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QBザック・ウィルソンの回復力に“素晴らしさを見出している”ジェッツGMダグラス

2022年04月25日(月) 12:45

ニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソン【AP Photo/Steven Senne】

ジョー・ダグラスがニューヨーク・ジェッツのジェネラルマネジャー(GM)として3度目のドラフトを迎えるにあたり、彼の掲げるチームの全体的なビジョンは2022年に具体的に動き始めるようだ。

ジェッツがドラフトでトップ5位の指名権を保持しているのは5年間で4度目だが、プレッシャーも高まり始めた中で2022年ドラフトはダグラスGMにとって特に重要となるだろう。全体40位以内の指名権を4つ持っているジェッツは、2年目のクオーターバック(QB)ザック・ウィルソンを支える才能豊かな選手を指名する機会に十分に恵まれており、ウィルソンの成長とダグラスGMの計画の進展が一致する可能性もある。

ウィルソンは浮き沈みの激しかったルーキーシーズンに、タッチダウン数よりも多くのインターセプトを喫していた。それでも22歳のウィルソンを信頼しているダグラスGMは、負け越しのシーズンであってもシーズン終盤のプレーはポジティブな印象を残したと強調している。

現地22日(金)に『The Michael Kay Show(マイケル・ケイ・ショー)』に出演したダグラスGMはウィルソンについて「私は100%、素晴らしさを見出している」と語った。「若いクオーターバックが最初から本当に大変な思いをしていたのを見ている。ザックに関して最も心強かったのは彼が戻ってきたときで、最後の6試合で喫したターンオーバーはたぶん1回だった。彼はフットボールに注意を払い、スキームの中でプレーしていた」

「シーズン序盤に多くの逆境を経験し、ケガをして、復帰したらトップレシーバー(ワイドレシーバー/WR)のコーリー(デイビス)とエライジャ(ムーア)の2人がおらず、スキルポジションを担っていたのはほとんどがバックアップという状況だったにもかかわらず、それでも高いレベルで攻撃を遂行し、シーズンを通して成長し続けた彼の姿を見ていた。それを見て、彼には回復力と忍耐力があり、それを一緒に維持していることが分かった――そのことが多くの希望を与えてくれている」

ルーキーシーズンで13試合に先発出場したウィルソンは、通算で2,334パスヤード、タッチダウンパス9回、インターセプト11回、185ランヤード、タッチダウンラン4回をマーク。55.6%というパス成功率からも明らかなように、ショートパスを連続して投げるのには苦労していたが、ダウンフィールドへのパスでは投球能力の高さを垣間見せている。しかし、試合平均ヤード(306.4)でワースト7位に位置し、試合平均得点が18.2にとどまったジェッツオフェンスは、パスプロテクション能力が低く(許したサック53回)、ランプレーでも一貫性を欠き(試合あたり98.1ランヤード)、ウィルソンの力にはなれなかった。

ダグラスGMが今オフシーズンのフリーエージェンシーで最も大きな注目を集めたのは、オフェンシブラインを強化してランプレーの改善を図るためにガード(G)レイケン・トムリンソンと契約を結んだときだろう。2021年にウィルソンのトップターゲットとなり、キャッチ51回でチームトップに輝いたWRジェイミソン・クラウダーはフリーエージェント(FA)になってチームを去ったが、ダグラスGMはウィルソンにとって安全弁の役割を果たせるタイトエンド(TE)のC.J.ウゾマーとタイラー・コンクリンをチームに迎えた。

チーム公式サイトによると、ダグラスGMはドラフトの1週間前に「大切なことを大切にするのが重要で、それは若いクオーターバックの成長を促すことだ。それ以外は、違いを生み出せる選手をできるだけ多くロースターに加えることだ。彼らがカルチャーやスキームに適合していると確認することも大事だ。それから、彼らを健康な状態に保ち、フィールドで活躍させるのだ」と述べたという。

ジェッツは2022年ドラフトでトップ10位以内の指名権を2つ(全体4位と10位)と2巡目の序盤の指名権を2つ(全体35位と38位)保持している。ワイドレシーバーに有望な新人が多く、サンフランシスコ・49ersのWRディーボ・サミュエルがトレードを要請して世間を騒がせている中、ジェッツはいずれにせよ、ウィルソンのためにプレーメーカーを攻撃陣に迎える準備ができている。

おそらく、最も好ましいのは、ダグラスGMがヘッドコーチ(HC)ロバート・サラー率いるアグレッシブな守備陣に新たに優秀な選手を加えられるほど、十分なドラフト資本を有していることだろう。ダグラスGMは過去2年間で持っていた5つの1巡目指名権と2巡目指名権をすべて攻撃陣の補強に使っている一方で、試合を左右する守備陣はウィルソンが成長するにつれて、彼の一番の味方になるかもしれない。

「チーム作りはバランスが大切だと思う」と強調したダグラスGMは「ボールの片方に投資しすぎるのはよくない。しかし同時に、大切なことは大切にし続けないと。われわれは攻守両面のスクリメージラインの重要性について、かなり一貫した見解を持っていると思う」と続けた。

ロースターが改善され、選択肢が豊富になった状態でドラフトを迎えるダグラスGMのコメントは、獲得可能な最高の選手を選ぶことを示唆しているのかもしれない。しかし、2年目を迎えるウィルソンに対するダグラスGMの自信は間違っていないはずだ。

【RA】