ベアーズとポールズGMが2029年シーズンまでの契約延長に合意
2025年07月12日(土) 08:58
またしてもオフシーズンに大規模なロースター再編を実行したジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズは、シカゴ・ベアーズから大きな信頼を示されている。
ベアーズとポールズGMが2029年シーズン末までの契約延長に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地11日(金)午後に報じた。
ポールズGMと新人ヘッドコーチ(HC)ベン・ジョンソンは現在、同じ年までの契約を結んでおり、切っても切れない関係となっている。
39歳のポールズGMにとって、今オフシーズンで最も重要な補強はジョンソンHCを迎え入れたことだった。ジョンソンHCはライバルのデトロイト・ライオンズでオフェンスの名指導者として活躍し、過去2年の採用サイクルで最も注目を集めた候補者の1人となっていた。ベアーズが2018年シーズン以来の勝ち越しと2020年シーズン以来のプレーオフ進出を果たすためにも、ジョンソンHCがクオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズの並外れた才能を開花させることが期待されている。
かつてカンザスシティ・チーフスのスタッフだったポールズGMは、2022年シーズンを前にライアン・ペースの後任として採用された。ポールズGMはチームのロースターを完全に刷新し、その過程でマット・エバーフラスをヘッドコーチとして採用し、その後解雇したが、この3シーズンではいずれも勝ち越すことができていない。
ポールズGMに対して信頼が示されたことは、在任期間にチームの成績が15勝36敗にとどまり、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区で2度最下位に沈んだことから疑問視されるかもしれないが、それは決して努力不足によるものではない。
初めてジェネラルマネジャーに就任したポールズGMはベアーズの指揮を引き継いで以来、チームに大きな影響を与えてきた。
ポールズGMはファンに人気のアウトサイドラインバッカー(OLB)カリル・マックおよびインサイドラインバッカー(ILB)ロクアン・スミスをトレードで手放した後、ディフェンシブエンド(DE)モンテス・スウェットをトレードで獲得している。
また、2023年にはカロライナ・パンサーズとのトレードでドラフト全体1位指名権を送る見返りとしてスターワイドレシーバー(WR)D.J.ムーアおよび複数のドラフト指名権を手に入れた。その1年後には、ドラフト全体1位指名権を保持してウィリアムズを指名。それに加え、ベテランWRキーナン・アレンをトレードで獲得し、優秀なコーナーバック(CB)ジェイロン・ジョンソンをチームにとどめるために大型契約をまとめた。
2024年のベアーズがプレーオフ争いに浮上するチームになるとの見方は多かったが、チームは5勝12敗という惨憺(さんたん)たる成績に終わり、エバーフラスは105年にわたるチームの歴史で初めてシーズン途中に解雇されたヘッドコーチとなった。
困難に屈しないポールズGMはルーキーシーズンにリーグ最多68回ものサックを喫したウィリアムズを守ることに注力すべく、フリーエージェント(FA)とトレード市場で積極的な動きを見せ、ガード(G)のジョナ・ジャクソンやジョー・トゥニーをトレードで獲得したほか、センター(C)ドリュー・ダルマンとも契約を結んでいる。
契約延長が決まったとはいえ、自身の体制下で2人目のヘッドコーチを迎えたポールズGMにとって、2025年シーズンは重要な年となる。それでも、3年間の不振を経て、一定の安心材料は得られたと言えるだろう。
ポールズGMはたとえ失敗しても果敢に大きな勝負に挑み続ける非常に積極的なジェネラルマネジャーであることを証明してきた。
その指導下ではまだベアーズに運は味方していないが、ポールズGMはウインディシティで勝てるチームを築き上げるという確固たる意志を示している。
ベアーズのオーナー陣はその意志をはっきりと認識し、金曜日の契約延長でそれに応えた。
【RA】