025年にプレーする意向についても明確にしていない。一方、スティーラーズは極めて忍耐強く対応し、ロジャースに圧力をかけることなく決断を待っている状態だ。また、スティーラーズは安全策としてルドルフをチームに呼び戻しており、ロジャースとの契約が成立しない場合はルドルフに先発を任せると見られている。

ロジャースが契約しなければ、スティーラーズはキャリアの大半をバックアップとして過ごしてきたルドルフを起用せざるを得なくなる。ルドルフは2023年にプレーオフ進出を逃しそうになっていたスティーラーズを救い出した選手だ。しかし、ロジャースが計画に組み込まれない場合、スティーラーズのポテンシャルが大幅に低下することは、関係者全員が認識している。

残念ながら、現在のスティーラーズはほぼ無力な状態だ。さらに、2025年に向けて去就が不透明な大物選手はロジャースだけではない。

スターアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットは4月初旬にピースサインを掲げた自身の写真をソーシャルメディアに投稿し、スティーラーズファンを騒然とさせた。これは、新契約を求める選手がとる典型的な行動だ。ワットは現行契約の最終年を迎え、基本給として2,100万ドル(約30億1,438万円)を受け取ることになっているが、同じくエッジラッシャーとして活躍しているクリーブランド・ブラウンズのマイルズ・ギャレットやラスベガス・レイダースのマックス・クロスビーが結んだ高額契約と比べると、その額は相対的に少ないと感じられている。

ワットの相棒であるハイスミスは、ワットがスティーラーズを離れることを検討していないと自信を見せた。ハイスミスはこれが金銭的な問題であると理解しており、不透明な状況に陥る前にスティーラーズがワットに適切な契約を提示すると信じている。

「彼はここを離れないと確信している」と強調したハイスミスはこう続けた。

「試合中のあの写真はかっこよかった、ウソじゃない。でも、彼がここにいることやピッツバーグの街を愛していることも、ピッツバーグの街が彼を愛していることも知っている。だから、チームは契約をまとめるためにできる限りのことをするだろう。できるだけ早く決まるといいな。彼が世代を代表する選手であることはみんな知っているからね。俺たちはみんな、彼がこのチームに残りたいと願っていることを知っている」

今オフシーズン、スティーラーズはワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフをトレードで獲得した後、ダラス・カウボーイズとのトレードでWRジョージ・ピケンズを手放すなど、比較的積極的に動いていた。現在もスティーラーズのロースターにはロジャースが含まれると予想されているが、ロジャースが正式に決断するまでは確定しない。

ロジャースは現時点ではまだ決断する準備ができていないようだ。待ち時間は長引いている。

【RA】