2019年のスティーラーズはRBのコミッティアプローチを採用するのか?
2019年05月03日(金) 12:37長い間、ピッツバーグ・スティーラーズは主にワンバックのチームであり、1人のランナーを中心に毎週の試合をこなしてきた。
リビオン・ベルが正式にチームを去った今、スティーラーズが複数の選手を起用する“コミッティアプローチ”を採用する可能性はあるのだろうか。
デトロイト・ライオンズでバリー・サンダースがプレーしていた時代にライオンズに所属していた現スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートは、ジェームズ・コナー、ジェイレン・サミュエルズ、そして、今ドラフトの4巡目指名の新人ベニー・スネルらを入れ替えで起用するコミッティアプローチがスティーラーズの攻撃展開にとって最適ではないかという提案をしている。
スポーツ情報ウェブサイト『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、コルバートGMは馬車馬RBの存在がいなくなっていることに関し、今週放送されたラジオ番組『105.9 The X』の中で次のように語っていた。
「もし充分な運があったならば、彼らがいなくなっているとは言えないだろう。私はバリー・サンダースというようなRBたちの近くで仕事をしてきたし、彼らにボールを渡さないのはイコールでミスである可能性もあり得る。しかしながら、そういったプレーヤーはごく稀(まれ)だ。だからこそ彼らは殿堂入りしている。そのレベルにおいて継続してプレー可能であると自身の力で証明できる者が出てくるまでは、手にした多用な選択を利用可能にしておくべきだ」
「ベニー・スネルがチームにより選択肢の幅をもたらしてくれることを願っている。彼はジェームズと似ているランニングスタイルの持ち主だ。一番デカいわけでも、一番に速いわけでもないが、ジェームズはそこにあるもので多くのものを見つけ出す。グループの集合的起用がチームを助けると思うが、もし、チームに特別なプレーヤーが1人いた場合、その彼をできる限り多く起用することに臆するべきではないだろう。しかしながら、そういったプレーヤーはかなり希少なのだ」
コルバートGMのメッセージがヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンに響くかどうかはまた別の問題である。
2007年からHC職を担うトムリンはできる限りワンバックでのオペレーションを採用してきた。ウィリー・パーカーからラシャード・メンデンホール、そして、ベルまで、トムリンHCが指揮するチームはそのRBが走れなくなるまで使い続ける手法を好んできた。キャリーが分散する時はだいたい故障が起きた時であり、2012年はジョナサン・ドワイヤーとアイザック・レッドマンのデュオが合計266回のキャリーをシェアしていた。
先シーズンはベルがチームに復帰せず、トムリンHCは2年目のコナーにその役割を託して13試合で215キャリーを記録させている。そして、コナーが欠場した際には、ぶっつけ本番状態でサミュエルズがRB陣をけん引することとなった。
就任1年目のシーズンにトムリンHCがパーカーに依存するプランを明かした際の、“車輪が外れるまでは走ってもらう”との発言は有名だ。有言実行した同HCはその次にメンデンホールも同じように起用した結果、両者ともに莫大な仕事量をこなした後で急激な劣化を見せた。ベルに関しても、ピッツバーグでの最終シーズンは321回のキャリーを記録している。
今シーズンのコルバートGMはプレーヤーのキャリアを伸ばし、長期的に活躍させようとバックフィールドでよりバランスの取れたアプローチを採用したいと考えているようだ。
速さはないものの、コナーとランニングスタイルが似ているスネルは広い視野を持ちながらパワーで押し切るタフなランを見せる選手だ。
故障に苛(さいな)まれたコナーのシーズンの終え方を考慮すると、コミッティアプローチは今オフシーズンに2つの巨大な攻撃的武器を失ったチームにとって利益をもたらす手法だと言えそうだ。
とは言え、1人のRBが絶好調の場合にトムリンHCがどういった手法を採るのかは大きな疑問である。
【S】