リーグとNFL選手会（NFLPA）の間で合意に至った調停によって、クリーブランド・ブラウンズのクオーターバック（QB）デショーン・ワトソンにNFLの個人行動規範の違反に対する2022年NFLシーズンの11試合の出場停止処分と罰金500万ドル（約6億8,146万円）が言い渡された。

さらに、ワトソンは義務付けられた診断と治療に専念しなければならない。

NFLによれば、ワトソンの出場停止処分は現地8月30日（火）に最終ロースターカットが終わってから有効になるという。復帰の資格が生じるのは11月28日（月）だ。ワトソンが最初にプレーできるのは、シーズン第13週に組まれた古巣ヒューストン・テキサンズとの試合になる。『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロはワトソンが10月10日（月）からブラウンズの施設に復帰可能であり、練習は11月14日（月）から再開できると伝えている。ブラウンズのヘッドコーチ（HC）であるケビン・ステファンスキーは木曜日、プレシーズンにワトソンが再度プレーすることはないと報道陣に語っていた。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは木曜日に発行した声明の中で「デショーンはNFLに戻るだめに必要なことを懸命に行ってきた」と述べている。

「今回の調停は専門家による診断および治療プランの順守、高額の罰金、長い出場停止を要求している。われわれは今回の問題を解決するためのロビンソン判事とピーター・ハーベイの尽力に感謝している。彼らの努力が今回の結論を導くための土台を築いた」

リーグはまた、NFLとブラウンズがそれぞれ100万ドル（約1億3,625万円）を提供し、ワトソンの罰金500万ドルと合わせて700万ドル（約9億5,376万円）を性的な不品行や暴行の防止に支援することを木曜日に発表している。

NFLは木曜日に「この資金は若者の健康的な関係性についての教育を行い、教育の促進、性的な不品行および暴行の防止の促進やサバイバーの支援などに取り組む全国の非営利組織の支援に用いられる」と述べた。

リーグと選手会は、ワトソンの6試合の出場停止処分に対するリーグの上訴の審問担当者にグッデルによって指名された元ニュージャージー州法務長官のピーター・C・ハーベイの裁定に先立って今回の合意に至っている。

ワトソンは木曜日に出された声明で「懲戒のプロセスが終わったことに感謝し、ブラウンズでのまだ短い期間に受けたとても大きなサポートに深く感謝している」とコメントした。

「この状況によってもたらされたあらゆる苦しみに、改めて謝罪する。自分の決断に対して、説明責任を負っている。今後はフィールドの内外で最高のバージョンの自分になるための仕事に集中し、チームを離れている間はそれがどんな形であれ、チームメイトたちをサポートするために自分にできることをやっていく。クリーブランドで自分を待っている未来にエキサイトしている」

ワトソンはマッサージ施術中の性的不品行によって民事訴訟を起こした24名の女性のうち、23名と内容非公開の合意に至っている。ワトソンは以前からあらゆる不正行為を否定しており、女性たちともった性行為はすべて合意の上だとしてきた。テキサス州の2つの大陪審は10名の女性によって刑事告発されたワトソンの起訴を見合わせている。

ブラウンズのオーナーであるディー・ハスラムとジミー・ハスラムは木曜日に次のような声明を発表した。

「以前にお伝えした通り、デショーンと彼の代理人はNFLとNFLPAのシステムに従って最終決定を待っており、われわれはこのプロセスを尊重している。懲戒において一つの決定に至ったことで、われわれはこれを意義ある変化を生み出す真の機会として理解しており、オハイオ州北東部で若い人々への啓蒙や理解、そして最も重要な性的不品行の予防や、こういった振る舞いの背後にある多くの要因に関する教育を行うプログラムへの投資を行っていく。デショーンがわれわれのビルにやってきたときから、彼はこの組織の傑出したメンバーであり、フィールドの内外を問わず、自分自身の仕事に取り組む上で真の献身を見せてきた。われわれのコミュニティで信頼を得るために尽力する彼を、これからもサポートしていく」

ワトソンの出場停止期間中はベテランクオーターバックのジャコビー・ブリセットがブラウンズの先発QBを務める見込みだ。ブラウンズは3月にブリセットと1年契約を結んでいる。

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