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“オールブレイディチーム”、QBブレイディが22年間で共にプレーしてきた最高の選手たち

2022年02月21日(月) 10:36


ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディ【AP Photo/Chuck Burton】

クオーターバック(QB)のトム・ブレイディが正式に引退した。彼のキャリアを振り返る時間も必要だが、22年間を通してブレイディと共に歩んできた多くの選手について考えるにも良い機会だ。ブレイディのチームメイトの中から最高のメンバーを集めた“オール・トム・ブレイディ・チーム”を作るのはどうだろう?

彼らがブレイディとプレーした期間を基準にしているため、ダレル・リービス(ブレイディと過ごしたのは1シーズンだけ)や、リチャード・シャーマン(同じく)などは除外している。また、便宜上2000年(ブレイディはまだスターターではなかった)と2008年(ブレイディが1試合以外すべて欠場した)も“ブレイディ時代”に含めている。

簡単なことだと思うかもしれないが、トップチームメイトを絞り込むのは、実に大変な作業だった。

さっそく始めていこう。

【オフェンス】

ランニングバック(RB):コーリー・ディロン
ブレイディ時代:ニューイングランド・ペイトリオッツで2004年から2006年、3,180ランヤード、タッチダウンラン37回

ペイトリオッツには優れてはいるものの、必ずしもエミット・スミスのように偉大である必要のないランニングバックが多くいた。しかし、ディロンは最も活躍した2004年に、その年のNFLのトップRBに名を連ねている。このとき、ディロンはランヤード(1,635)で3位、タッチダウンラン(12回)で6位タイにつけ、さらにプロボウルに選出された。

RB:ジェームス・ホワイト
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2014年から2019年、1,119ランヤード、タッチダウンラン8回、2,809レシーブヤード、タッチダウンレシーブ24回

ジェームス・デベリンのようなフルバックを加えることも考えたが、ペイトリオッツで優秀な成績を収め、レシーブに優れたRBを選びたかった。ホワイトは2018年シーズンで達成した87回を含め、2015年から2020年まですべてのシーズンで40回以上のレシーブを記録している。

ワイドレシーバー(WR):ランディ・モス
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2007年から2010年、レシーブ259回で3,904ヤード、タッチダウンレシーブ50回

モスはキャリア最初の7シーズンの間、ミネソタ・バイキングスで素晴らしい活躍を見せていた。それは間違いないだろう。しかし、ペイトリオッツ時代は別次元だった。タッチダウンレシーブ23回をマークしてNFL記録を樹立し、プロボウルとオールプロのファーストチームの両方に選出されるなど、2007年はプロとして最高のシーズンを過ごした。つまり、これは当たり前だ。モスは多くの人々から史上最高の選手とみなされており、ペイトリオッツでの活躍はその理由を示す証拠品Aとなり得る。

WR:ジュリアン・エデルマン
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2009年から2019年、レシーブ599回で6,507ヤード、タッチダウンレシーブ36回

スロットレシーバーを選ぶときに、エデルマンとウェス・ウェルカーのどちらを選ぶかは難しい選択だったが、ジュリアンは殿堂入りを果たしてもおかしくない選手だ。要するに、エデルマンは大一番で最高のプレーを見せてきた――彼のプレーオフでの活躍ぶりはこうだ。レシーブ118回で1,442ヤードをマーク。いずれも歴代2位にランクインしている。これはすでに殿堂入りしたリン・スワンや、フレッド・ビレトニコフのような選手と同じようなレベルにいると考えられる。

WR:マイク・エバンス
ブレイディ時代:バッカニアーズで2020年から2021年、レシーブ144回で2,041ヤード、タッチダウンレシーブ27回

ブレイディが活躍しているとき、ペイトリオッツにはディオン・ブランチやトロイ・ブラウンなど、多くの名レシーバーがいた。しかし、ここではバッカニアーズのチームメイトであり、ブレイディとプレーした2シーズンで27回のタッチダウンを決め、その期間ではNFLで2番目に多い記録を達成したエバンスを推薦しよう。エバンスは確実にこのリストに載るべき人物だ。

タイトエンド(TE):ロブ・グロンコウスキー
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2010年から2018年、バッカニアーズで2020年から2021年、レシーブ621回で9,286ヤード、タッチダウンレシーブ92回

グロンコウスキーは唯一、ペイトリオッツとバッカニアーズの両方でブレイディとプレーした選手だ。彼を加えるのは考えるまでもない。グロンコウスキーはペイトリオッツ時代だけで殿堂入りを果たしていてもおかしくないほどの実績を残し、プロボウルに5回、オールプロのファーストチームに4回選出されている。あらゆる疑念を払拭し、昨シーズンもブレイディと共にスーパーボウルに出場を果たした。

