2025年シーズン開幕戦、カウボーイズ対イーグルスの注目ポイント
2025年09月04日(木) 11:39
ダラス・カウボーイズ対フィラデルフィア・イーグルス
会場:リンカーン・フィナンシャル・フィールド(フィラデルフィア)
日時:9月4日(木)アメリカ東部時間20時20分【日本時間5日(金)9時20分】
現地4日(木)夜、フィラデルフィア・イーグルスは優勝旗を掲げ、スーパーボウルリングを光らせながら、スーパーボウル王者の座を守ることを目指す。一方、ディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズのトレードを経て新たなチームの形を模索するダラス・カウボーイズは、レギュラーシーズン開幕戦の舞台となる街へ乗り込む見込みだ。
2025年NFLシーズン開幕戦では、スーパーボウル王者のイーグルスとカウボーイズが対決する。昨季の2試合ではどちらもイーグルスがカウボーイズに圧勝した。イーグルスは今オフシーズンに一部の戦力と層の厚みを失ったものの、中核を担う存在は残っている。一方、新戦力としてワイドレシーバー(WR)ジョージ・ピケンズを迎えたカウボーイズは、破壊力のあるパス攻撃で対抗する見込みだ。
イーグルスがまたしても大勝するのか? それとも、ブライアン・ショッテンハイマーがヘッドコーチ(HC)として初陣を飾る試合でカウボーイズが粘りを見せるのか? 2025年シーズン開幕戦で押さえるべき3つのポイントを整理していく。
最初に注目すべき点は、パーソンズが去った今、カウボーイズが耐えられるのかということだ。
カウボーイズのディフェンスは新守備コーディネーター(DC)マット・エバーフラスの加入により、すでに再構築が進んでいたが、パーソンズのトレードを受けて再び構築し直す必要に迫られている。このユニットにはあらゆるところに問題点が潜んでいるからだ。カウボーイズはまず、ディフェンシブタックル(DT)ケニー・クラークを新たに迎え入れて再建したフロントセブンでイーグルスのスターランニングバック(RB)セイクワン・バークリーを抑えなければならない。バークリーは昨季のカウボーイズ戦でキャリー平均5.2ヤードを記録した。また、カウボーイズはスーパーボウルMVPに輝いたクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツをランとパスの両方で抑える必要もある。ハーツはA.J.ブラウンやデボンタ・スミスといったワイドレシーバーに加え、他の強力な武器も自由に使うことが可能だ。
カウボーイズはセカンダリーが手薄であるため、新人のドノヴァン・エザラクーやサム・ウィリアムズ、ダンテ・ファウラーといったディフェンシブラインマン(DL)のプレッシャーに期待せざるを得ない状況でもある。ショッテンハイマーHCはシーズン開幕戦でオフェンスだけに気を配るわけにはいかず、エバーフラスDCと共にディフェンスの解決策を模索する必要に迫られるかもしれない。
次に注目すべき部分は、連覇への意気込みを示すイーグルスにとってはカウボーイズのWR陣を封じることが鍵になるという点だ。
カウボーイズがイーグルス相手に優位に立てる分野があるとすれば、それはパス攻撃だろう。イーグルスの若手ディフェンシブバック(DB)であるクインヨン・ミッチェルとクーパー・デジャンはともにスター選手になるポテンシャルを秘めており、昨季のカウボーイズ戦でも好成績を収めた。しかし、デジャンが主にスロットを担当する中で、イーグルスはもう一方のアウトサイドコーナーバックに不安を抱えている。ミッチェルの逆サイドを守るアドリー・ジャクソンは、キャンプやプレシーズンで結果が安定していなかったからだ。その一方で、ジャクソンは過去4年間をニューヨーク・ジャイアンツで過ごし、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区のライバルとしてカウボーイズとワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムに精通している。ラムとピケンズはQBダック・プレスコットにとって強力なコンビとなる可能性があり、シーズン開幕戦でどのようにパスが分配されるかは興味深いと言えよう。
ジャボンテ・ウィリアムズ、ジェイドン・ブルー、マイルズ・サンダースからなるRB陣の実行力が不透明であるため、カウボーイズにとってはパス攻撃が番狂わせを起こす最良の手段となるはずだ。
最後に注目すべき点は、スペシャルチームがカウボーイズの隠れた武器になり得るかという部分だ。
カウボーイズはスーパーボウル王者相手に多くの面で苦戦する可能性があるが、キックゲームでは優位に立てるかもしれない。キッカー(K)ブランドン・オーブリーはキャリア2年目に精度がやや落ちたかもしれないが、彼ほどのキック能力を持ってNFL入りした選手は稀だ。オーブリーは最初の2シーズンでいずれも60ヤード以上のキックに成功し、50ヤード以上のフィールドゴールを10回以上決めた。イーグルスとの4試合では8回中7回のフィールドゴールに成功(うち50ヤード以上は4回中3回成功)している。
また、カウボーイズは主力リターナーとしてケボンタエ・ターピンも擁している(ターピンには攻撃面でもっと機会を与えるべきだという意見もある)。ターピンは昨季にパントリターンとキックオフリターンでタッチダウンを記録し、リターナーとしてオールプロのファーストチームに選出された。イーグルス戦でリターンタッチダウンを決めたことはないものの、キックオフで平均33.6ヤード、パントで平均11.8ヤードを記録するなど、過去3年間を通してイーグルスを苦しめてきた。
一方、イーグルスのカバレッジユニット――そして、スペシャルチーム全般――は昨季にかなり精彩を欠いており、スーパーボウル制覇を成し遂げたシーズンにおける数少ない弱点の1つとなっていた。イーグルスは他の多くの分野で優位に立っていることを認識しつつ、木曜日の試合に向けてこの部分を強化することを望んでいるだろう。
【RA】