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チーフスWRヒルが出場停止処分を免れる

2019年07月20日(土) 01:38

カンザスシティ・チーフスのタイリーク・ヒル【AP Photo/Matt Marton】

カンザスシティ・チーフスのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルが個人行動規範の違反によって出場停止処分を科されることはないと、リーグが現地19日(金)に発表した。

ヒルは26日(金)に始まるチーフスのトレーニングキャンプに参加することが可能だ。

リーグは下記のような声明を発表した。

「過去4カ月間、われわれはカンザスシティ・チーフスのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルに関する申し立てについて広範囲な調査を行ってきました。この調査を通して、NFLが最も関心を抱いていたのは子どもの幸福です。われわれは子どもが安全であると理解しており、現在行われている子どものケアがジョンソン郡地方裁判所とジョンソン郡児童家族課によってモニターされていると認識しています」

「調査の実施にあたり、われわれはいかなる形であっても郡の手続きに干渉したり、子どものプライバシーや福祉を損なったりしないように最大限の配慮をしました。法的審理の進行過程で判明した情報は秘密のものであるためわれわれには共有されておらず、法廷は全ての法の執行記録を封印しました。地元の法執行機関は利用可能な証拠について、誰が子どものけがを引き起こしたのかを断定できるものではないと公式にアドバイスしています」

「同様に、現在利用できる証拠に基づいて、NFLはヒル氏が個人行動規範に違反したと結論づけることはできません。従って、彼はカンザスシティのトレーニングキャンプに出席し、全てのクラブアクティビティに参加することが可能となります。これまで通り、そして今後も継続して彼は地方裁判所、グッデルコミッショナーとチーフスによって明記された条件に従うことになり、そこには臨床評価と治療的介入も含まれています」

「より詳しい情報については法の執行、審査中の公判または他のソースを通じて入手可能となり、われわれは速やかにそれを考慮し、その都度適切な段階を踏むことになります」

チーフスは金曜日に、次のような声明を発表している。

「参照可能な証拠に基づき、リーグがタイリーク・ヒルにNFLの個人行動規範の違反はなかったと判断したことをわれわれは知らされました。リーグからわれわれに提供された情報に基づき、われわれはトレーニングキャンプ開始時にタイリークがチームに戻るのが適切だと決断しています。クラブはリーグによって定められた復帰の条件を全面的に支持し、この件に関する進展を見守り続けます。われわれはタイリークがチームに戻ることを歓迎しており、来週のトレーニングキャンプ開始を楽しみにしています」

2019年のNFLドラフト初日に息子の負傷について婚約者のクリスタル・エスピナルさんと議論している音声テープが公開されて以来、ヒルはチームのアクティビティ参加を禁じられていた。ドバイの空港で交わされたこの会話において、ヒルは自分のことをエスピナルさんが“恐れる”べきだと話している。

7月7日、カンザス州ジョンソン郡地区検察局はヒルに対する犯罪捜査がアクティブではないことを発表していた。ジョンソン郡地方検事のスティーブ・ハウはヒルの3歳の息子とエスピナルさんが負傷したことは確かながら、誰が何を行ったかは証明できないと指摘している。ハウは4月に、一件に関する初期調査の後、ヒルもそのフィアンセも犯罪で起訴されることはないだろうとコメントしていた。

プロボウルに2度選出されたWRであるヒルだが、オクラホマ州立大学時代にエスピナルさんに暴力をふるった疑いで告発された件を含め、家庭内暴力が問題になってきた経緯がある。当時、ヒルは家庭内暴力で有罪とされ、3年の執行猶予を言い渡されていた。ヒルは後にアラバマの大学に移り、そこでチーフスから2016年の5巡目で指名を受けている。

ヒルは昨年にチーフスをAFCチャンピオンシップ戦まで引っ張っていったオフェンス陣の中で重要な人物だった。キャリアハイにあたるレシーブ87回、1,479ヤード、タッチダウン12回という数字を残したヒルは、オールプロのファーストチームに選出されている。

【M/A】