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NFL選手協会が国歌に関するポリシーに苦情申し立て

2018年07月11日(水) 10:18

国歌斉唱中に起立せず批判を浴びたコリン・キャパニック【AP Foto/Chris Carlson】

NFLPA(NFL選手協会)は現地10日(火)、NFLが定めた国歌に関する新ポリシーに対して苦情を申し立てた。

声明文の中でNFLPAはこの問題に関する相互的な解決策を模索するために、NFL側が議論の場を設けることで合意したとも述べている。

声明文は以下のようになっている。

「われわれは今日、NFLが先ごろ定めた国歌に関するポリシーに対して選手全員を代表して非故障の苦情申し立てを行った。われわれが主張するのは、NFLPAと相談することなくNFLの運営組織のみで決定されたこの新ポリシーがCBA(団体交渉協約)に従っておらず、選手の権利を侵害しているという点である」

「今日の申し立て申請に先立ち、われわれはNFLに対し、できる限り法的訴訟を回避するためにもNFLPAの執行委員会とNFLがこの問題に関する解決策を探るため、内密での議論を始めるように進言した。NFLもこの議論を通した前進に賛成し、現在のわれわれはすぐにでもそれを開始しようとしている」

NFLPAで執行役員補佐を務めるジョージ・アタラは『Twitter(ツイッター)』で上記声明文の写真を投稿している。

「出訴期間に間に合わせるために今日行われた非故障の苦情申し立ては、独立した仲裁人によって聴聞されることになる。選手/運営側が共に席につき、解決に向けて話し合いを行うと聞いてうれしい」

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは今年5月、NFLが2018年シーズンに向けて国歌斉唱に関するポリシーを制定したと発表し、選手および関係者はサイドラインに立つことを要求されるものの、ロッカールームにとどまる選択肢も与えられると説明した。この新ポリシーはチームオーナーらによって承認され、フィールドにおけるすべての行動に際して国歌への尊重姿勢を示すためのポリシー制定は各チームに委ねられている。

この変更は2017年シーズン中、試合開始前の国歌斉唱中にリーグ全体を通して起立しない選手が現れたのが契機となっていた。このような形の抗議運動は2016年にコリン・キャパニックが国歌斉唱中に起立せず、ひざまずいたことでマイノリティに対する社会の不平等を訴えたことから始まり、ドナルド・トランプ大統領が昨年9月のスピーチで起立しない選手は解雇すべきだと述べたことによって大きな問題となっていた。

NFLはフィールド外で、選手たちにとっても重要な社会問題に取り組む姿勢を強めてきた。選手連合とも連携を取りつつ、NFLは選手らにとって重要な社会的問題をサポートするため、8,900万ドル(約99億円)もの資金を費やしながら社会全体の不平等を是正しようと動いている。

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