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今週末から全チームがCOVID-19集中プロトコルを実施

2020年11月19日(木) 11:40

NFLロゴ【Ric Tapia via AP】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染率がアメリカ全土で急速に上昇する中、NFLは現地21日(土)から32チームすべてが残るシーズンを集中プロトコルの下で送ることを発表した。

これにより、日々のPCR検査実施に加え、すべての選手とコーチは前日の検査で陰性でなければチーム施設に入ることができない。室外で行う場合、もしくは前もって承認された計画に基づいて室内で行われる場合を除き、すべてのミーテイングはバーチャルで実施される。施設内では全職員が常時マスクを着用することが義務づけられ、これには練習場も含まれる。食堂での密集を避けるため、食事は携帯できる形式で供給される。試合がない日にはロッカールームを使用しないことが強く推奨されている。

また、集中プロトコルは施設外でチームや選手たちが集まることを禁じており、特に来週に控えるサンクスギビングデーに向けてこれは重要な禁止事項となる。

水曜日、コミッショナーのロジャー・グッデルは各チームに向けた通達で「来週のサンクスギビングデーをはじめとした今後に控えている祝日は新たなリスクをもたらすことになり、それをわれわれは今解決しなければならない」と述べた。『NFL Media(NFLメディア)』がこの内容を取得している。

「われわれには日々検査を行う、高く洗練されたプログラムがあるため、ウイルスがいつ施設に入ったかを関知しており、そのことが接触追跡と施設内での接触を最小限にする手順の重要性を明確に示している。最近の経験は複数の状況でハイリスクな濃厚接触を抑えることの重要性を強調しており、そういった部分で短期間で陽性になった個人の例を見てきた。また、こういった濃厚接触を最小限にするためにチームがとった効果的な行動がクラブ内のウイルス拡散を防ぎ、選手やコーチが練習および試合から除外されるのを回避した例もたくさん見てきた」

これまで、10月1日に導入された集中プロトコルは検査で陽性があったチーム、もしくは陽性の例が発生したチームにさらされたチームに対して適用されてきた。28チームがこれまでのいずれかの時点で集中プロトコルに入っており、多くのチームは自主的に制限の一部を取り入れている。集中プロトコルが発行されたのに続き、陽性になった選手やコーチと“ハイリスクな濃厚接触”があったと判断された人物に5日間の隔離期間が義務づけられて以来、NFLはシーズン初めにスケジュールの大幅調整を要したテネシー・タイタンズのアウトブレイクのような状況を回避できている。

NFLによれば、集中プロトコルを実施したクラブはそうではなかったチームと比較し、施設内での他の人物との濃厚接触を50%以上減らすことができたという。たとえチーム内の個人が陽性になったとしても、そのことがウイルス拡散のリスクを軽減している。NFLはまた、20件を超える陽性のケースで、チームが集中プロトコルに入っている間にハイリスクな濃厚接触のなかった例があると指摘。そのことはチームが施設内のすべての部分で間隔をあけること――ウエイトルームに入ることのできる人数に制限があるなど――において集中プロトコルが効果的であることを示しているとリーグは述べている。10月に集中プロトコルが導入されて以来、このプロトコルを実施しているチームでウイルスが拡散した例は見られない。

ただし、NFLが国内の感染者数の急上昇に影響を受けているのは間違いない。NFLチーフメディカルオフィサーのアレン・シルズ医師は今週初めに、すべての陽性例で実施されているゲノム検査によって、集中プロトコル、およびハイリスクな濃厚接触に対するプロトコルが敷かれて以来、ウイルスがチーム内で拡散しているわけではないことが示唆されたと述べている。最近のチーム内での陽性例増加はチーム外のコミュニティーにおける感染拡大から来るものであり、選手やコーチらはチーム外で接触した人物からウイルスをうつされている。そのことは、国としてウイルスの封じ込めができていない状況で、バブルなしでプレーすることの難しさを示している。グッデルの通達では、シーズンが進むにつれ、さらなるプロトコルの変更が必要になる可能性についても触れられている。

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