NFLオーナーたちがキックオフ時のフェアキャッチ後にボールを25ヤードラインに置くルールを承認
2023年05月24日(水) 13:14NFLのオーナーたちは現地23日(火)、選手たちがキックオフ時にフェアキャッチした結果として自陣25ヤードラインからポゼッションを開始することを認める決議案を承認した。
新ルールでは、ボールを25ヤードラインに置くためには、フリーキック(セーフティあるいはキックオフ)からのフェアキャッチは、チームの25ヤードラインより後方で行わなければならないと規定されている。
今回のルール変更は1年限りのものであり、リーグは提案の理由として“選手の安全性”を挙げた。
NFL競技委員会の委員長を務めるリッチ・マッケイは『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタに「私たちにとってキックオフプレーは、長年にわたって多くの変更が加えられてきたプレーだが、そのすべては健康と安全のためだった」と述べている。
「このプレーでの脳しんとう率は上昇している。5ヤードラインの内側へのキックによって、ボールがより多くリターンされるようになったため、上昇したのだ。カレッジはおそらく2018年か2019年にこのルール変更をしている。私たちは彼らのデータを見て、これは今やるべきことだと思ったのだ」
火曜日、マッケイとNFL幹部のジェフ・ミラーはモデリングの結果、承認された提案によって、キックオフリターン率が38%から31%に減少する一方で、脳しんとう率が15%減少することが判明したと明かしている。
「私たちは何かをする必要がある。データを無視してじっとしているわけにはいかない」とマッケイはつけ加えた。
スペシャルチームのコーチなど、変更に反対する人たちからの反発を予想しているマッケイは、なぜリーグがこの提案を採用することが自分たち利益につながると考えたのかを説明している。
「スペシャルチームのコーチにとっては決して簡単なことではない。彼らは特定の方法でそれを指導してきたし、自分たちにはアドバンテージがあると思っているから、このような変更に満足することはないだろう」とバティスタに語ったマッケイは「だが、自分たちとしては、変更すべきだと示唆しているデータがあったから、そうする必要があると思ったのだ」と続けた。
NFLがスペシャルチームのプレーでの負傷を減らすための取り組みを続けている中、このルールは当初、リーグ競技委員会が3月に年次リーグミーティングで議論するために提案したものだった。
当時、この提案はさらなる議論を行うために保留されたが、その2カ月後、ミネアポリスで実施された春季リーグミーティングでオーナーシップが賛成票を投じている。
マッケイは火曜日に「私たちはこれが承認される必要があるルールだと考えていた」と報道陣に対してコメントした。「1年間、これを承認して、データを見て、今後のキックオフのあり方を検討する必要があった。それが、私たちがとった進路のようなものだった。だからと言って、コーチや選手がそれに対してネガティブな感情を抱かないとは限らない。変化は常に物事を違った角度から見ることを意味するから、彼らが不満を抱くことは予想しているし、理解している。とはいえ、私たちの場合は、安全衛生のデータに基づいて、ルール作りの提案をしていくつもりだ」
合意されたルール案は以下の通りだ。
1年間に限り、規則10第2条第4項(フェアキャッチ後にボールを置く、42頁)を改正する。
第4項 フェアキャッチ後のボール設置
フェアキャッチが行われた後、または妨害された結果としてそれが認められた後、レシーブ側のチームにはaのいずれかによってボールを置く選択肢がある。
(a)キャッチした地点(または適用可能なペナルティあるいはルールが実施された後のスポット)からのフェアキャッチキック(ドロップキックまたはティーを伴わないプレースキック)(第3項第10条および第11項11第4条3)、あるいは
(b)キャッチした地点(または適用可能なペナルティが実施された後のスポット)からのスナップ。ただし、レシーブ側のチームの選手が自分たちのチームの25ヤードラインよりも後ろでフリーキックのフェアキャッチをした場合を除く。その場合、ボールはレシーブ側のチームの25ヤードラインに置かれることになる。
注:レシーバーは自陣のエンドゾーンで、フェアキャッチを行う、あるいは認められる可能性がある。レシーバーがフェアキャッチをした後に、フェアキャッチの妨害や不正な接触があった場合。
【RA】