ババ・ベイカーに涙、長い年月を経て非公式な単一シーズンサックリーダーに
2021年07月14日(水) 15:38
アル“ババ”ベイカーは64歳。最後にプレーしたNFLゲームから31年が経っている。そんなベイカーに、遅れてやってきた称号が授けられた。
『Pro Football Reference(プロフットボール・リファレンス)』が最近公開した1982年シーズンより前の統計によって、ベイカーの名前が非公式ながらも単一シーズンのサック数のトップに刻まれた。ベイカーは史上最もセンセーショナルだったルーキーシーズンの1978年にサック23回を記録している。
デトロイト・ライオンズの傑出した選手だったベイカーは、長い年月を経て届いた報せに涙したという。
「どうしてだか、冗談を言っているわけじゃないんだが、何の前触れもなく、涙が目から流れはじめた」とベイカーは『Around The NFL(アラウンド・ザ・NFL)』のポッドキャストで語っている。
「妻が中にいて、私はパティオのドアを開けた。妻が最初に言ったのは“どうしたの?”だった。私は何でもないよと言って、これを見たんだと教えた。そして、私たちはハグし、そこから1時間半か2時間くらいが過ぎた。娘が電話してきたんだ。私の家族にとって、本当に心を揺さぶられるできごとだった。203cmに130kgだぞ。ものすごくタフに聞こえるだろ。それなのに、私たちはみんな泣いていた」
『プロフットボール・リファレンス』が統計を進めたことによって、ディーコン・ジョーンズやアラン・ペイジ、ジャック・ヤングブラッドといったパスラッシングの柱たちの非公式なサック数が明るみに出ている。
これまでサック数のトップとされていたのは――公式には今も――マイケル・ストレイハンが2001年にマークした22.5回。これに関しては、当時グリーンベイ・パッカーズのQBだったブレット・ファーブがストレイハンにトップの座を渡そうとして実現したものではないかとの議論がある。1982年シーズンより前は、サックはNFLの公式な記録として統計をとられていなかった。
『プロフットボール・リファレンス』のハードワークがベイカーの殿堂入りの議論に再び火をつけるかもしれない。あるいは、そんなことはないのかもしれない。いずれにせよ、2021年シーズンの幕開けを前に、ベイカーの傑出した1978年シーズンが真に特別なシーズンだったことが改めて証明された。
「進めと自分に命じるんだ。それが私のしたこと。私はただ、自分の人生を進めてきた」とベイカーは振り返っている。
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