オフェンシブタックル(OT):マット・ライト
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2001年から2011年

ドラフト2巡目指名を受けたライトはペイトリオッツで長年、ブレイディと共にプレーしていた。その間に3回の優勝を経験し、2007年にはオールプロのファーストチームに選出されている。

ガード(G):ローガン・マンキンス
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2005年から2013年

ブレイディと同様に、マンキンスもキャリアの大半をペイトリオッツで過ごし、最後の2シーズンでバッカニアーズに在籍していた――マンキンスの方が6年早かったが。マンキンスがペイトリオッツ時代にオールプロのファーストチームに選ばれたのはたった1回だったが、セカンドチームには信じられないことに5回も選ばれている。

センター(C):デビッド・アンドリュース
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2015年から2018年に所属(健康上の問題で2019年は出場なし)

アンドリュースはペイトリオッツ史上最高のセンターとして名を残せるのではないだろうか。ペイトリオッツで2度のスーパーボウル優勝を経験し、ブレイディがこのチームで成し遂げたタイトル獲得の最後の2回に貢献した。残念ながら、肺に血栓ができたことでブレイディがペイトリオッツで過ごした最後のシーズンは逃したが、2020年に復帰して昨年3月には4年契約を結び、2021年には全試合に先発出場している。

ガード(G):シャック・メイソン
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2015年から2019年

メイソンはアンドリュースがドラフト外フリーエージェントとしてやってきたのと同じ年(2015年)にドラフト4巡目指名を受け、ブレイディのペイトリオッツ時代の後半を支えた。メイソンもアンドリュースと同様に、現在もペイトリオッツに在籍している。

オフェンシブタックル(OT):トリスタン・ワーフス
ブレイディ時代:バッカニアーズで2020年から2021年

ブレイディとは2シーズンしか一緒にプレーしていないが、なんと素晴らしい2年間だったことだろう。ワーフスは全16試合に先発出場してルーキーシーズンで許したサックはわずか1回だ(しかも、それはラインバッカーのカリル・マックに許したものであり、これは仕方ない)。今年はオールプロのファーストチームに選出されている。

【ディフェンス】

ディフェンシブエンド(DE):リチャード・シーモア
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2001年から2008年、タックル359回、サック39回、フォースドファンブル3回、タックルフォーロス36回

ペイトリオッツ王朝初期の絶対的なモンスターであるシーモアは、ペイトリオッツが最初の3回のスーパーボウル制覇を果たした際のメンバーだ。オールプロのファーストチームに3度、セカンドチームに2度指名され、2021年プロフットボールの殿堂のファイナリストでもある。

DE:ビンス・ウィルフォーク
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2004年から2014年、タックル517回、サック16回、フォースドファンブル4回、タックルフォーロス30回

ウィルフォークといえばその素晴らしい人間性が最初に思い起こされる。しかし、フットボール選手としてとても優秀なのも間違いない。ペイトリオッツの2回のチャンピオンシップ制覇に関わっていたウィルフォークは、2012年にオールプロのファーストチームに選ばれている。

ディフェンシブタックル(DT):エンダマカン・スー
ブレイディ時代:バッカニアーズで2020年から2021年、タックル71回、サック12回、フォースドファンブル1回、タックルフォーロス16回

2021年にキャリア最高の一つに数えられるシーズンを送ったスーは、2年連続でサック6回を記録。2シーズン連続でサック6回以上をマークするのは、マイアミ・ドルフィンズでプレーしていた2015年以来のことだった。また、スーは第55回スーパーボウルでバッカニアーズがタイトルを獲得する上で要になった選手でもある。

DE:チャンドラー・ジョーンズ
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2012年から2015年、タックル211回、サック36回、フォースドファンブル10回、タックルフォーロス38回

少し大雑把なチョイスかもしれない。なぜなら、ジョーンズがベストの力を発揮しだしたのはアリゾナ・カーディナルスにトレードされてからのことだからだ。とは言え、ジョーンズはニューイングランドでも十分に優れた選手だった。ペイトリオッツに所属していた4シーズンのうち、2シーズンでサック数を2桁に乗せている。

アウトサイドラインバッカー(OLB):ウィリー・マクギネスト
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2000年から2005年、タックル332回、サック37.5回、フォースドファンブル6回、タックルフォーロス34回

ウィリーにはいつも、偉大なペイトリオッツ王朝初期のイメージがついてくる。それは、殿堂入りバンドのベストアルバムで演奏したメンバー(ガンズ・アンド・ローゼズのイジー・ストラドリンなど)を思い起こすような感覚だ。ウィリーはまた、ポストシーズンのサック数(16回)でNFL記録を保持している。

