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バッカニアーズがボウルズHCおよびリヒトGMと複数年の契約延長に合意

2025年06月27日(金) 09:30

タンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズ【AP Photo/Jeff Chiu】

タンパベイ・バッカニアーズの強力なコンビが今後もチームにとどまることになった。

現地26日(木)、バッカニアーズがヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズおよびジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトと複数年の契約延長に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが情報筋の話をもとに報道。その後、チームが正式に発表した。

この契約延長はボウルズHCとリヒトGMの両者にとってふさわしいものだと言えよう。2人は、毎年異なるチームが王者となっていたことで知られるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区で、バッカニアーズを5年間にわたる成功へと導いてきた立役者だ。ブルース・エリアンスがヘッドコーチを務める中、第55回スーパーボウルでカンザスシティ・チーフスに勝利した後、バッカニアーズはディビジョンを支配し、4年連続の地区優勝を果たしている。そのスーパーボウル制覇と地区優勝を成し遂げたロースターを編成してきたリヒトGMは、エリアンスが2022年初頭に退任したことを受けてボウルズを後任として採用した。

バッカニアーズのオーナー兼共同会長であるジョエル・グレイザーはチームが発表した声明で次のように述べている。

「ジェイソンとトッドの卓越したリーダーシップとビジョンは、われわれの組織の成功にとって極めて重要であり、彼らが築き上げた勝利の文化のおかげで将来に向けて良い立ち位置を確保できている。ジェイソンはNFLでもトップクラスの人材評価者およびジェネラルマネジャーへと成長し、トッドは3年連続でチームを地区優勝に導いたうえ、リーグ屈指のディフェンス戦略家でもある。彼らの指導の下、われわれは再びチャンピオンシップを目指して継続的にチームの構築を進めていく」

他の多くのジェネラルマネジャーよりも長くチャンスを与えられてきたリヒトGMは、タンパでの在任期間の後半に非常に印象的な成果を挙げた。フランチャイズクオーターバック(QB)不在の困難な時期を乗り越え(特に、ジェイミス・ウィンストンが適任ではないと判断した後)、リヒトGMは2020年にニューイングランド・ペイトリオッツを離れたトム・ブレイディを獲得するという、NFL史上最も衝撃的なフリーエージェント(FA)補強の1つを実現させた。

ブレイディを迎え入れたバッカニアーズは瞬く間に優勝候補となり、初年度にはワイルドカード枠でのプレーオフ進出と最終的なスーパーボウル制覇を果たした。その後、再び頂点に立つことはなかったものの、ブレイディの加入から2024年シーズンに至るまでの5年間、チームは成功を続け、その間に4度の地区優勝と2度のプレーオフ勝利を収めている。

ブレイディの引退後、リヒトGMはQBベイカー・メイフィールドを獲得するという賭けに出てさらなる成功を収めた。かつてドラフト全体1位指名を受けたメイフィールドは当時、カロライナ・パンサーズへのトレード、その後のリリース、そしてロサンゼルス・ラムズとの契約を経て不確実な時期に差し掛かっていた。この契約はすでに大きな成果をもたらしており、メイフィールドは2年連続でキャリア最高のシーズンを送り、2度のプレーオフ進出を実現させている。メイフィールドの活躍は非常に大きく、直近2人の攻撃コーディネーター/OC(デイブ・カナルスとリアム・コーエン)はいずれも別のチームでヘッドコーチに抜擢(ばってき)されているほどだ。

リヒトGMは声明で「グレイザー家が私たちの取り組みに信頼と信念を示してくれたことに、心から感謝している」と述べ、こう続けている。

「彼らがリソースを提供し、組織全体に勝利の文化を育むことに情熱を注いできたことが、この5シーズンで私たちが大きな成功を収められた主な要因だ。また、これからも長くトッドと共に、才能ある選手の発掘・育成という使命を果たし、素晴らしいファンのためにさらなるチャンピオンシップを追い求めていくことを非常に楽しみにしている」

フィールドでもサイドラインでも、考え抜いた結果として賭けに出て成果を挙げてきたリヒトGM。ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチを務めた後に3年間にわたってエリアンスの下で守備コーディネーター(DC)を務めたボウルズをトップの座に昇格させ、エリアンスとブレイディが築いた勢いを引き継いでさらなる発展をもたらしてきた。

NFC南地区では近年、バッカニアーズにとって大きな脅威となるチームがなく、3回の地区優勝のうち2回は9勝8敗と8勝9敗という成績で成し遂げたものだったが、ボウルズHCが指揮を執り、リヒトGMがオフシーズンにおける選手の入れ替わりを巧みに乗り越える中で、バッカニアーズはこの地区の王者としての地位を確立してきた。

ボウルズHCは「このフットボールチームを率いるという私の能力にグレイザー家が示してくれた信頼に、心から感謝している。私はこの責任を決して軽く受け止めておらず、引き受けることを光栄に思っている」とコメント。

「すべてはトップに立つ者から始まる。彼らの揺るぎない献身があるからこそ、私たちはベストを尽くし、チャンピオンシップを争うことができている。また、これまで築いてきた成功を土台に、より大きく、より高い目標に挑み続ける中で、これからもジェイソンと共に取り組めることも楽しみにしている」

オーナーからの新たな支援を受けつつ、2人は2025年にさらなる飛躍を目指すだろう。

【RA】