ニュース

革新的な手術を受け、プレーオフでの復帰を目指すジェッツQBロジャース

2023年09月18日(月) 12:13



現地13日(水)にロサンゼルスで革新的な手術を受けたニューヨーク・ジェッツのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースは、アキレス腱を断裂したにもかかわらずプレーオフで復帰するというありえない目標を掲げている。ロジャースが受けたのは、今回のようなケガに対する通常のリハビリ過程を早められるよう考案された手術だ。

情報筋の話によると、有名な整形外科医であるニール・エルアトラッシュ医師と彼のチームは、ロジャースが先週月曜日に行われたバッファロー・ビルズ戦で断裂した左アキレス腱に、“アキレス腱スピードブリッジ”と呼ばれる内部装具を装着する処置を行ったとのこと。保証はないが、スピードブリッジは修復部分を保護し、早期復帰の可能性を高めるものだという。

この手術に詳しい人物によれば、それは比較的新しいプロセスであり、通常ならシーズン終了となるケガから4カ月程度で完治できるように設定されているものだという。そうなればロジャースは1月中旬、つまりジェッツがプレーオフに進出した場合に、それが始まる頃に復帰できる可能性があるということだ。

また、ロジャースはNBAのロサンゼルス・レイカーズのスター選手だったコービー・ブライアント(2013年にエルアトラッシュ医師がアキレス腱を修復)が膝のケガのためにドイツで受けたことで有名となっているものに似た、多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう/PRP)注射を受けるかもしれない。NFLには、昨年のラッセル・ウィルソンを含め、同様の処置を受けた選手が他にもいる。

金曜日、『The Pat McAfee Show(ザ・パット・マカフィー・ショー)』に登場したロジャースは、回復のプロセスを始めるためにロッカールームからエルアトラッシュ医師にメールを送ったと明かした。

「リハビリの全体的な長さについてはさまざまな考えがある。言っておきたいのは、これまで誰もやったことがない方法だからと言って、それは決して不可能ではないということだ」と語ったロジャースは「年齢的に、確かに俺には不利な面もあるけど、気にしていない。いくらでも悪条件を持ってくればいいさ。何とでもしてやる。俺が全集中力と熱意を持って考えているのはあらゆる情報を収集して、今まで手に入れたものと付き合わせ、最高のリハビリ計画を組み立てることだ。それを聞いたら中にはショックを受ける人もいると思う」と続けている。

ロジャースは早期復帰に大きな期待を寄せているが、注意事項が多いのも事実だ。

スピードブリッジは修復の強度を高め、伸張を防ぐと言われているが、早期復帰を保証するものではないという。つまり、リハビリの状況や、12月に40歳になるロジャースの体がどう反応するかに大きく左右されるということだ。ジェッツがプレーオフに進出しないなど、復帰を急ぐ理由がなければ、それは無意味なことになるだろう。

当然、ジェッツはNFLのMVPに4度輝いたロジャース抜きでそこに到達する必要がある。現在、ジェッツはかつてドラフト全体2位指名したQBザック・ウィルソンを先発に据えている。

処置にはリスクも伴うかもしれない。しかしロジャースにとっては、フィールドへの復帰が格段に早まる可能性があるというメリットの方が、将来的に手術が必要になるといったリスクよりも重要なのだと情報筋は明かしている。

今のところ、ジェッツはウィルソンを司令塔として歩んでいくつもりだ。関係者によると、ジェッツは注目のベテランQB――例えば、トム・ブレイディやマット・ライアン、ジョー・フラッコなど――を探していないという。基本的には、ウィルソンが勝利をつかむのに最高の可能性を与えてくれる存在だと考えているのだ。

ウィルソンには才能があるものの、昨年は明らかに自信を失っていた。今年、ウィルソンの自信は高まっているように見受けられ、子どもの頃のヒーローだったロジャースをはじめとし、新攻撃コーディネーター(OC)ナサニエル・ハケットや新パスゲームコーディネーターのトッド・ダウニング、その他の一新されたコーチングスタッフらとともに数カ月間にわたって取り組んだオフシーズンワークが、彼のためになっているのは明らかだ。ジェッツはウィルソンを信じていると公言しており、ヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは「私たちはザックと一緒に取り組んでいる」と報道陣に述べている。

ロジャースは先週、ウィルソンと『FaceTime(フェイスタイム)』で連絡を取り合い、常に状況を把握できるようにしていたという。2人はウィルソンのルーキーシーズンにあたる2021年に合同練習をして以来、コミュニケーションをとり続けており、それは現在も続いているようだ。

【RA】