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久々の戦いで厳しいスタートを切ったブラウンズQBワトソン

2022年12月05日(月) 16:50

クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Eric Christian Smith】

クリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンがリーグの個人行動規範に違反したことによって11試合の出場停止処分を受けることでNFLと合意したとき、図らずも復帰の舞台はワトソンがかつて離脱を求めた地であり、数々の訴えを起こされた場所でもある街に設定された。

長くフィールドを離れていたワトソンや2つの苦戦するチームの対戦の地となったヒューストンで、NRGスタジアムを訪れた観客は会場の半分と少しを埋める程度だった。そのため、大規模な抗議が行われることはなかった。ワトソンが笑顔で登場したハドルに始まり、拍手やブーイングは一日を通して起こっていたが、テキサンズやワトソンのパフォーマンスはあまりにも見どころがなく、ファンにとっては忘れたいゲームになったようだ。

それでも、ブラウンズとワトソンは両者が交わした大型トレードの見返りを手にしている。テキサンズを27対14で下して5勝7敗になったブラウンズは、戦績でピッツバーグ・スティーラーズに並び、ディビジョンリーダーのボルティモア・レイブンズと3勝差となり、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のプレーオフスポットに一歩近づいた。ただし、ワトソンと攻撃陣には、大幅かつ迅速な改善が求められる。

ブラウンズが日曜日に勝利できたのは、パントリターン、ファンブルリターン、インターセプトリターンでそれぞれ得点できたからだ。ちょうど700日ぶりにレギュラーシーズンの試合に出場したワトソンの腕は、明らかになまっていた。そのパスの多くは低く、一部は距離が足りなかった。単純にデイフェンダーの動きを読み間違えて、エンドゾーンでインターセプトされた場面もある。ジャコビー・ブリセットがクオーターバックを務めていたときのブラウンズは、トータルオフェンスでリーグ5位につけていた。日曜日の彼らはそこから程遠く、フィールドゴールにこぎつけたドライブが2回のみ、パントに終わったものが6回、セーフティになったものが1回という状態だった。

「自分がどれほど長く離れていたか、最近は毎日感じていた」とワトソンは言う。

ブラウンズのヘッドコーチ(HC)であるケビン・ステファンスキーは日曜日に、苦戦していてもワトソンがスターターだとコメント。

「彼はすべてのレップスから学んでいく。今回のことは異例だったということにする必要がある。私は彼に何ができるか知っているのでね」とステファンスキーHCは述べた。

最初のゲームが終わった今、ブラウンズがプレーオフ争いから脱落しないようにするために、ワトソンには緊急で調子を上げる必要がある。ブラウンズは来週にシンシナティ・ベンガルズと、その翌週にボルティモア・レイブンズと対戦するが、そのいずれもがテキサンズより優れているチームだ。貧相なパフォーマンスから抜け出せず、敗北が続くようなことがあれば、なぜブリセットは短期的とは言え、この攻撃陣を効果的に動かせたのかという疑問が生じるのは避けられない。

ワトソンは試合後、ずっと笑顔を浮かべていた。ブラウンズファンに向けたショートビデオを撮影しているとき、ワトソンは舞い上がり、安堵しているように見えた。さらに、ワトソンはフィールド上でジャージーにサインして元チームメイトたちに渡している。テキサンズの選手たちはワトソンに声をかけ、ハグを交わし、共に写真を撮影していた。

「トレードはキツイけど、それはビジネス上の決断であって、起こるべくして起こったこと」と言うワトソンはこう続けている。

「ここヒューストンに戻ってきて最初のゲームはキツかった。反対側からスタジアムに入り、ロッカールームに行くんだ。何かが違う。彼らがこの試合に向けてどう準備し、試合前にどう話し合うのか、俺には正確に分かる。感情があふれ、すべてをとどめようと努力した。・・・つらかったね。でも同時に、俺がまた始めて、ただ走り回り、ヒットを受けたり、フルスピードで進んでいくすべてを見たりするのは、ものすごくワクワクした」

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