ドルフィンズがLBフィリップスをイーグルスにトレード、2026年ドラフト3巡目指名権を獲得
2025年11月04日(火) 09:17
フィラデルフィア・イーグルスのジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンが現地4日(火)のトレード期限を前に積極的な動きを続けている。
現地3日(月)、イーグルスが2026年ドラフト3巡目指名権と引き換えに、マイアミ・ドルフィンズからラインバッカー(LB)ジェイラン・フィリップスを獲得すると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話をもとに報じた。
その後、イーグルスはトレードについて正式に発表。
NFLネットワークのマイク・ガラフォロによると、イーグルスがドルフィンズに送るドラフト指名権は、元々チームが持っていた3巡目指名権で、かつてアウトサイドラインバッカー(OLB)ハサン・レディックをトレードした際にニューヨーク・ジェッツから受け取ったものではないという。
ローズマンGMがこの1週間で守備陣強化のために選手を獲得するのは3度目で、すでにコーナーバック(CB)のジャイア・アレクサンダーとマイケル・カーター二世を獲得している。弱点を認識すると、それを解決するためにシーズン中でも臆せず動くのがローズマンGMだ。チームにそうした動きを実現するための基盤と計画があることが支えとなっており、ローズマンGMはすべてが成功するわけではないとしても、今後も挑戦を続けるだろう。
フィリップスは高い運動能力を持つエッジラッシャーだが、その才能はケガによって制限されてきた。過去2シーズンではアキレス腱(けん)や膝の負傷により、わずか12試合の出場にとどまり、2024年シーズン序盤にはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂も経験している。26歳のフィリップスは今季の9試合でサック3回、タックル25回を記録し、潜在能力の一端を見せているものの、負傷前の実力を完全に取り戻したわけではない。
フィリップスはフィラデルフィアで守備コーディネーター(DC)ビック・ファンジオと再会する。2人は2023年にともにドルフィンズに所属しており、フィリップスはそのシーズンで8試合に出場した後にシーズンを終えた。
運動能力の高さと才能を踏まえると、フィリップスは即戦力としてイーグルスで大きな成果を挙げる可能性を秘めている。キャリア5年目のフィリップスは安定した結果を出せていないエッジラッシャー陣に新たな刺激をもたらす存在だ。LBジャリクス・ハントはプレッシャーこそかけているものの、サック数はわずか1回にとどまっており、現時点でエッジラッシャーとしてチームトップのサック数を記録しているのは、突如引退したザダリアス・スミス(1.5回)となっている。
イーグルスはディフェンシブタックル(DT)ジェイレン・カーターが欠場した試合で特にプレッシャーをかけるのに苦戦していたが、フィリップスを加えることで、1対1で勝てるエッジラッシャーを手に入れることになる。
2021年ドラフト1巡目指名を受けたフィリップスは新人契約の最終年を迎えているため、低迷するドルフィンズにとって理にかなったトレード候補となっていた。先週にジェネラルマネジャー(GM)クリス・グリアが解任されるまでは、ドルフィンズはトレードに慎重だという声もあったが、暫定GMのチャンプ・ケリーは就任から数日で早くも動きを見せている。問題は、OLBブラッドリー・チャッブやワイドレシーバー(WR)ジェイレン・ワドルを含む複数の選手についての問い合わせを他チームから受けている中で、これがドルフィンズにとって唯一の動きになるかという点だ。
大幅な刷新が必要なチームにとって、再契約の可能性が低かった選手を手放す見返りとしてドラフト3巡目指名権を受け取るのは、十分な対価だと言える。フィリップスの負傷歴を考慮すると、ドルフィンズが3巡目指名権を獲得できたのはやや意外だが、これは多くのチームがエッジラッシャーの補強を必要としているトレード市場の状況を物語っているのだろう。
補償指名権の制度が双方に影響を与えた可能性は高い。フィリップスがフリーエージェント(FA)としてチームを離れていた場合、ドルフィンズが得られる補償は最高でもドラフト3巡目指名権だった可能性がある。一方、イーグルスにとっては、フィリップスが短期的な補強にとどまり、オフシーズンに他チームに移籍することになった場合に、ローズマンGMが補償指名権を得られる可能性がある。
今回の動きを経て、ドルフィンズは2026年ドラフト3巡目指名権を3つ確保した。ロースターの各所に補強すべき穴がある現状を踏まえると、これらの指名権は迅速な再建に向けて極めて重要になるだろう。
イーグルスは来年のドラフト3巡目指名権を手放したが、依然として11のドラフト指名権を保有する見込みだ。そのうち2つは3巡目指名権であり、うち1つはディフェンシブエンド(DE)ミルトン・ウィリアムズがFAとしてニューイングランド・ペイトリオッツに移籍したことによる補償指名権と見られている。
【RA】



































