テキサンズに黒星も、初めてのNFLアクションで印象を残したパッカーズQBラブ
2021年08月15日(日) 23:10
レッドシャツの1年はジョーダン・ラブにとってわれわれが思う以上に良かったのかもしれない。
2020年を丸々サイドラインで過ごしたラブは現地14日(土)、プレシーズンのプロデビューを果たした。待ったかいはあった。
17回中12回のパスをコンプリートして122ヤードを獲得し、タッチダウン1回を決めたラブは、カート・ベンカートにバトンを渡すまでにパサーレート110.4を記録した。試合は26対7でヒューストン・テキサンズに敗れている。
グリーンベイ・パッカーズ最初のポゼッションでスリーアンドアウトとなったラブだったが、サードドライブで本領を見せ始めた。2年目のクオーターバック(QB)は冷静で、自信を持ち、決断力があり、パッカーズを9プレーで88ヤード進めてタッチダウンでドライブを終わらせた。落ち着いていて、準備のできた様子のラブはタイミング良くボールを投げ、印象的なペースでパッカーズのオフェンスを動かしながら、(ほぼ)ターゲットに命中させていた。
レシーバー陣によるセパレーションに助けられた面もあるが、彼のパフォーマンスの価値が下がるわけではない。自陣13ヤードラインから、ラブの最も印象的なプレーはポゼッション序盤、サードダウン残り9ヤードのところから始まった。ブラインド側からラッシャーが押し寄せてくる中、ポケットにしっかりと立ったQBは中央のタイトエンド(TE)ジェイス・スターンバーガーにボールをつなぎ、34ヤードを稼いだ。これでオフェンスが目を覚まし、勢いのままに再び53ヤードを稼ぐ。最後はランニングバック(RB)カイリン・ヒルにスクリーンパスを投げ、ディフェンスを振り切ったヒルは22ヤードのタッチダウンを決めた。
「あのリズムを見つけられたことはデカい」とラブは述べた。「最初のコンプリートができて、スティックを動かすことができたのは、俺にとって大事な場面だった。この試合であのリズムをつかみ、ボールを動かし、フィールドを見られたのが良かった点だ」
ラブのパスはおおむね正確だったが、ワイドレシーバー(WR)デビン・ファンチェスにはランチをおごらなければならないだろう。大柄なレシーバーはそのウイングスパンを利用して、わずかにずれたパスをつかみ取り、15ヤードを獲得した。パッカーズのヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーは試合後、これを“信じられないキャッチだ”と称している。その2プレー後、ヒルはエンドゾーンにいた。
「彼はいい仕事をした」とラフルアーはラブのパフォーマンスについて述べた。「われわれはただ、指揮権を持ってフィールドに立ち、オペレーションがクリーンで、彼が決断力を見せて正しい判断ができるかどうかを見たいと考えていた。おおむね堅実だったと思う」
「1つ励ますために助言するなら、“もっと思い切り行け”かな。“見たものを信じるんだ。完璧にならなくていい。完璧に正確なパスでなくてもいいんだ。たいていそれを狙うと、正確ではなくなってしまう。ボールを手放しなさい”ということかな。だが全般的に見て、彼は本当にいい仕事をしたと思う」
少し断り書きが必要だろう。パッカーズの対戦したテキサンズは移行の最中で、1年契約のベテランが多いチームだ。加えて、これはプレシーズン第1週の試合だった。今からラブのゴールドジャケットを仕立てるためのテイラーを呼ぶ必要はない。
しかし、実質的に2つに1つのカバーコンセプトに直面する状況で、パッカーズはラブを司令塔にエアでの成功を見いだした。
「基本的に、ヒューストンは試合中ずっと2つのカバレッジをプレーしていた。彼らはタンパ2とマンカバレッジを使っていた」とラフルアーは説明する。「彼らがマンを多く使えば、当然ボールを投げる方がいい。そのドライブでわれわれはとても効率的だった。相手がカバー2なら、ランが使える。われわれはいくつかのマンカバレッジ、シングルセーフティに対してボールを走らせようとしたが、あまり効率的ではなかった」
ランゲームの少なさを考えると、ラブのパフォーマンスは印象的だった。また、本来はもっと長く出場する予定だったという。
初めはラブを第3クオーターまでプレーさせる予定だったとラフルアーは述べたが、第2クオーター終盤にサックされた際に“警鐘”が鳴ったといい、パッカーズのスタッフがここまでと判断したという。ラブの状態に関してラフルアーは15日(日)に最新情報を提供すると付け加えた。
ラブについてはほとんど何も分からないまま1年が過ぎたが、パッカーズのユニホームを着たフィールド上での最初のアクションは期待の持てるものだった。試合中、エキサイティングなひとときがあったのは確かだ。もしかしたら、アーロン・ロジャース時代とは違う面を見せてくれるプレビューだったのかもしれない。
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