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OLBワットのホールドインを心配しないスティーラーズのトムリンHC、「ビジネスはなるようになる」

2021年08月12日(木) 00:44


ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット【AP Photo/David Richard】

新団体労働協約(CBA)によってトレーニングキャンプのホールドアウトが事実上根絶され、今度はホールドイン――キャンプに来ることは来るが、契約に不満があるためフル参加はしない――という手法が散見されるようになった。

一例としてピッツバーグ・スティーラーズでは、2020年にディフェンス部門の年間最優秀選手を選ぶ投票で2位に選ばれ、新契約の締結を希望しているスターパスラッシャーのT.J.ワットがチームドリルに参加していない。

こうしたホールドインに対する驚き方はチームによって違う。スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは、彼らのスターでありディフェンスの要が8月上旬のフィールドにいないことを心配していない側の1人だ。トムリンによると、こうした物事は自然とうまくいくものらしい。

「珍しいことなど何もないよ」と現地10日(火)、彼は『ESPN』のブルック・プライアーに語っている。「そういう交渉プロセスには、自然な成り行きというものがある。中には進み方が他より早いものもある。私の記憶が確かなら、少し前にキャメロン・ヘイワードが同様の状況で、100%の参加率ではなかったはずだ」

ディフェンシブタックル(DT)のヘイワードは事実、2020年シーズンが始まる1週間ほど前に6,460万ドル(約71億3,800万円)で4年間の延長契約にサインした。ワットの場合はそれよりはるかに大きな金額になると予想されるため、スティーラーズがどれほどの時間をかけて終わらせるか、興味深いところだ。

現段階ではチームオーナーのアート・ルーニー二世もトムリンも、ワットがレップスに参加しないことを心配していないようだ。それどころか、HCとしては新入りのディフェンシブエンド(DE)メルビン・イングラムのような他の選手たちにスナップの機会を多く与えられて喜んでいるようにさえ見える。彼らはワットの外でエッジラッシュのローテーションを見つけなくてはいけない。

「ビジネスは、自然となるようになるものだ」とトムリンは述べた。「彼のコンディションはとてもいい。ストレングスのスタッフが彼と協力している。いいワークデーを過ごしているよ。プロセスはなるようになる。その一方で、私はワークに参加している人々に集中している。生産性のレベルはどうか、彼らがどんな日々を過ごしてきたのかを見ている」

以前のようなホールドアウトの場合はコーチと選手に接点がなく、そもそも彼らがどのような調子なのかが分からなかった。そのため、今のホールドインの方が楽観材料を多くもたらしているようだ。フランチャイズの中で誰よりも多くメディアに話すコーチたちは、不満を抱えている選手たちが練習へのフル参加はしなくとも、施設の中にいるという状況に以前より不安を感じずに済んでいるように見える。

【M】