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QBサンダースをドラフト5巡目で指名したのはGMの決断と語るブラウンズオーナー

2025年07月30日(水) 10:34

クリーブランド・ブラウンズのジミー・ハスラムオーナー 【AP Photo/David Richard】

クリーブランド・ブラウンズのオーナーを務めるジミー・ハスラムは過去にさまざまなことで批判されてきたが、最近注目を集めたドラフト指名については自分が直接関与したわけではないと述べた。

オーナーの影響は否定できないものの、ハスラムは現地29日(火)に、4月に行われたドラフトでジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーに新人クオーターバック(QB)シェドゥーア・サンダースを指名するよう強制したわけではないと強調している。

フランチャイズQBを探し続けてきたブラウンズは、オレゴン大学出身のQBディロン・ゲイブリエルを指名した2ラウンド後に、サンダースを5巡目で指名した。全体2位指名を受けてもおかしくないと予想されていたサンダースの指名をブラウンズが6回も見送った末に予想外の行動に出たことから、ハスラムがその動きを仕組んだのではないかという憶測が広まった。ハスラムは現場に積極的に関与する姿勢で知られているオーナーである上に、3日目に指名が発表された際にドラフトルームに座っている姿がカメラに捉えられていたからだ。

ハスラムはその憶測を否定している。

ハスラムは妻のディーと共に毎年恒例のトレーニングキャンプの記者会見に臨んだ際に「いいか、私たちは適切なプロセスを踏んでいる」と述べ、こう続けた。

「もし金曜の夜(ドラフト2日目)の帰り道に、シェドゥーアを選ぶことになるって言われていたら、“そんなことは起こらない”と答えていただろう。だが、その日は朝早くに話し合った後、もう一度話し合いをした。その話し合いには適切なメンバーが参加していたと思う」

「結局のところ、それはアンドリュー・ベリーの判断だ。シェドゥーアを指名する決定を下したのはアンドリューだ」

サンダースとゲイブリエルの加入に加え、ケニー・ピケットを獲得し、フリーエージェント(FA)のジョー・フラッコと再契約したことから、今夏のブラウンズでは4人のQBが競争を繰り広げる事態となった。NFLでは珍しい展開だが、昨季を3勝14敗で終えたブラウンズにとってはよくある流れとなっている。

2012年にハスラム家がオーナーに就任して以降、ブラウンズは成績不振に加え、フィールド外での問題や論争にも巻き込まれてきた。中でも最も注目を集めたのが、QBデショーン・ワトソンと記録的な契約を結んだことだ。2022年にリーグから受けた出場停止処分やケガによってワトソンがプレーできない状況が続く中、この契約はフランチャイズに長期的な悪影響を及ぼしており、QBの状況が不安定な現状にもつながっている。

オーナーとして何を学んできたかと尋ねられたハスラムは、自虐的に「多くは学んでいないように見えるね」と軽口をたたいた。

ハスラムは今のところ、ゲイブリエルや、コロラド大学でスター選手として活躍し、4番手のQBとしてトレーニングキャンプを迎えたサンダースのパフォーマンスに満足しているようだ。

「2人の新加入クオーターバックについてはこう言っておこう。誰もがサンダースに対していろいろなビジョンを持っているとは思うが、彼はチーム施設に来てから懸命に取り組んでいるし、集中し続け、やるべきことをやっている。それはディロンも同じで、2人のその姿勢に驚きはない」とハスラムは述べている。

新人ランニングバック(RB)クインション・ジャドキンスが最近フロリダで逮捕されたことで、ブラウンズに対する厳しい視線はさらに強まった。

ジャドキンスはブラウンズの選手として、過去1年間で家庭内暴力の容疑で逮捕された3人目の選手となっており、ハスラム家はチームとしてさらなる対応が必要だと認めている。

ハスラムは「非常に苛立たしい」と強調し、「明らかに本来とるべきコミュニケーションがとれておらず、その責任は私たちにある。内部にも外部にもリソースがある。継続的な話し合いを行っており、改善が必要な点だと認識しているが、苛立たしいのは確かだ」とつけ加えた。

ドラフト2巡目指名を受けたオハイオ州立大学出身のジャドキンスは、法的問題に対処しているため、現在も契約未締結のままチームを離れている。ハスラムはジャドキンズがいずれ契約にサインし、プレーすることについて“慎重ながらも楽観視している”と話している。ジャドキンスはリーグからの処分も受ける見込みだ。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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