フランチャイズタグ期限を前にチーフスGスミスが契約延長の可能性について言及
2025年07月11日(金) 10:31
第59回スーパーボウルで敗れ、相手チームに紙吹雪が降り注いだその瞬間、カンザスシティ・チーフスは変化の時を迎えることを理解していた。
チーフスはジョー・トゥニーをシカゴ・ベアーズへトレードしたが、それはトレイ・スミスにフランチャイズタグを適用し、両ガード(G)を同時に失う事態を回避する措置を講じた後のことだった。
それから数カ月が経過した現在も、スミスは長期契約を結んでいない。チームとスミスは東部時間7月15日(火)16時までに複数年契約を締結しなければならないが、26歳のスミスは迫り来る期限を特に気にしている様子はない。
「そのあたりは代理人に任せている」と、スミスは『FanDuel TV(ファンデュエルTV)』の番組“Up and Adams(アップ・アンド・アダムズ)”に出演した際に語った。
「もちろん、チーフスのフロントオフィスはエリート揃いだし、最終的には彼らに任せるしかない。自分はただ、最高のコンディションであること、最高のフットボール選手であること、そしてもうすぐセント・ジョーで始まるトレーニングキャンプに向けて準備を整えることに集中するだけだ」
来週初めまでに長期契約がまとまらなければ、スミスはフランチャイズタグにより2,340万ドル(約34億2,529万円)を受け取ることになる。
NFLでの4シーズンを経てプロボウル選出1回を誇るスミスは、まさに今が大型契約を勝ち取る絶好のタイミングにある。『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』によると、昨季のスミスはNFL全ガードの中でトップ15にランクインしており、高額な複数年契約にふさわしい実力を備えている。さらに、2024年シーズンに質の高いオフェンシブラインが優勝争いにおいていかに重要かを痛感したチーフスにとって、スミスの優先的な契約確保は不可欠と言える。
クオーターバック(QB)パトリック・マホームズは、スミスの重要性をすでに十分に理解しており、最近ではリーグ屈指のプロテクターの1人と評している。
「彼がそう言ってくれるのは本当に光栄なことだ」とスミスは話す。
「さっきも言ったけど、パトリックを守ることを考えると夜も眠れないくらいなんだ。自分のプレーの中で改善すべき点は分かっているし、最高のプロテクターになるために、そしてチームにとって価値ある存在となり、勝利に貢献するために努力を続けている」
チーフスもまた、スミスの高いパフォーマンスを十分に認識しているはずだ。かつては、トゥニー、スミス、センター(C)クリード・ハンフリーという優れたインテリアラインの三本柱の一角を担っていたスミスだが、トゥニーがベアーズに移籍したことで、チーフスは信頼できるインテリアブロッカーを1人失った形となっている。
もう一方のガードの座は、マイク・カリエンドと元タックル(T)のキングスレイ・スアマタイアによるキャンプでの競争によって決まる見通しだ。もし両者が期待に応えられなければ、他の選手たちにもチャンスが巡ってくる可能性がある。ただし、そのような状況は、昨シーズンにチーフスが直面した混乱を想起させる現実でもある。
ハンフリーとスミスという信頼できる存在がすでにいることで、チーフスは左サイドの整理に時間をかける余裕がある。こうした状況を踏まえれば、ジェネラルマネジャー(GM)ブレット・ビーチがスミスとの長期契約をまとめる道を見いだしても何ら不思議ではない。
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