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NFLコミッショナーが記者会見、“ベガスはまだ計画段階”

2017年02月02日(木) 13:06


記者会見を開いたNFLコミッショナーのロジャー・グッデル【AP Photo/David J. Phillip】

現地3日(水)、年1度開催されるスーパーボウルウイークの記者会見において、NFLコミッショナーであるロジャー・グッデルはまず、オークランド・レイダースのラスベガス移転計画について口を開いた。

月曜日、カジノ界有数の大富豪であるシェルドン・アデルソンがレイダースのラスベガス移転に際する65,000席のスタジアムの建設費、19億ドル(約2,150億円)の財政支援から身を引くことが明らかになった。少なくとも現時点において、アデルソンの撤退はレイダースのラスベガス移転計画のとん挫をも意味している。これらを踏まえ、ラスベガスがまだNFLを受け入れる余地があるのかと問われたグッデルはこのように答えている。

「NFL市場におけるラスベガスの可能性についてはまだ何の決定もなされていない。移転計画の一環とも言える。レイダースが移転申請書を提出したので、われわれも慎重に検討を重ねている。しかし、課題が多いのは事実だ。いくつか要素があるが、スタジアムの建設費用がまず1つ目の問題。そして、スタジアムを建設すること自体も簡単ではないし、さらには市場規模の問題もある。われわれはここ数カ月にわたって調査を行ってきたが、来月にかけてさらに詳しい調査を行っていく予定だ」と語った。

現時点でレイダースに第2プランはない模様だ。火曜日、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはアデルソンの撤退が移転計画をとん挫させる致命的な一撃にはならないと報じていた。レイダースが持つ1つのアドバンテージとしては、彼らに締め切りがないということだ。

記者会見でグッデルはNFLの下位文化に賭博も存在すると認めた一方、カジノのオーナーがNFLオーナーシップの一部を掌握することには反対の姿勢を見せた。ベガスにおける多数の財政支援はカジノとの結びつきを強めることになりかねない。

グッデルは「NFLとスポーツギャンブルは一線を画していると常に注意を払うことで、われわれはこのNFLの試合の清廉(せいれん)さを維持していく。われわれにとってそれは最も重要なことの1つである。ファンの皆さんにはフィールド上で繰り広げられる戦いに、不当な影響が一切与えられていないということを分かっていただきたい」と述べ、次のように続けている。

「市場のどこかでは賭博行為が行われていることも認識はしているが、ラスベガスにはラスベガスのルールというものが存在するはずだ。われわれNFLの規定とそのルールを調整するようにとレイダースが申し込んできたことはない。もちろん、今後も一線は画し続けていく予定だ。カジノにオーナーシップを許すことはない。われわれの規定とは相反するものだからだ。スタジアムについても同様だ」

レイダースが最終的にサンディエゴまで南下する可能性はと問われたグッデルは元チャージャーズ本拠地への移転には合意可能なスタジアムの提案書が必要だと語った。チャージャーズがその場所を去ったばかりだということを考慮すれば、厳しい道のりになるだろう。ラポポートはレイダースがラスベガスやカリフォルニア州以外の候補地も視野に入れるべき段階に来ていると報じた。

グッデルは記者会見の中でその他トピックについても語っている。

◆サーズデーナイトフットボールに関して

グッデルはその試合のクオリティの低さゆえに批判の的となっているサーズデーナイトフットボールについても断固としてこれを擁護する構えを見せた。放送スケジュールの変更や何チームがサーズデーナイトで戦うことになるのかを検討する予定だとグッデルは言う。

