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NFLがヘルメットヒットルールを拡大、ターゲティングルールにも着手

2018年03月28日(水) 10:04


ロサンゼルス・ラムズのヘルメット【AP Photo/Mark J. Terrill】

NFLがヘルメットヒットに関するルール拡大を承認し、今後はいかなるプレーであってもヘルメットの頭頂部を向けて相手と接触しようとした選手にはペナルティが科せられることとなった。これはNFL競技委員会で委員長を務めるリッチ・マッケイが現地27日(火)に発表した内容だ。

ヒットの程度によっては選手の出場資格がはく奪される可能性もある。マッケイ委員長は選手の安全性を高めるために今がルール変更を行う“良い機会”であったと委員会とリーグが互いに感じていたことを明かした。また、カレッジフットボールルールに似たターゲティングルール導入も検討されている模様。このルールでは頭部でヒットした選手は自動的に退場処分となる。ただし、現時点でNFLはターゲティングルールに関して何も決定していない。

フロリダ州オーランドで開催された年次リーグミーティングでの記者会見中、「われわれにとっては非常に重要な変化だ」と述べたマッケイ委員長は続けてこのようにも語った。

「この1つのテクニックに関し、われわれは選手たちが頭部を下げてヒットを行い、相手や自分自身が傷つくプレーを数多く見てきた。ようやく大きな変化を加える時が来た」

「このルールに必要条件はほとんどない。頭部を下げて相手に接触を試みたり、実際に接触したりといった場合、それがファールとなるだけだ」

NFLのスポークスマンであるブライアン・マッカーシーが『Twitter(ツイッター)』で新たな規定を説明している。

「プレイングルール第8項:頭部を下げながら相手に接触を試みた場合、または、実際に接触した場合はファールとなる。これを行った選手は出場資格を失う可能性もある。フィールド上のいかなる場所や選手に対しても適応され、出場資格がはく奪となることもある」

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによれば、NFLは数カ月以内にコーチ陣や選手、チーム役員らをニューヨークに召集し、ルール施行の詳細を明らかにする予定だ。5月に開催される春季リーグミーティングまでにルールの制裁面に関する詳細が確定することが望まれている。

このルールはリーグが1月に公表したデータを元に変更された。このデータによれば、2016年から2017年のプレシーズンとレギュラーシーズンを通じ、脳震とうと診断されたケースが243回から281回へと13.5%も増加している。また、この増加のうち28%(前年比9%上昇)のケースは選手自身が脳震とうの症状を訴えたものだった。

NFLは選手保護や練習法の改善、脳震とうに関する選手や職員への教育、リーグのメディカルプロトコル強化を目指し、2002年以降で48回のルール改正を行ってきた。現在は各試合に29名の専門医が派遣されている。NFL選手協会と共に、リーグは脳震とうや他の頭部関連の傷害を即座に特定して診断する脳震とうプロトコルの強化に努めている。

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