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名称維持も検討するワシントン、リブランディングにタイムラインは設けず

2021年03月24日(水) 13:12

ワシントン・フットボール・チーム【AP Photo/Nick Wass】

現在のワシントン・フットボール・チームという名称は必要性にかられてつけられたものだ。しかし、その人気によって、このまま残るかもしれない。

そう感じている球団社長のジェイソン・ライトは『ESPN』とのインタビューの中で、チームのファンベースの少なからぬ部分がこの名称を好むようになっていることから、名称をそのままにする可能性があると話している。

「“ワシントン・フットボール・チーム”に共感を覚えるようになった人々がいる。そこから浮かび上がってくるのは、それがわれわれの歴史と深く結びついているということ。過去にあったものすべてを放棄してしまうわけではない感触がある。完全に新しいものだと、そういうふうに感じられるかもしれない」とライトは言う。

「われわれのファンベースのかなりの部分が、完全なリセットや全く新しい何かではなく、継続性があるものだと感じているのは重要だ」

“ワシントン・フットボール・チーム”はチームがざまざまなユニークな名称を冠していた初期の時代を喚起する。アメリカン・プロフェッショナル・フットボール・アソシエーション(APFA)として知られたNFLの黎明期である1920年、ディケーター・ステイリーズ、デイトン・トライアングルス、ロチェスター・ジェファーソンズ、コロンバス・パンハンドルスといったチームがあった。“プロズ”という名称のチームが2つ――ハモンド・プロズとアクロン・プロズ――あったりしたのだ。

一方で特定の名前ではない“フットボール・チーム”には伝統を思い起こさせる部分もある。アメリカのスポーツ史をひもとけば、各競技をわたってクラブ名は地名とニックネームだけではなく、フットボールクラブ、ベースボールクラブといったくわしい情報とともに知られていた。また、“フットボール・チーム”という言葉によって、昨夏に別れを告げた過去の名前を、別の特定の名称ではないもので埋めることができる。

端的に言えば、チームはこの名前を使用することで、通常は2年はかかる大掛かりな変更なしでユニフォームやカラーを維持することが可能だ。ワシントンはロゴとストライプをヘルメットから取り去り、数字に置き換えた。かつてよく見られたスタイルだ。

チームは自ら開設した専用のウェブサイトにて現地23日(火)、4月5日(月)を期限とする“ラストオーダー”として新しいチーム名のアイデアを募っている。チームはこれを経て“新たなチーム名、ロゴ、ブランドアイデンティティを終着点とする総合的なリブランドの取り組みの次のフェーズに進む”という。

現段階では新ネームとブランディングが登場するのか、ワシントン・フットボール・チームが維持されるのかは不明だ。ライトは重要な名称については適切に事を運ぶことが重要だと強調し、このプロセスについてはっきりとしたタイムラインを設けていない。

「早ければ早いほどいいとファンからは声が上がっている。私も遅いよりは早い方がいいが、ここで重要なのは徹底していること、厳密であること、そして、聞く必要のある声のすべてを含めることであり、タイムラインについて踏み込むのは難しい。そういったことはしばしばスピードと相反するが、われわれはできる限り迅速に動いている」とライトは説明した。

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