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印象的なルーキーシーズンを過ごしたQBニックスは「並外れた存在」とブロンコスLTボールズ

2025年06月26日(木) 11:22

デンバー・ブロンコスのボー・ニックス【AP Photo/Seth Wenig】

デンバー・ブロンコスが2024年NFLドラフトの全体12位でクオーターバック(QB)ボー・ニックスを指名したとき、多くの人々はその選択を嘲笑した。

その中にチームのベテランレフトタックル(LT)は含まれていない。1シーズンにわたってニックスを守り、その結果を目の当たりにしてきたギャレット・ボールズは、ブロンコスとニックスの今後に期待を膨らませている。

現地25日(水)、ボールズは『NFL Network(NFLネットワーク)』の『The Insiders(ジ・インサイダーズ)』で「ボーは素晴らしいフットボール選手だ」と語り、こう続けた。

「彼を守り、彼のブラインドサイドプロテクターとして十分な時間を与えられることに感謝している。彼は並外れた存在だ。去年の成績を見てみろよ。彼と(ワシントン・コマンダースのジェイデン)ダニエルズ、この2人の若手クオーターバックはリーグで大きな成功を収めるはずだ。俺の後ろにはそのうちの1人がいる。彼の振る舞い、落ち着き、仕事への取り組み方、常に成長を目指す姿勢、投球能力、物の見方、すべてが魅力的だ。本当にそうなんだ」

2024年ドラフトでは有望なクオーターバックが多くそろい、ニックスは比較的注目度の低い選択肢と見られていた。しかし、ショーン・ペイトンHC(ヘッドコーチ)率いるブロンコスは、大学で5年間にわたって先発を務めた経験と、ペイトンHCの攻撃スタイルと相性の良いスキルセットに価値を見出した。

9カ月後、ブロンコスはまるでその道の専門家のように見えた。ニックスは3,775ヤード、タッチダウン29回(インターセプト12回)、パサーレーティング93.3を記録し、チームをほぼ10年ぶりのプレーオフ進出に導いている。ニックスはオフェンス部門年間最優秀新人賞の候補に名乗りを上げ、NFL入りした当初には得られなかった尊敬を勝ち取るに値するシーズンを送った。

おそらく最も重要なのは、長年にわたって何人ものクオーターバックを試し続けるも、信頼できる候補を見つけられなかったブロンコスのファンに、ニックスが希望を与えたことだ。これは、ペイトンHCがニックスに自身の強み――機動性、即興性、豊富な経験――を生かすことを許し、ポケットの外に出てペリメーターやフォーメーションの外でプレーを仕掛けられるようにしたことも要因となっている。

オーバーン大学とオレゴン大学の2校で合計5年間、先発経験を積んだニックスは、異例の経験値を携えてデンバーにやって来た。その経験がルーキーシーズンの活躍に役立ったのは間違いない。

ボールズは「そんな新人選手がNFLの生活に慣れるのは難しいだろうなって思うだろ」と話し、「でも、大学時代に経験したスナップや、オーバーンやオレゴンで受けたコーチ陣の指導が実を結んだんだと思う。デンバーに来てから自分の役割を受け入れ、リーダーとしてチームを得点に導く姿は、俺たちの心に響いた。去年はたくさん得点できたし、それを基に毎日成長し続ける準備はできている」と続けた。

まだ1シーズンしか経っていないが、ニックスが力強いデビューを果たしたことで、ブロンコスはペイトン・マニングの引退以降、最も前向きな姿勢で新シーズンに臨もうとしている。ボールズの発言はその楽観的なムードをさらに強めるものとなっていると言えよう。

【RA】