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オフシーズンの活動が制限されるも、開幕前の負傷数は急上昇せず

2020年10月30日(金) 15:30


フィールドにおかれたフットボール【Aaron M. Sprecher via AP】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってトレーニングプログラムがまったく実施できなかったにもかかわらず、このオフシーズンにNFLで負傷が急増することはなかった。

プレシーズンの練習では11名がACL(前十字靭帯)断裂、16名がMCL(内側側副靭帯)断裂を経験したが、これは過去5年の平均であるACL断裂10.8件、MCL断裂13件と合致している。2019年のオフシーズンの練習ではACL断裂が7件、MCL断裂が7件となっており、これはそれまでの年と比べて大幅に低い数字だった。しかし、2020年の練習にはプレシーズンゲームの欠如を補うためにコンタクトが多く含まれていた。

「実際のところ、このような前例のないオフシーズンを送ったことを考えれば、きわめて優れている」とNFLのチーフメディカルオフィサー(医務部長)アレン・シルズ医師は語った。

プレシーズンの練習で発生した脳震とうの件数については、昨シーズンから変わらず30件となっている。脳震とうの比率としては、2020年は前年より下がっているとシルズ医師は指摘する。その理由はフルコンタクトの練習が増え、そこに関わる選手も増えたにも関わらず、脳震とうの件数が増えていないことにある。

オフシーズンワークアウトやOTA(チーム合同練習)、ミニキャンプが中止になったため、トレーニングキャンプが始まった際には選手たちのけがのリスクが高まっているのではないかとの懸念があった。また、チーム施設や多くのジムが閉鎖されていたため、選手たちは自分たちで工夫してワークアウトを行わなければならなかった。リーグと選手会はチームがコンディショニングに集中する立ち上げ期間を長く取るためにトレーニングキャンプの構成を変えることで合意。その後に練習が開始され、パッドを装着しての練習、フルコンタクトでのセッションと続いた。

NFLはシーズンを通して負傷のデータを集めており、上記で挙げた数字にはレギュラーシーズンのものは含まれていない。プレシーズンゲームがなかったことでレギュラーシーズンの負傷が増えるとの推測もある。シルズ医師によれば、リーグと選手会はプレシーズンの負傷データを調べ、バーチャル会議の使用を含め、今回変更されたスケジュールのどの部分が今後のシーズンで採用可能かを検討するという。

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