初出場の49ers新人QBランス、80ヤードのタッチダウンパスを決める
2021年08月16日(月) 12:35
サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)ジミー・ガロポロが現地14日(土)夜に行われたカンザスシティ・チーフスとのプレシーズンゲームに先発し、期待通りの活躍を見せてくれた。
続いて登場したのが主役のQBトレイ・ランスだ。
2021年ドラフト全体3位指名のランスがプレシーズンで49ersのクオーターバックとして臨んだ初めてのドライブは、パスの失敗やサックによって3アンドアウトに終わった。
しかし、驚異的な印象を与えるべく訪れた2度目のチャンスで、ノースダコタ州立大学出身のランスはワイドレシーバー(WR)トレント・シェフィールドに才気あふれる80ヤードのタッチダウンパスを成功させている。
49ersは19対16でカンザスシティ・チーフスに敗れたものの、ランスの最初のアクションの中でその瞬間は消し去りようのない輝きを放っていた。
ランスは試合後「めちゃくちゃ楽しかった」と話している。
「初めてのタッチダウンを夢見る瞬間みたいなもんだ。プレシーズンとはいえ、すごく良かった。チームメイトやロッカールームのみんなが、俺やあのプレーをしたトレントのことをとても喜んでくれた。間違いなく特別な瞬間だった。その後に訪れたチャンスを生かせればもっとよかったんだけどなあ」
ランスはオープニングドライブ後に登場し、後半の第1ドライブが終わった時点でフィールドを離れた。最終的な成績としてはパスを14回中5回成功させ、128ヤード、得点1回、インターセプトなし、QBレーティング93.7となっている。
49ersのヘッドコーチ(HC)、カイル・シャナハンは次のように語った。
「良いこともあれば悪いこともあった。決して完璧ではなかったし、はっきりとしたミスがいくつかあった。別の場所に行けたかもしれないと思うスポットもあった。時々、ランスが戻って来てほしいと思うだろうボールもあったが、彼もかなり良いプレーをしていた。特に第3ダウンでは2回のドロップがあったが、これをキャッチしていればドライブを続けられたと思う。初日としては良かったと思っている。彼にパーフェクトを求めていたわけではない。彼が学びとれることがあったし、明日に検討できるものも多かった」
ランスは前半に3回、レシーバーのドロップに対処することを余儀なくされた。そして、80ヤードのタッチダウンという見どころの影で、打撃も受けている。ランスは4回サックされ、49ersのラインにはわずかながら先発組もいたが、その後ろで常にプレッシャーを受けながら苦戦を強いられた。
今回のハイライト、80ヤードのタッチダウンパスは右側へのプレーアクションであり、左側に引き返したランスは落ち着いて態勢を整え、見事にシェフィールドへのパスを成功させた。シェフィールドはそのまま6メートル走っている。
ランスは「コーナー(バック)が少し手を出していたから、回り込むときにちょっと緊張した。手を出されていなければ普通なら15ヤードくらいのところにいただろうけど、彼はたぶんまだ5ヤードから10ヤードのところだった」と話し、「でも、彼はどう見ても素晴らしいプレーをしたし、完璧な角度だった。俺にとっては彼にボールを渡したいと思うような状況だったよ」と続けている。
プレシーズンゲームの中での出来事ではあったが、ランスの可能性を示すものであり、ガロポロに代わる新人を見たいという49ersファンの気持ちを刺激したに違いない。
夢のようなシナリオだったが、ランスが今後重視していくのはそこではない。
ランスは「もちろん、うまくいったことよりも、ミスに焦点を当てるつもりだ」とコメントし、こう続けた。
「どのプレーからも学べることがある。ジミーがやったこと、俺がやったこと、そしてジョシュ(ローゼン)がやったこと。だから、経験して、見てみるのもいいと思うんだ。久しぶりに試合でタックルされた。自分が感じたことと録画で見たことが一致しているかどうか、確認するのが楽しみだ」
【RA】