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下降傾向のディフェンスを変える必要のあるシーホークス

2020年07月20日(月) 15:29


シアトル・シーホークスのシャキール・グリフィン【AP Photo/Ben Margot】

シアトル・シーホークスのディフェンスがチームをプレーオフに導き、敵を圧倒していた時代はとうに過ぎ去ってしまった。

クオーターバック(QB)のラッセル・ウィルソンがシーホークスの顔となり、ディフェンスは色々な意味で落ち目になった。

2019年シーズンは、少なくとも試合ごとに相手に許した合計ヤード数(381.6、NFL中26位)、パッシングヤード数(263.9、同27位)、サック数(28、同29位)、そして対戦相手のレッドゾーンからのタッチダウン率(61.5%、同26位)というスタッツ上では、ヘッドコーチ(HC)のピート・キャロルが指揮してきた中で最悪のディフェンス成績を残している。

ボビー・ワグナーはいまだにNFLでも最高クラスのラインバッカー(LB)ではあるが、その先にある太平洋岸北西部における一般的な疑問は、シーホークスの志が再び劣悪なディフェンスによってついえてしまうのかということだ。

おそらく最も目を見張るのは、2012年から2016年の全盛期にシーホークスのディフェンスが残したランキングと今のものを比較した結果だろう。

2012年から2016年の間、シーホークスのディフェンスは試合ごとに相手チームに許した合計ヤード数、ラッシングヤード数、キャリーヤード数の全てにおいてNFLでナンバー1だった。そのどれもが2017年から昨年にかけては20位以下にまでランクを落としている。

プロボウル出場の経験があるコーナーバック(CB)のシャキール・グリフィンとLBのK.J.ライトも手堅いシーズン結果を残している。つまり、NFL内でトップに食い込むサック数159回の記録を残したワグナーだけが2019年の戦士というわけではない。ワグナーはプロボウルに連続6回出場し、オールプロ入りも5回、4シーズン続けて130以上のタックルという驚異的な記録を生み、これまでの8シーズン全てで100以上のタックルをマークしている。しかしながら、殿堂入りレベルの多才なワグナーがさらなる手助けを必要としていることは言うまでもないだろう。

1巡目指名で獲得したLBジョーディン・ブルックス、2巡目で指名したディフェンシブエンド(DE)のダレル・テイラー、そしてカロライナ・パンサーズとオークランド・レイダースからそれぞれフリーエージェント(FA)で移籍してきたLBブルース・アービンとDEベンソン・メイヨワらの加入によってシアトルは強化を図りたいところだ。

全体27位指名だったブルックスは、最近のシーホークスの1巡目指名選手たちよりは活躍したいと考えているのは間違いない。シーホークスが2019年に1巡目指名したDEのL.J.コリアーは昨年に11試合でプレーしたが先発出場はなく、タックルはたったの3回に終わっている。2018年に全体27位指名されたランニングバック(RB)のラシャード・ペニーはけがを抱え成績もふるわない。そして、2016年に1巡目指を受けたオフェンシブライン(OL)のジャーメイン・アイフディはシカゴ・ベアーズでバックアップになる可能性が高い。

シーホークスが圧倒的なディフェンスを誇っていた時代から残るのはもはやノスタルジーしかない。

2020年に安定したプレーオフ進出を実現するには、ウィルソンやワグナーなどの有力選手たちは助けを必要とし、シーホークスのディフェンスは最近まで続いてきた下降傾向を逆転させる必要があるだろう。

【R】