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ワクチン未接種の選手間でCOVID-19感染拡大の場合、試合没収の可能性があるとチームに通達したNFL

2021年07月24日(土) 04:06

【NFL】

2021年シーズンを迎えるNFLはワクチンを接種していない選手の間で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大したことにより試合が中止になった場合、それに応じてシーズンを延長しないことをクラブに通達した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地22日(木)に報じたところによると、NFLが各チーム宛に送付した覚書には、18週間にわたる日程の中でワクチン未接種の選手間でCOVID-19のクラスターが発生したために試合の日程を調整できない場合、クラスターが発生したチームが試合を放棄することになり、負けが計上されることになったと記されているという。

加えて、両チームの選手とも没収された試合の報酬は支払われず、ワクチン未接種の選手により中止となった試合の責任を負うチームが金銭的な損失を負担し、コミッショナーオフィスからの懲戒処分を受ける可能性もあるとのことだ。

昨年、NFLはCOVID-19の感染拡大を受けて都度スケジュールを調整し、17週のシーズンで失った試合はゼロだった。

2021年のNFLは18週間を通して272試合を開催することになっている。

覚書には「現行の18週におよぶレギュラーシーズンの中でスケジュールを変更できない試合に対応するために“第19週”を追加することは想定していない」旨が強調して記載されている。

これは、NFLがこれまでに言及した中で最も明確な強調下線であり、オーナー、チーム、コーチが選手にワクチン接種を受けるよう圧力をかける上で事実上、最も大きな動機づけとなっている。NFLはワクチン接種を強制することはないと主張しているが、ワクチンを接種していない選手に対する制限やチームへの罰則の可能性を考えると、NFLの姿勢は明確と言えよう。

木曜日に発行された覚書に引かれた下線は緑色。ドル紙幣のマネーグリーンだ。

覚書にはこう書かれている。

「あるチームがワクチンを接種していない選手もしくはスタッフの間でCOVID-19のクラスターが発生したために試合に臨めず、試合がキャンセルあるいは延期された場合、キャンセルもしくは延期の負担はCOVID-19のクラスターが発生したチームの負担となる。われわれは対戦相手のチームの負担を最小限にするよう努める。ワクチンを接種した人の中でCOVID-19の感染者が急増したために当該チームがプレーできない場合、参加している両チームの競技上および経済上の負担を最小限にできるよう努力する」

この文言はワクチンを接種した人の間で感染者が発生した場合と、ワクチンを接種しないことを選択した人の間で感染者が発生した場合の違いを明確にするためにリーグが使用した最も明確な言葉だ。

NFLネットワークのジュディ・バティスタによれば、選手たちがキャンプを迎えるにあたりワクチン接種の進捗状況が高まっているという。リーグ全体で78%以上の選手が少なくとも1回のワクチン接種を終えており、14チームでは選手のワクチン接種率が85%を超える。ペリセロは全32チームの接種率は50%以上だと伝えている。

NFLのチーフメディカルオフィサーを務めるアレン・シルズ博士は木曜日に出演した『NFL NOW』でバティスタに対し、「この数字は歓迎しているものの、満足はしていない。このまま伸びていくことを期待している。確かに、この数字は他の社会で見られている数字よりもはるかに高く、選手のほとんどが同じ年齢層であることも確かだ。素晴らしいスタートを切ったとはいえ、まだまだやるべきことはある」と語った。

木曜日の覚書によると、ワクチンを接種した選手やスタッフで陽性反応を示したとしても無症状の場合は24時間の間隔で2回の陰性反応が出れば仕事に復帰できるとしている。ワクチンを接種していない人が陽性反応を示した場合は2020年のプロトコルが適用され、10日間の隔離が必要となる。

つまり、NFLは各チームに対して選手にワクチンを接種するよう説得する努力を講じよと言っているのだ。さもなくば、万が一、感染が拡大した場合の負担がチームにかかってしまうからだ。

ペリセロは木曜夜に選手宛に送られたNFLPA(選手会)のメールを紹介しており、そこには各チームには昨年と「同じ基本的なルール」が適用されていること、2020年シーズンで証明されたように、COVID-19が発生した場合は選手に試合の報酬が支払われないことや事前に合意されたすべてのジョイントプロトコルが有効であることが指摘されているという。

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