大勝した試合でキャリア最高パスヤードを記録しブロンコスを復調に導いたQBニックス
2025年10月01日(水) 13:19
クオーターバック(QB)ボー・ニックスとデンバー・ブロンコスは非常に高い期待を背負って2025年シーズンを迎えた。
しかし、合計4点差で2連敗を喫した結果、3週間を終えた時点でブロンコスの成績は1勝2敗となっていた。
ニックス率いるブロンコスは現地9月29日(月)夜に大きく復調し、シンシナティ・ベンガルズを28対3の大差で圧倒。キャリア2年目のニックスは3回のタッチダウンを記録し、オフェンスは512ヤードを獲得した。
ニックスはシーズン第2週に29対28で敗れたインディアナポリス・コルツ戦や、シーズン第3週に23対20で敗れたロサンゼルス・チャージャーズ戦を受けて生じた騒ぎについて「雑音はいつだってあるものだ」と語り、こう続けている。
「今回の勝利の後も、直してほしいところとかいろいろ指摘されるはずだし、雑音はつきものだ。改善の余地は常にある。勝った試合を振り返ってミスを修正するのは、勝ったと分かっているぶん少しだけ気分が良い。この数週間は最悪だった。負けた試合では見落とした部分や、つかめたはずのチャンスがあったと思い知らされるからね。だから、勝った方がずっと気分がいい」
ニックスは月曜日に調子を上げ、パス42回中29回を成功させて自己最高の326ヤード、タッチダウン2回、インターセプト1回を記録。さらに、6ヤードのタッチダウンランでブロンコスに最初の得点をもたらした。
ベンガルズがフィールドゴールで先制点を挙げた後、ニックスは第1ダウン残り17秒でタッチダウンランを決めた。ブロンコスはそこから相手に一度も得点を許すことなく28点を挙げている。
ワイドレシーバー(WR)マーヴィン・ミムスの16ヤードのタッチダウンランに続き、ニックスはハーフタイム直前にWRコートランド・サットンへ20ヤードのタッチダウンパスを決め、さらに12ヤードのタッチダウンパスをランニングバック(RB)R.J.ハーヴェイに通して素晴らしい1日を締めくくった。新人RBのハーヴェイにとっては、NFLキャリア初の得点となっている。
この試合はベンガルズの反則、ブロンコスの素早い判断、そしてサットンのアクロバティックなプレーによって、ハーフタイム時点で事実上決着がついていた。
ニックスが前半残り17秒でサットンへ8ヤードのパスを通した時点でブロンコスはハリーアップモードに入ったが、ベンガルズにオフサイドの反則が宣告された。ブロンコスはこの反則を辞退したものの、一時的に攻撃が中断された。しかし、チームはすぐに立て直している。
サットンのタッチダウンはこの試合で最も印象的なプレーとなった。ニックスは2人のディフェンダーの間にいたチームのトップターゲットに鋭いパスを投じ、サットンは空中でキャッチしてエンドゾーンに背中から着地。背中を激しく地面に打ちつけたため、起き上がるのには時間がかかったが、その結果として6点を獲得している。
ニックスは「最後の場面は興味深い状況だった。俺たちには良いプランがあったのに、相手が反則を取られた」と振り返り、こう続けた。
「時計が止まらずに進み続けるかどうかで少し混乱した。そのあと残り時間は確か13秒くらいだったから、本当に急がなきゃいけなかった。12秒くらいが、ボールをインバウンズでキャッチして時計を止めるためのギリギリのラインだ。だからエンドゾーンへのプレーを決めることにした。フィールドに出ていたメンバーで何とか成功させるしかなかった。みんながそれを実現させたのは素晴らしかった。(ヘッドコーチ/ショーン・ペイトンが)想像したり計画したりしていた形ではなかったと思うけど、結果的に俺たちに有利に働いた」
ペイトンHCは「前半終了間際のプレーは間違いなく重要なプレーだった。ものすごく重要なプレーだった」と述べている。
サットンはレシーブ5回でチーム最多の81ヤードを獲得したが、ニックスは公平にパスを分配していた。月曜日の試合では9人の選手がボールをキャッチし、サットン、ミムス、トロイ・フランクリン、ハーヴェイ、エバン・エングラムがそれぞれ4回以上のキャッチを記録している。
「今日はよく見えていたと思う」とニックスは語った。
「状況をよく見ることができたと思う。良い計画を持って臨み、何を見るべきかしっかり把握できていた。みんなはとにかくオープンになってくれる。うまくたくさんの選手を起用して疲れさせないようにし、みんながボールをキャッチして爆発的なプレーを生み出すチャンスを得られるようにすることができている。誰がボールをキャッチするかは予測できない。ボールをまんべんなく回すのは、相手ディフェンスが1人の選手に集中するのを防ぐためにも良いことだ」
2024年シーズンにプレーオフに進出したチームを3つ――カンザスシティ・チーフス、ロサンゼルス・チャージャーズ、ブロンコス――擁するAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区は、シーズン第4週を終えた時点で興味深い状況となっている。チャージャーズが初黒星を喫して3勝1敗となった一方、チーフスとブロンコスは大勝を収めて成績を2勝2敗とした上でシーズン第5週目を迎えようとしている。
ブロンコスは月曜夜の勝利を喜んだ後、ショートウイークを経て臨む日曜日の試合に向けて準備を進めることになる。次戦の相手は昨季のスーパーボウル王者で今季無敗のフィラデルフィア・イーグルスだ。
手強い相手ではあるが、2試合連続の惜敗を経て、ブロンコスは大勝で勢いに乗っている。シーズンはまだまだ続くが、ブロンコスは次の大一番に向けて調子を上げつつあり、チームとして形になってきている。
ペイトンHCは「当然、シーズン序盤は他の31チームも自分たちのスタイルを模索している。私たちも同じだ。だが、間違いなく今回は良い方向に前進できたと思う。今夜できたことの多くが今後にもつながると期待している。次はスーパーボウルを制したばかりのチームが相手だから、今回の勝利を味わった後、明日にはまた仕事に戻るつもりだ」と述べた。
【RA】