QBメイフィールドはバイキングス戦で相手の守備を読み取っていたとバッカニアーズRBホワイト
2023年09月14日(木) 13:41現地10日(日)、クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドのパフォーマンスはほぼ一瞬にして変わった。今週、メイフィールドのチームメイトの1人がその正当な理由を説明している。
タンパベイ・バッカニアーズのランニングバック(RB)ラシャード・ホワイトはチームの記者に対し、メイフィールドがミネソタ・バイキングスの守備陣のシグナルを即時に読み取り、それを利用して逆転勝利をもたらしたのだと話している。
火曜日、ホワイトは毎週放送されているチームのラジオ番組で「俺たちは試合中ずっと相手のシグナルコールに注意を払っていた」と明かした。
「ベイク(メイフィールド)がハーフタイムにロッカールームに来て“分かった。相手のシグナルはこっちのもんさ”って言ったのを覚えている」
「オフェンスとして話し合っているときに、あいつは“あっちのシグナルが全部分かった。彼らがこうしたらカバー2に入る。こうしたらカバー3に入るはず。俺は毎回、これを知らせる。彼らがこのシグナルを出したら、ここに戻るだろう”と言った。俺は“まじか、すげえな”って思ったよ。俺もみんなもただただその話を聞いて、なんとなく理解したんだ」
メイフィールドが突然、相手からプレッシャーをかけられている中で5ヤード以上離れたターゲットを見つけるのに苦労していたクオーターバックから、ミネソタのディフェンスを着実に攻略するクオーターバックへと変貌を遂げた理由はいくつか考えられる。メイフィールドはその理由の1つとして、バッカニアーズのテンポの速さがバイキングスの守備を解読するのに役立ったと評価。もう1つの理由としては、バイキングスの守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレスの状況判断が挙げられる。
試合序盤に激しい守備を展開した(そして、良い結果を得た)後、フローレスDCは試合前半の終盤から複数のスナップで8人ものディフェンダーをカバレッジに落とし始めた。メイフィールドが最初に重要なパス――第3ダウン残り2ヤードの場面でワイドレシーバー(WR)クリス・ゴッドウィンに通した14ヤードのパス――を成功させたのは、前半終了まで残り2分となった際に3人体制のラッシュを相手にしたプレーだった。その直後、基本的な4人体制のラッシュを受けながら、メイフィールドはWRマイク・エバンスに9ヤードのパスを通している。
ホワイトは単に面白半分でシナリオを作ったわけではないだろう。メイフィールドがそのドライブで決めたエバンスへのタッチダウンパスは、ホワイトの主張を裏付ける強力な証拠となっている。
第2ダウン残り10ヤードの場面で、メイフィールドはエバンスの方を見つめたまま視線をそらさず、チームメイトが相手の逆さまのカバー2ルック(バイキングスがスナップ前にスリーハイセーフティで偽装していた)を破ることを知っているかのように、エバンスのディープポストに投げた。
ほとんどの場合、これはフィルムスタディの賜物に過ぎない。しかし、あまりにも見事な展開であったがゆえに、ホワイトを信じないのも難しいと言えよう。
メイフィールドはそうしたアドバンテージが役立ったと認めており、スタッツもそれを物語っている。序盤にパス11回中3回成功でわずか12ヤードしか獲得していなかったメイフィールドだが、前述したゴッドウィンへのパスを成功させて火がついてからは23回中18回のパスを成功させて161ヤード、タッチダウン2回をマークした。最後の2クオーターを通して、メイフィールドはやや圧倒され気味だったパサーから、選んだターゲットが相手の守備を打ち破るのを待ちながらすべての主導権を握るパサーへと変貌を遂げている。新人WRトレイ・パーマーに通した2回目のタッチダウンパスはその典型的な例だった。
フットボールは優位性のゲームだ。今回の例も1つの優位性であり、完全にフェアなものだとメイフィールドは話している。
メイフィールドは水曜日に冗談をまじえて「聞いてほしい。自分がタンパにいるのは分かっているけど、俺は(MLBの)テキサス・レンジャーズのファンであって、ヒューストン・アストロズのファンではない。だから俺たちはそれを大目に見るつもりはない」と語った。
タンパは暗号解読拠点ではなく、バッカニアーズがアストロズのようにゴミ箱を使って合図を出すことに興味を持っているわけでもない。とはいえ、彼らのクオーターバックの判断力は間違いなく日曜日の試合で役立っていた。
【RA】