「われわれはサーズデーナイトゲームに大きな期待を寄せている。今年、“NBC”放送のプライムタイムで2番目に、そして“CBS”放送では4番目に視聴率が高かったのが結局このサーズデーナイトゲームだった。ゆえに、ファンの皆さんの反応は上々かと思っている。試合の安全性についても様々な議論はあるが、故障者や故障発生率における上昇は見られず、むしろ、日曜日に行われる試合よりも若干低いというデータも示されている。また、試合のクオリティに関してもわれわれは今後に大きな希望を持っている。ターンオーバーやペナルティの数も減少傾向にある。皆さんが試合の質に関して指摘するだろうあらゆる観点からしても、サーズデーナイトゲームのクオリティは文句のないものだと言える。これまでにNFLの32チーム全てに戦わせたが、それもまた再考するかを現在議論中だ。サーズデーナイトゲームで戦うチーム数を減らすことも考慮に入れている。また、ファンの皆さんから“どのチャンネルで試合を見られるんだ? どのチャンネルで試合が見れられるかを知りたい”といった声が多かったのを受け、CBSやNFLネットワーク、NBCで引き続き試合が見られるような放送スケジュールの組み直しを検討したい」とも語った。

◆大麻の合法化について

複数の州が大麻を合法化したことを受け、NFLは興味深い岐路に立っている。大麻使用に関する罰則の大幅な軽減を求める提案書が選手組合から提出される可能性について『Washington Post(ワシントン・ポスト)』に問われたグッデルはこう答えた。

「ご指摘の通り、まだ選手会からの提案書は届いていない。まだそれを見たことはないし、その記事を読んで(NFL選手協会事務局長デモーリス・スミスと)話もした。一般的に見ても労働協約はこれまでに選手やクラブ、ひいては試合に至るまでも実にうまく機能してきたと感じている。ある意味では奨励された投資とも言えよう。1球団につきサラリーキャップは1,500万ドル(約17億円)の増大につながる想定していたものの、ここ4年間だけでベネフィットも含めれば17億ドル(1,900億円)にまで達している。これは以前では考えられなかったことであり、このような数字に達するなどとは想像もしなかっただろう。だからこそ、われわれが作り上げた労働協約は全ての者に対して機能していると判断できる。しかし昨年の春、われわれはリーグとして、そして、オーナーシップとして声をあげるべく、問題事項を記したリストを組合の方に複数送らせていただいた。私個人を含め、われわれ全体が問題とするのは1つに薬物規定だ。薬物規定やその他規定を定める必要があれば早めに動き、それを責任ある手段で行うためにわれわれはこうして存在し、交渉を行う。われわれがこの場にいる理由は明らかだろう」

NFLネットワークのラポポートとマイク・ガラフォロはこの問題について次の団体交渉協約が期限切れを迎える前に交渉が行われるだろうと加えている。

◆ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオットが家庭内暴力で告訴された件について

ダラス・カウボーイズの新人ランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットの家庭内暴力に対する問題について、NFL調査チームのタイムテーブルは定まっていない。

グッデルは「調査チームにプレッシャーをかけてはいない。われわれには相当な訓練を受けた優れたメンバーがおり、彼らに制限時間を設けていない。正しい結論を導くため、彼らには徹底的、かつ、公平な判断をしてもらいたい。現段階では彼らにタイムテーブルはない」と明かした。

◆コマーシャル、プレーのペース、試合時間、テレビ放送などについて

「前からずっと、その問題には焦点を当ててきた。1年半前にはヤフーと提携し、試合を今までとは違ったものにしようと試みた。実際にコマーシャルも使って宣伝も行っている。われわれが行おうとしているのは製品をより魅力的にすることであり、試合をより興奮させるものにすることである。より多くのファンの皆さんがテレビ観戦やスタジアム観戦をしてくれるよう、あらゆる可能性も捨てていない。それこそがわれわれの仕事であり、従事していることだ。今後の可能性として、競争委員会を設置し、様々な問題に対処していくことだ。1つ例を挙げれば、インスタントリプレーがある。サーフェイスのタブレットをサイドラインに供給し、処理のスピードを上げることが可能になれば、試合中の判断もより早くなって試合の再開も早まるだろう。また、エクストラポイントからキックオフまでの時間を検討することで選手たちの無駄な動きを抑制し、不必要な遅れを軽減することが可能だろう。それゆえ、プレークロッは基本的に各チームがキックオフの際にどの時点で準備をするのかを決定づけることになる。また、リプレイのアナウンスは本当に必要かどうか、リプレイであればただ流すだけでも良いのではないかなど、試合を運営する上でまだまだ改善すべき点はたくさんある。試合時間短縮の可能性はまだまだあり、試合の中断時間ではなく、アクション時間へと焦点を向けることが重要だ。コマーシャルについては去年の第16週のヤフーゲームでテストを試みた。何回のブレイクが最適なのかを知りたい。われわれは1クオーターにつき5回のブレイクを与えているが、1クオーターで4回のブレイクでも問題ないと見ている。ここは今、われわれが重点的に取り組んでいる項目だ。これは競争委員会の問題ではなく、メンバーシップや放送業者との兼ね合いになる。可能性はあると見ているし、試合中の中断同様に、試合中のコマーシャル面についても考えを改めていくつもりだ。コマーシャルについては削減する方向でおり、スタジアム観戦やテレビ観戦を問わず、その経験の質を向上させるための適切なバランス感覚を大切にしたい。われわれはそういった部分に焦点を当てている。今オフシーズン、多くのことが変わることを期待している」

