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エッセイで社会正義へのアクションを呼びかけたLBミラー

2020年06月10日(水) 14:21

デンバー・ブロンコスのボン・ミラー【AP Photo/David Zalubowski】

ラインバッカー(LB)ボン・ミラーがペンを取り、制度的な人種差別や警察の暴行を終わらせるべく今起こっている動きについて自らの考えを『TIME Magazine(タイム・マガジン)』のエッセイにつづった。

他の多くの人々と同様、ミラーもアメリカに住む黒人として人種差別を経験してきた。ミラーは冒頭でジョージ・フロイドさんやエリック・ガーナーさんをはじめとする人々の死に抗議する際によく聞かれる言葉に触れ、呼吸に困難を抱えた自らの経緯から特に強く衝撃を受けたと述べている。

「“ママ、息ができない”とか、“ダディ、息ができない”、“助けて、息ができないんだ”と何度自分が言ったか、数えられないほどだ」とミラーは記す。

「毎回、必ず誰かが助けてくれた。助けがなかったらどうなるかなんて、想像することさえできない。ジョージ・フロイドが亡くなってから、一日に1回は涙が出てしまう」

ミラーはまた、暴行の犠牲になった罪のない黒人たちの名に触れ、有名なNFLスターであってもアメリカにいるすべての黒人と同じ苦しみや危険に直面しているとのメッセージを伝えた。

「俺は名を挙げ、素晴らしい富を築き、プロとして自分の道をきわめたけれど、それでも俺はジョージ・フロイドなんだ。俺はアマード・アルビー。俺はタミル・ライス。俺はエリック・ガーナー。俺はフィランド・カスティール。俺はアルトン・スターリング。俺はオスカー・グラント。俺はトレイボン・マーティン。俺はエメット・ティルだ」

また、同じパラグラフでミラーはこう述べている。

「一つの国として、俺たちはこういったタイプの不正義に何十年も直面してきた。多分、今回は実際にものごとを良い方に変えられる。でも、それは俺たちが本当のアクションを起こした場合に限る」

「俺たちの多くがこの日が来るのを見たけれど、勘違いしないでほしい。俺たちが今目にしている社会的な騒乱はミネアポリスで起こった一つの恐ろしい出来事だけに関するものじゃない。これは何年も、何十年も、世代にわたって積み重なってきたものだ。俺たちはそれが何であるかに対して立ち向かうことができるし、これをこの国に続く歴史の転換点にすることもできる。そして、俺たちは自分たちが病んでいるということを否定することで、この病の永続化を共謀することもできる」

「今回はきっと違う。違っていることを祈っている。今回は黒人以外の人たちがたくさん抗議している。今回は国全体がかかわっている。今回は全世界が注目している。俺たちは一方的にではなく、共に話し合うことをついに始めた。俺たちが民衆としてまとまり、癒しと変化に向かって戦う強さを見出したなら、俺たちのアメリカの理想という太陽の光を浴びることができるだろう。俺たちがこの道を選ばないのなら、闇がとどまることになる」

ミラーはNFL選手という自らのキャリアによって自分にはプラットフォームが与えられていることを承知した上で、今こそこの国により良い明日をもたらすためにアクションを起こすべきときだと感じていると明かした。

「俺はボン・ミラーという名のフットボール選手じゃない。俺はボン・ミラーだ。強く、誇り高い、一人のアフリカ系アメリカ人だ。子どもを笑顔にして人々を笑わせるのが好きで、両親は首を振るようなね。そして、フットボールをプレーすることになり、それが俺にプラットフォームを与えてくれた。俺のこの国への愛が、俺に使わざるを得ない気持ちにさせる。俺のメッセージはこうだ。俺は団結と平等、正義に全力を注いでいる。もしあなたがそれにすべてをささげているのなら、俺たちは一緒に行ける。さあ、行こうぜ!」

「彼らの名前を言おう。手を挙げろ。撃つな。息ができない」

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