NFLフランチャイズ指定期間がスタート
2017年02月16日(木) 06:05タグ付けシーズンにようこそ。
15日(水)はNFLチームが選手たちにフランチャイズかトランジションタグを付けることができるようになる解禁日だった。期間は2週間後の3月1日(水)、東部時間午後4時までだ。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のグレッグ・ローゼンサルがNFL全32チームを分析し、タグ指定選手の予想を立てているが、タグを貼るというのは正確にはどのような意味を持つものだろうか?
タグを貼り付ける際、NFLチーム側には3つのオプションがある。(1)非独占的フランチャイズタグ、(2)独占的フランチャイズタグ、(3)トランジションタグの3種だ。
指定を受けた選手は7月15日(土)の東部夏時間午後4時まで、チームと複数年契約について交渉することができる。この日付を過ぎると、選手はそれまでのチームと2017年シーズンの1年契約しか結ぶことができず、契約はレギュラーシーズン最後の試合が終わるまで延長することはできない。
では、3つのオプションを詳しく見ていこう。
非独占的フランチャイズタグ:これが最も一般的に用いられるタグだ。大多数の人々が“フランチャイズタグ”と呼ぶのは通常、この非独占型のことを指している。これは選手に対し、同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、本人の前年の年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年契約をオファーするものだ。選手は他のチームとも交渉を行うことが可能。所属チームには同条件のオファーを出す権利があり、もしくは引き換えにドラフト1巡指名の権利を2つ受け取ることもできる。
独占的フランチャイズタグ:選手と同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、選手の前年の年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年間の契約をオファーするもの。選手への交渉権は所属チームが全て有する。賃金率(現在の平均年俸と過去5年間の平均データの比較)の上昇により、このタグを貼られるのは一流中の一流選手に限られる。(ドリュー・ブリーズやボン・ミラーを想像してもらえればいい)。
トランジションタグ:これはつまり、“君はなかなか優秀だ。われわれは君をキープしようとするかもしれないが、あえて自分たちでかせをはめるつもりはない”というタグだ。トランジション指定とは、ポジションの年俸トップ10――トップ5ではなく――の平均以上の金額で1年間の契約をオファーするものだ。他チームからのオファーに対し、所属チームには優先交渉権が約束されるが、それを行使しなかったとしても補償はない。
どのチームも上記のタグのうち毎年1つだけ使うことが可能――つまり、フランチャイズとトランジションの両方を指定することはできないということだ。選手はチームから3回までタグ指定を受けることが可能で、そのたびに年俸は上がることになる。
オファーシートに記入がなされない場合、チームはフランチャイズやトランジションタグを取り消すことができる――昨年のジョシュ・ノーマンのケースだ。一旦シートにサインがなされれば、選手のそのシーズンのサラリーは保証される。取り消されたタグもタグとしてカウントされるため、チームがある選手を指名し、それを取り消して同じ年に別の選手にタグを付け直すことはできない。
現在のフランチャイズ契約金はNFLのサラリーキャップが決まるまで不明だが、以下に参考として2016年のフランチャイズタグの概要を記しておく(これらの数字は引き上げられると予想される)。
『NFLPA』より抜粋:
クオーターバック:1,995万3,000ドル(約22億8,000万円)
ディフェンシブエンド:1,570万1,000ドル(約17億9,000万円)
ワイドレシーバー:1,459万9,000ドル(約16億7,000万円)
ラインバッカー:1,412万9,000ドル(約16億1,000万円)
コーナーバック:1,395万2,000ドル(約15億9,000万円)
オフェンシブライン:1,370万6,000ドル(約15億6,000万円)
ディフェンシブタックル:1,361万5,000ドル(約15億5,000万円)
ランニングバック:1,178万9,000ドル(約13億5,000万円)
セーフティ:1,080万6,000ドル(約12億3,000万円)
タイトエンド:911万8,000ドル(約10億4,000万円)
キッカー/パンター:459万9,000ドル(約5億3,000万円)