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セインツオーナー、「NFLのポリシー変更を要求したい」

2019年01月22日(火) 10:44

ニューオーリンズ・セインツ【AP Photo/Gerald Herbert】

ニューオリンズ・セインツのスーパーボウル出場機会を失わせたとして、現地20日(日)の試合後、セインツファンや選手たちは反則プレーのノーコールに対する怒りを感じていた。

今やセインツのオーナーもニューオリンズの街一帯に響きわたるコールの変更を求めたブーイングの嵐に同調している。

セインツのオーナーであるゲイル・ベンソンは21日、チームの公式サイトを通じて声明を発表し、20日に開催されたNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでオフィシャルがロサンゼルス・ラムズのコーナーバック(CB)ニッケル・ロビー・コールマンの反則プレーにペナルティをとらなかったことへの失望を露わにしていた。

試合直後にNFL審判部の上級副社長アル・リバーロンと会話したセインツのヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンによると、リバーロンは「われわれは混乱を生じさせた」と語り、ロビー・コールマンの反則プレーに対するコールを2つミスしたと伝えたようだ。その2つとはワイドレシーバー(WR)トミーリー・ルイスに対するパスインターフェアとヘルメット・トゥ・ヘルメットのヒットだったとのことだ。

ベンソンオーナーは声明の中でこのように語っている。

「昨日の結果はまだ、私たちにとって受け入れがたいものとなっています。私は昨日のゲーム結果を導いた出来事について非常に落胆しています。スーパーボウルに出場することはそれ自体がとても難しく、チームの尋常ならざる努力やファンからの多大なるサポートが必要となります。公平かつ公正なプレーを行うとされた各アクションや各インアクションなどに基づいてタイトル戦に出場する(あるいは、単なる1ゲームで勝利する)機会を、いかなるチームも奪われるべきではありません。このゲームを見た人々にとっては自明だと思われますが、わがチームとファンが昨日、不公平にもその機会を奪われたことは否定のしようがないのです」

今回のようなミスジャッジが今後一切起きないよう、ベンソンオーナーはNFLに対してポリシーの変更を求め、次のようにも述べていた。

「私は昨日の出来事に関してNFLとコンタクトを取っています。いかなるチームやファンベースも同じような境遇に遭わないよう、積極的にNFLのポリシー変更を求めるつもりです。コーチや選手、雇用者、そして、この試合を可能にしてくれた最も大事なファンの皆様にとってはひどい仕打ちとなってしまいました。NFLは公平性や規範といった、常に期待されている基本的なものを提供することに従事しなくてはなりません」

セインツで議論の余地があるコールに対するジャッジやその扱い方に対するNFLのポリシー変更を訴えたのはベンソンオーナーが初めてではなく、同時に、ベンソンオーナーで最後にもならないだろう。

2018年シーズンが終了となった試合後、ペイトンHCはロビー・コールマンに対するミスジャッジがよりリプレー検証が必要な理由だと述べていた。

「われわれはすべての面で正しくありたいはずだ、そうだろう? 使えるテクノロジーがあるのだから・・・スピードを向上させるためのたくさんのテクノロジーもある。自分は競技委員会のメンバーだからね、そのような声が聞かれることを願っている。しかし、これ以上今日のわれわれのような形で他のチームが負けてしまうことはないようにしたい。さっきも言ったように、われわれは10ヤードラインとか何ヤードかにかかわらず、正しくジャッジされるべき状況にいたし、あの3つのプレーに対しては正しくあってほしかった。非常にがっかりしている」

ペイトンHCはまさに、ピッツバーグ・スティーラーズのHCマイク・トムリンや2人のオーナー、2人の球団社長、2人のジェネラルマネジャー(GM)が在籍する競技委員会のメンバーである。今年の3月下旬に開かれる年次リーグミーティングではパスインターフェアやその他のプレーに対するジャッジ(コールおよびノーコール)にインスタントリプレーが必要かどうかを議論することが予想されている。

しかしながら、ルールブックの変更はそう簡単には起こらないだろう。『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタは競技委員会のメンバーの1人として、「それはかなり大きな議題となり、厄介な問題となる可能性があります。例えば、“あのレフトタックルがホールディングしていた”や、“あれはイリーガルコンタクトのはずだ”など、ここまでいってしまうと十分な支持が得られるとはなかなか思えません」と述べている。

その時が来るまでは、ベンソンオーナーやセインツの選手、そして、世界中のセインツファンは大きな“たられば”に思いふけることだろう。

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