インサイドラインバッカー(ILB):ジェロッド・メイヨ
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2008年から2015年、タックル800回、サック11回、フォースドファンブル8回、インターセプト3回、タックルフォーロス30回

ペイトリオッツには何年もの間、本当にたくさんの優秀なラインバッカーたちがいた。そこから絞るのは本当に難しい作業だ。だからこそ、このチョイスは議論を呼ぶだろう。しかし、メイヨはキャリアのすべてをニューイングランドでプレーしており、それは長い時間でもあった。8年もブレイディと共にプレーして、リングを一つしか獲得していないというのはなかなか想像しがたい。一つ。たった一つだ。

OLB:デビン・ホワイト
ブレイディ時代:バッカニアーズで2020年から2021年、タックル268回、サック12.5回、フォースドファンブル1回、タックルフォーロス23回

バッカニアーズはここでも面白い問題を提起してくれた。なぜなら、ラボンテ・デービッドもこのリストへの追加を検討するに値するからだ。デービッドを加えるために4人目のラインバッカーを追加するところだったが、それはずるい手になりかねない。ここはホワイトでいこう。スーパーボウルでのパフォーマンスに影響され過ぎているかもしれないが、それも仕方のないことだ。

コーナーバック(CB):タイ・ロー
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2000年から2004年、タックル321回、インターセプト16回、パスディフェンス55回

ローはスーパーボウル優勝を3回経験している。2003年にはパスディフェンス(23回)でNFLトップに輝いた。最近ではプロフットボールの殿堂入りを果たし、ペイトリオッツで数少ない(今のところ)ゴールドジャケットを手にした1人となっている。

CB:スティーブン・ギルモア
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2017年から2019年、タックル148回、インターセプト10回、パスディフェンス49回

キャリアをスタートさせたバッファロー・ビルズでも良いプレーを見せていたが、ペイトリオッツで真の実力を発揮したギルモアは、オールプロのファーストチームに2回選出された。また、第53回スーパーボウルの勝利に貢献した2019年シーズンには守備部門年間最優秀選手賞を受賞している。

フリーセーフティ(FS):デビン・マコーティー
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2010年から2019年、タックル739回、サック3回、フォースドファンブル10回、インターセプト26回、パスディフェンス87回

スーパーボウル優勝を3回経験したデビンは、後期ブレイディ時代にペイトリオッツ守備陣に大きく貢献し、最終的には兄弟のジェイソン・マコーティー(2018年から2020年までペイトリオッツ所属)と共に、守備陣のバックフィールドでかなり印象的なコンビを形成していた。デビンはオールプロのセカンドチームに3回選ばれている。

ストロングセーフティ(SS):ロドニー・ハリソン
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2003年から2008年、タックル426回、サック9回、フォースドファンブル7回、インターセプト8回、パスディフェンス32回

ハリソンが第42回スーパーボウルでニューヨーク・ジャイアンツのWRデビッド・タイリーのヘルメットからボールをたたき落としていたら、2007年に人々はブレイディのパーフェクトなシーズンについて語っていたのに、と指摘するのはよくない。とにかくハリソンはブレイディ時代初期のペイトリオッツにとって、とても良い選手だった。

【スペシャルチーム】

キッカー(K):アダム・ビナティエリ
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2000年から2005年

この選択は難しかった。スティーブン・ゴストコウスキーのペイトリオッツ在籍時のスコア(2006年から2019年までに1,775点)は、ブレイディと共に過ごしていたときのビナティエリが記録した数字(689点)よりも大きかったからだ。とはいえ、ビナティエリはペイトリオッツ(とブレイディ)史上最大のキックをいくつか決めているため、彼をこのチームから外すのは不可能だと言えよう。

パンター(P):ライアン・アレン
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2013年から2018年

フリーエージェントだったアレンはゾルタン・メスコを抑えて、2013年にチームのパンターを引き継いだ。メスコと同様、アレンもビル・ベリチックHC(ヘッドコーチ)率いるペイトリオッツの特徴である左足で蹴るパンターだった。アレンはペイトリオッツの3度のスーパーボウル優勝を後押ししている。

スペシャルチーマー:マシュー・スレイター
ブレイディ時代:ペイトリオッツで2008年から2019

この特別枠を使ってトロイ・ブラウンのような選手を潜り込ませる可能性もあったが、スレイターこそこの枠にふさわしい。スレイターは2008年ドラフト5巡目指名を受けてペイトリオッツに入団し、スペシャルチームのエースとして3度のスーパーボウル優勝を支えた。

【RA/A】