グッデルは「NFLとスポーツギャンブルは一線を画していると常に注意を払うことで、われわれはこのNFLの試合の清廉(せいれん)さを維持していく。われわれにとってそれは最も重要なことの1つである。ファンの皆さんにはフィールド上で繰り広げられる戦いに、不当な影響が一切与えられていないということを分かっていただきたい」と述べ、次のように続けている。

「市場のどこかでは賭博行為が行われていることも認識はしているが、ラスベガスにはラスベガスのルールというものが存在するはずだ。われわれNFLの規定とそのルールを調整するようにとレイダースが申し込んできたことはない。もちろん、今後も一線は画し続けていく予定だ。カジノにオーナーシップを許すことはない。われわれの規定とは相反するものだからだ。スタジアムについても同様だ」

レイダースが最終的にサンディエゴまで南下する可能性はと問われたグッデルは元チャージャーズ本拠地への移転には合意可能なスタジアムの提案書が必要だと語った。チャージャーズがその場所を去ったばかりだということを考慮すれば、厳しい道のりになるだろう。ラポポートはレイダースがラスベガスやカリフォルニア州以外の候補地も視野に入れるべき段階に来ていると報じた。

グッデルは記者会見の中でその他トピックについても語っている。

◆サーズデーナイトフットボールに関して

グッデルはその試合のクオリティの低さゆえに批判の的となっているサーズデーナイトフットボールについても断固としてこれを擁護する構えを見せた。放送スケジュールの変更や何チームがサーズデーナイトで戦うことになるのかを検討する予定だとグッデルは言う。

「われわれはサーズデーナイトゲームに大きな期待を寄せている。今年、“NBC”放送のプライムタイムで2番目に、そして“CBS”放送では4番目に視聴率が高かったのが結局このサーズデーナイトゲームだった。ゆえに、ファンの皆さんの反応は上々かと思っている。試合の安全性についても様々な議論はあるが、故障者や故障発生率における上昇は見られず、むしろ、日曜日に行われる試合よりも若干低いというデータも示されている。また、試合のクオリティに関してもわれわれは今後に大きな希望を持っている。ターンオーバーやペナルティの数も減少傾向にある。皆さんが試合の質に関して指摘するだろうあらゆる観点からしても、サーズデーナイトゲームのクオリティは文句のないものだと言える。これまでにNFLの32チーム全てに戦わせたが、それもまた再考するかを現在議論中だ。サーズデーナイトゲームで戦うチーム数を減らすことも考慮に入れている。また、ファンの皆さんから“どのチャンネルで試合を見られるんだ? どのチャンネルで試合が見れられるかを知りたい”といった声が多かったのを受け、CBSやNFLネットワーク、NBCで引き続き試合が見られるような放送スケジュールの組み直しを検討したい」とも語った。

◆大麻の合法化について

複数の州が大麻を合法化したことを受け、NFLは興味深い岐路に立っている。大麻使用に関する罰則の大幅な軽減を求める提案書が選手組合から提出される可能性について『Washington Post(ワシントン・ポスト)』に問われたグッデルはこう答えた。

