CBディッグスの減給について語るカウボーイズEVP、「私たちも代償を払っている」
2025年07月30日(水) 14:53
現在のダラス・カウボーイズは必ずしも順風満帆ではない。
チームが抱える問題の中でも特に大きいのは、ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズの契約延長と、膝の手術から回復を目指すコーナーバック(CB)トレボン・ディッグスの状態だ。
ディッグスの報酬は最近、チーム施設でリハビリを行う時間の割合が基準に満たなかったことからディエスカレーター条項が発動され、50万ドル(約7,397万円)減額された。
プロボウルに2度選出された経歴を持つディッグスはその条項の発動に驚いていたが、執行副社長(EVP)スティーブン・ジョーンズは現地29日(火)に、カウボーイズとしてはディッグスがチームでリハビリを行っていれば復帰により近づいていたはずだと考えていると説明した。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョン・マチョタによると、ジョーンズEVPは『105.3 The Fan(105.3ザ・ファン)』に「彼は確かにここにいなかったことによる代償を払った」と述べ、こう続けたという。
「だが、私たちも代償を払っている。彼がここでリハビリをしていれば、もっと前進していたかもしれないと感じているからだ。彼はその意見に異論があるかもしれない。しかし、ここでリハビリをしていれば、もっと回復が進んでいた可能性が高いと私たちは感じている。それこそがチームと組織にとって最善の利益になるし、それは彼が受け取った大型契約に伴うものだ」
ディッグスは現在、PUP(故障者)リストに登録されており、シーズン開幕時の出場状況は未定となっている。ディッグスはマイアミでリハビリを行なっているが、ジョーンズはリハビリのために遠くに移動するべきではなかったと考えている。
「選手は他の場所にいるよりも、私たちと一緒にトレーニングした方がずっと良いと思っている」と強調したジョーンズEVPは、次のように続けた。
「毎日練習に来て、仕事を遂行するという規律は、ここにいるときにこそ成立するものだ。私たちにできること、これからも継続していくことは、すべての選手、特に高額な報酬を支払っている選手の契約に、ここに来てリーダーシップを発揮するよう明記することだ。その点についてはディッグスにもしっかり伝えた」
ジョーンズEVPが言及したように、カウボーイズはディッグスの契約にも対応しており、約2年前に5年9,700万ドル(約143億4,858万円)の契約延長に合意している。
一方、4年連続でプロボウルに選出されているパーソンズは、今年に大型の契約延長が見込まれているものの、現時点ではまだ合意に至っていない。これは、カウボーイズがオフシーズンからトレーニングキャンプにかけて長く対応している最新の契約問題だ。昨年、ワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムが契約延長に合意したのは8月26日だった。また、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットが新契約にサインしたのは、2024年シーズンが開幕してから最初に迎えた日曜日だった。
ラムが契約延長を実現する前、カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズは契約を“急ぐ必要はまったくない”と印象的な発言していた。ジョーンズオーナーはパーソンズについても同様の姿勢を示している。
ジョーンズEVPは日曜日に、合意に達するためにはパーソンズも“報酬を受け取りたいと思わなければならない”と発言して波紋を呼んだ。
そうして、プレスコットの契約延長をはじめとし、ランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットや元ガード(G)ザック・マーティンとの過去の契約にまでさかのぼり、カウボーイズは主力選手との契約延長に時間をかけすぎているとの見方が広まっている。
ジョーンズEVPは火曜日に「それには同意できない」とコメント。
「私たちが契約交渉を長引かせることはない。契約を結べるタイミングで結んでいる。当然、特定の交渉について内部で何が起きているかは誰にも分からないはずだ。選手や代理人が他の手札を見るまで判断を下せない場合もある」
「私たちがやらないのは、単に契約を1カ月早く成立させるためだけに無責任なことをして、キャップスペースをさらに500万ドルも使って選手に支払うようなことだ。特に、私たちのケースのように、チーム内部で育ち、ここにいたいと願っている気がする選手たちに対処している場合はなおさらだ。ダックはここにいたがっていると感じていた。シーディーもここにいたいと思っているといつも感じていた」
パーソンズもダラスに残りたいと明言している。しかし、契約延長は昨オフシーズン、あるいは今オフシーズンのもっと早い時期に済ませることができたはずだ。ところが、カリフォルニア州オックスナードでトレーニングキャンプが着々と行われる中、パーソンズはまだ契約延長に至っていない。
ジョーンズEVPはケガで2024年シーズンの途中に戦線離脱したCBダロン・ブランドとも交渉を進めていることを明らかにした。
当然、ディッグスの回復やパーソンズの契約延長と同様に、ブランドの契約延長についても具体的な時期は決まっていない。
【RA】