HCキャロル、「新生シーホークスは2012年シーズンのよう」
2018年06月12日(火) 13:04
シアトル・シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルほど“競争論”を好むコーチはNFLにいない。キャロルHCはすべてのポジション、すべてのスナップにおいて、勝ちにこだわりを見せるのだ。
今オフシーズンに数人のベテラン選手と袂(たもと)を分かち、新体制を築き上げたことで、その哲学がさらに強調されるだろう。『The MMQB(ザ・マンデー・モーニング・クオーターバック)』のアルバート・ブレアーとのインタビューで、キャロルHCはこの変化によって激しい競争を再び促すことが可能になったと明かした。
「ここ数年よりも今季は苦難が少ないと言っているわけではない。私はただ、“聞いてくれ、これが私の決めたすべてだ。それを取り戻すためにはどうすべきか答えを見つけ出そう” という風にいつも思っている」
キャロルHCは2010年に南カリフォルニア大学からシーホークスへと籍を移し、競争をモットーとする考え方を導入した。キャロルHCが指揮官となったシーホークスが支配的なチームとなるまでにそう時間は要さなかった。2012年の大ブレイクに始まり、2013年にはスーパーボウル制覇まで成し遂げ、その翌年にもシーホークスはスーパーボウル2連覇へあと1プレーのところまでたどり着いた。
しかしながらここ数年にかけ、キャロルHCはチームの競争心が少しずつ減退してきているように感じていたようだ。キャロルHCはこのように語っている。
「4、5年、あるいは、6年間もの間、本当に効果的なプレーをするようになり、周囲に認められるようになった選手が、自分の隣にいる選手からポジションを奪われるとは思えなくなるのは簡単に分かる心理だ。それは当然のことでもある。だから、機会がより開かれている時こそ、本当の意味でその哲学とアプローチのベストな連携が生み出されるとも言えよう」
「そして、今は4、5年前と同じ感覚。フレッシュだし、よりオープンな状況だ。いくつかのポジションに関しては大きく門戸の開かれた競争となる。われわれにとってそれはとても良いことだ。なぜなら、その過程はアプローチ全体に良い影響を与えるからだ」
シーホークスはフィラデルフィア・イーグルスとのトレードでマイケル・ベネットを放出し、カットしたリチャード・シャーマンはサンフランシスコ・49ersへと向かった。クリフ・アブリルは引退を示唆しており、キャム・チャンセラーはプレー復帰が可能かどうかも定かでない。アール・トーマスは新契約が交わされるまで練習に参加しない意向を表明したばかりだ。
これらすべての変化がシアトルに新鮮な空気を運び込んだことによって、キャロルHCに2012年度のチームを思い起こさせたのだ。
「まさにそのように感じる」と述べたキャロルHCは続けて次のように心境を明かした。
「われわれのスター選手がもはやスターではなくなった時もあった。それでも、(新たな別の)選手が出てきたんだ。彼らが頭角を現してくるのは見ていて楽しかった。次の年もそうあってほしいと願っている。選手たちがまた自分のスポットを手に入れるために頭一つ飛び抜けることを。それに関しては一切の不安もない。単純に、それがいつ頃になるのかを把握したいだけだ。願わくは、今、起きてほしい。今すぐにでもそうなってほしいんだ」
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