OCグレッグ・ローマンがビルズ離脱
2016年09月17日(土) 07:23
2016年シーズンの開幕から0勝2敗を喫した時点で、すでにバッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)レックス・ライアン時代に暗雲が立ち込めていた。現地16日(金)午後、ビルズは攻撃コーディネーター(OC)グレッグ・ローマンと袂を分かつ決断を下したと発表。
ビルズのアシスタントヘッドコーチ(アシスタントHC)兼ランニングバックコーチ(RBコーチ)を務めていたアンソニー・リンが指揮を執る。過去2シーズンに渡ってリンはHC職やOC職を求めて活動しており、ライアンとはニューヨーク・ジェッツ時代からの付き合いだ。
ローマンがビルズのOCに就任したのも昨年。2016年はここまで1試合あたり276.5ヤードと全体29位にとどまっているが、第2週サーズデーナイトでぶつかったニューヨーク・ジェッツの強固な守備陣を相手に31ポイントを挙げている。
しばらくはビルズ内で見解の相違が起きるかもしれないが、今回の決定は問題解決の糸口になるかもしれない。中には守備的思考のライアンがジェッツに合計493ヤードも獲得された試合から24時間と経たずして、その罪を被せているのではないかと見る声もある。ビルズは現在、ディフェンストータルで25位だ。14位で終えた昨シーズンは1試合あたり356.4ヤードを与えると共に22.4失点を計上した。
あるいはオフェンスがスタックしてしまったと考える者もいるかもしれない。サーズデーナイトのジェッツ戦では守備陣が39分12秒もの間、プレーを強いられた。そのことがタイムコントロールしたいと考えるコーチにとっても考慮する価値があったのだろう。コーチ陣の改革に際してはどのような話であれ、2面性を持っているのが常だ。
このオフシーズン、ライアンにとってはルーツに立ち返ることがすべてだった。キャリア初期から繰り返し、双子の兄弟であるロブを起用しないと言い続けてきたものの、ライアンはこのオフシーズンにロブをHCのアシスタントとして雇用したのだ。ローマンはHCライアンと長期間の付き合いがない数少ないメンバーの一人だった。リンをはじめ、レシーバーコーチのサンジェイ・ラル、守備コーディネーター(DC)のデニス・サーマン、ラインバッカーコーチ(LBコーチ)のボビー・エイプリル三世、クオーターバックコーチ(QBコーチ)のデビッド・リーらはすでに信頼関係を築いており、それゆえに、今回の移動が1人だけになったと考えられる。
プレー判断のコントロールをリンが取るとなれば、チームにとってはライアンの全体的なビジョンにより一層合致することになるはずだ。ライアンは常々、ラン優先の考え方を持っており、オールプロのレショーン・マッコイを獲得するチャンスを得るため、LBキコ・アロンソの保有権を売り飛ばしたこともある。さらに、ライアンは強力なプレッシャーディフェンスに対抗すべく、時間を費やしてでもオフェンスラインを強化しようと巨額を投じてもきた。当然、よく練られた計画だからといって常に実りをもたらすとは限らない。
シーズン中のOC解雇はイチかバチかだ。
とはいえ、何より、ライアンが側近たちと快適にコーチングができるかどうかにかかっている。今年がHCとして最後の年になるのであれば、“たられば”を考えずにすむチャンスになるだろう。リンとは今や10年近くの付き合いだ。ライアンのディフェンスに見合う力を発揮する機会を与えられるにふさわしい。