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選手の自動識別を目指し、NFLとAWSがクラウドソーシングでAIチャレンジを開催

2021年08月11日(水) 19:24


NFLロゴ【Matt Patterson via AP】

現地10日(火)、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)とアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はNFLの試合映像を使ってコンピューターが選手を自動識別する方法を開発することを目的とした新しい人工知能(AI)チャレンジを開始した。チャレンジを通して開発される新しいコンピュータービジョンモデルは、NFL内で発生するケガをより深く理解し、減らすことを目指すNFLとAWSの活動を加速させることになる。受賞モデルを考えたデータ科学者たちには総額10万ドル(約1,100万円)の賞金が与えられる。コンテストは2021年11月2日(火)まで開かれている。

このチャレンジは、NFL選手のバーチャル版となるデジタルアスリートを開発するためのNFLとAWSの作業の次なるステップで、それを使うことによってけがの予測を容易にし、回避することを目指す。昨シーズン、NFLは初のコンピュータービジョン・コンペを主催しており、コンピューター科学者にNFLの試合データを提供して、フィールド上でヘルメットに加わる衝撃を検知する方法を開発するというチャレンジを課した。これに対し、世界中のデータ科学者から7,800件近い応募があった。こうしたソリューションは現在デジタルアスリートの構築に向けてNFLとAWSによって利用されている。

今回のチャレンジは昨年のコンペに基づいたものとなり、参加チームはヘルメットに衝撃を受けた選手をいかに正確に識別するかを評価される。NFLは現在のモデルを発展させるため、データ科学者に同様の試合データを提供していくことになる。今回のコンペはAWSが築いているすでに強力な機械学習のパイプラインをさらに発展させるものであり、プロスポーツにおいて最も先進的で高性能なケガの監視・軽減プログラムになることを目指すものだ。

「このコンペは、各選手にとってケガにつながる出来事のリスクを特定するための基礎となるもので、とりわけ頭部の安全を守るために極めて重要なものです」とリーグの健康安全プログラムを監督するNFLのジェフ・ミラー副社長は述べた。「世界中から最も優秀なデータ科学者たちに参加してもらって、このようなソリューションの開発に協力していただき、選手の安全を有意義に発展させられることが非常に楽しみです」

「機械学習(ML)と人工知能(AI)を含むAWSの幅広い技術を利用し、NFLとAWSは選手のケガ、試合ルール、装備、リハビリテーションとリカバリーに関してこれまで可能だった以上に多くの新しいインサイトを生み出していきます」とアマゾンMLソリューションラボ応用科学部門のシニアマネジャー、プリヤ・ポンナパリは述べた。「このコンテストは、これまでのプロジェクトとそれを通して収集されたデータとインサイトを継続するものであり、フットボールの未来を形作る可能性を持っています」

デジタル・アスリートは最終的に、NFLとクラブがスポーツ科学とケガのバイオメカニクスを利用して、個人に合ったトレーニングやリカバリー計画の作成に役立ち、試合中にケガをするリアルタイムのリスク分析を実行し、装備周りを含む選手のためのさらなる安全対策、ルール変更やコーチング技術の特定、評価に役立つことになる。

コンペにエントリーするための詳細な規則や参加資格についてはこちらへhttps://www.kaggle.com/c/nfl-health-and-safety-helmet-assignment/(英語)。

NFLによる選手の健康と安全に関するイニシアチブについて

NFLはスポーツに関連したケガの診断、防止、治療のプロセスを進化させることに取り組んでいます。選手のケガと安全に対するリーグのアプローチはデータの収集と分析に根ざしており、それによってケガについて理解し、発生を減らし、選手を保護する継続的な活動へとつながっていくことになります。データと科学は医学的プロトコルをさらに発展させ、ゲームの指導とプレーを改善し、ヘルメットを含めた新しく、改善された保護具の開発を促進するというNFLの活動の基盤となるものです。健康と安全に関するNFLの活動についてのさらなる詳細はこちらへwww.NFL.com/PlayerHealthAndSafety(英語)。

アマゾン・ウェブ・サービスについて

アマゾン・ウェブ・サービスは15年以上にわたり、世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームです。クラウド上のどんなワークロードもサポートできるよう継続的にサービスを拡大してきたAWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーク、分析、機械学習、人工知能(AI)、インターネット・オブ・シングス(IoT)、モバイル、セキュリティー、ハイブリッド、仮想現実と拡張現実(VRとAR)、メディア、アプリケーション開発、開発、マネジメントなど、200以上のフル機能のサービスを提供しています。全世界25のリージョンに81のアベイラビリティーゾーンを持つAWSは、オーストラリア、インド、インドネシア、スペイン、スイス、およびアラブ首長国連邦(UAE)に21のアベイラビリティーゾーンと7のAWSリージョンを追加する計画を発表しました。急成長しているスタートアップ、大企業、主要な政府機関など、何百万ものカスタマーがAWSを信頼し、インフラストラクチャを強化し、俊敏性を高め、コストを削減しています。AWSについてのさらなる詳細はこちらへaws.amazon.com(日本語)。

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