「ご指摘の通り、まだ選手会からの提案書は届いていない。まだそれを見たことはないし、その記事を読んで(NFL選手協会事務局長デモーリス・スミスと)話もした。一般的に見ても労働協約はこれまでに選手やクラブ、ひいては試合に至るまでも実にうまく機能してきたと感じている。ある意味では奨励された投資とも言えよう。1球団につきサラリーキャップは1,500万ドル(約17億円)の増大につながる想定していたものの、ここ4年間だけでベネフィットも含めれば17億ドル(1,900億円)にまで達している。これは以前では考えられなかったことであり、このような数字に達するなどとは想像もしなかっただろう。だからこそ、われわれが作り上げた労働協約は全ての者に対して機能していると判断できる。しかし昨年の春、われわれはリーグとして、そして、オーナーシップとして声をあげるべく、問題事項を記したリストを組合の方に複数送らせていただいた。私個人を含め、われわれ全体が問題とするのは1つに薬物規定だ。薬物規定やその他規定を定める必要があれば早めに動き、それを責任ある手段で行うためにわれわれはこうして存在し、交渉を行う。われわれがこの場にいる理由は明らかだろう」

NFLネットワークのラポポートとマイク・ガラフォロはこの問題について次の団体交渉協約が期限切れを迎える前に交渉が行われるだろうと加えている。

◆ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオットが家庭内暴力で告訴された件について

ダラス・カウボーイズの新人ランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットの家庭内暴力に対する問題について、NFL調査チームのタイムテーブルは定まっていない。

グッデルは「調査チームにプレッシャーをかけてはいない。われわれには相当な訓練を受けた優れたメンバーがおり、彼らに制限時間を設けていない。正しい結論を導くため、彼らには徹底的、かつ、公平な判断をしてもらいたい。現段階では彼らにタイムテーブルはない」と明かした。

◆コマーシャル、プレーのペース、試合時間、テレビ放送などについて

「前からずっと、その問題には焦点を当ててきた。1年半前にはヤフーと提携し、試合を今までとは違ったものにしようと試みた。実際にコマーシャルも使って宣伝も行っている。われわれが行おうとしているのは製品をより魅力的にすることであり、試合をより興奮させるものにすることである。より多くのファンの皆さんがテレビ観戦やスタジアム観戦をしてくれるよう、あらゆる可能性も捨てていない。それこそがわれわれの仕事であり、従事していることだ。今後の可能性として、競争委員会を設置し、様々な問題に対処していくことだ。1つ例を挙げれば、インスタントリプレーがある。サーフェイスのタブレットをサイドラインに供給し、処理のスピードを上げることが可能になれば、試合中の判断もより早くなって試合の再開も早まるだろう。また、エクストラポイントからキックオフまでの時間を検討することで選手たちの無駄な動きを抑制し、不必要な遅れを軽減することが可能だろう。それゆえ、プレークロッは基本的に各チームがキックオフの際にどの時点で準備をするのかを決定づけることになる。また、リプレイのアナウンスは本当に必要かどうか、リプレイであればただ流すだけでも良いのではないかなど、試合を運営する上でまだまだ改善すべき点はたくさんある。試合時間短縮の可能性はまだまだあり、試合の中断時間ではなく、アクション時間へと焦点を向けることが重要だ。コマーシャルについては去年の第16週のヤフーゲームでテストを試みた。何回のブレイクが最適なのかを知りたい。われわれは1クオーターにつき5回のブレイクを与えているが、1クオーターで4回のブレイクでも問題ないと見ている。ここは今、われわれが重点的に取り組んでいる項目だ。これは競争委員会の問題ではなく、メンバーシップや放送業者との兼ね合いになる。可能性はあると見ているし、試合中の中断同様に、試合中のコマーシャル面についても考えを改めていくつもりだ。コマーシャルについては削減する方向でおり、スタジアム観戦やテレビ観戦を問わず、その経験の質を向上させるための適切なバランス感覚を大切にしたい。われわれはそういった部分に焦点を当てている。今オフシーズン、多くのことが変わることを期待している」