ジャイアンツのシューマーHC、「ベッカム発言の話はもういい」
2018年10月08日(月) 14:30現地7日(日)、ニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)パット・シューマーはこれ以上ナンセンスな話について語ることを拒否した。
カロライナ・パンサーズのキッカー(K)グラハム・ギャノによる63ヤードの決勝フィールドゴールによって白星を目前で取り逃した後、シューマーHCはシーズン第5週の試合前に放送されたオデル・ベッカムの発言について問われた。しかし、すでに、ベッカムが残した争いの火種となるコメントに関する質問を受けてきたシューマーHCは、これ以上の話題を完全にシャットアウトした。
シューマーHCは先週金曜日の返答に言及しながら、このように語っている。
「いいか、よく聞いてほしい。私はこれから今かなり話題になっている問題について話す。前にも言ったように、オデルとは話し合った。チームのみんなともだ。彼のコメントについて私は同意していないと皆の前でも宣言したはずだ。オデルがビッグネームゆえに、彼の元に説明を求めに行きたいかどうか、関心のある全員に対して尋ねただろう」
声が徐々に大きくなっていったことからも、シューマーHCのフラストレーションが膨れ上がっているのは明らだった。
「私的に、ロッカールーム内ではそういったことも起こり得るということだ。私が言えるのは以上。もういい、おしまいだ」と語気を強めたシューマーHC。
シューマーHCは質問の返答を拒否することもできれば、あらゆる人々に、問題はロッカールーム内で解決されたと主張することもできる。そして、チームはベッカムのターゲット数(7日には14回のレシーブ、キャッチ8回、131ヤード、1タッチダウンをマーク)を増やすこともでき、ベッカムにはタッチダウンパスを投げさせることも可能なのだ。それでも、ベッカムがチームに在籍しつつも勝利を手にできない限り、このようなことが起こり続けるのは仕方のないことかもしれない。
特に、ポジティブな効果を持っていると解釈される場合はそうだろう。
ベッカムは7日、惜敗した試合後に『ESPN』を通じて「何も後悔はしていない。自分の発言に後悔はない。今日みたいにチームとして一つになれるのならね。いつだってできるよ」と語っていた。
ニューヨークのメディアが今後もこういった事象を目の当たりにする可能性は高そうだ。そして、シューマーHCは今、このような問題への対処法を大急ぎで学んでいるようにも思われる。
「ボールが全然ダウンフィールドに投げられていない」や「チームに情熱が欠けている」といったベッカムの発言は練習週の最後の最後で行われていたのもポイントだ。炎上した彼の発言はチームのクオーターバック(QB)イーライ・マニングに関連したものであり、ベッカムが彼を擁護する部分は見られなかった。このコメントが公(おおやけ)となったのは7日朝、チームがカロライナ・パンサーズとの試合を開始する数時間前だ。
この問題に関してはポジティブな要素もある。ベッカムはESPNでのインタビュー後に何が起こるかを把握しており、彼は発言が広まる前にチームメイトと話す機会を設けていたということだ。
ベッカムは7日、ESPNに「自分の心の中にずっとあったことだ。しまっておいた思いが大きくなっていったんだと思う。それがただ・・・誤った形で表に出たんだ。全員が同じ考えを共有できているとは思えなかったから、シューマーにはメールでチームと話をする時間を設けられるか聞いた。もしこれが正真正銘でもなく真実でもないなら、俺たちはお互いに理解し合えると思っているし、誤解はいつだって起こり得る。だから、そうすることが自分にとっては大事だった」と明かしている。
7日のライオンズ戦でQBマニングは36回のパスを投じて22回の成功、326ヤード、2タッチダウン、2インターセプトをマークし、良い面も見られたものの、最後には悪い結果が待っていた。後半からエンジンのかかったジャイアンツが白星を手にすることなかったのだ。
もちろん、シューマーHCにとっては“おしまい”に見えるかもしれないが、歴史を振り返ってみると、1勝4敗という戦績のチームでトップの攻撃選手であるベッカムの口が完全に塞がる可能性は非常に低いと思われる。とりわけ、ロッカールーム内の選手たちの気持ちがより近づかない限りは同じだろう。
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