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大敗を喫した49ers戦は「これまでで最も屈辱的な試合」だったとカウボーイズQBプレスコット

2023年10月10日(火) 14:11

ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【NFL】

現地8日(日)夜、ダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットはサンフランシスコ・49ersに大敗した試合で指を踏まれた。

摩耗が激しいのは、プレスコットのプライドだった。

プレスコットは日曜夜に42対10で敗れた後に「まさかこうなるとは思っていなかった」とコメント。「この試合にすべてを注ぎ込んでいたのに、やられてしまった。数週間前にアリゾナ(・カーディナルス)戦を屈辱的だと言っていたけど、俺がこれまで出場した中で一番屈辱的だったのは今回の試合かもしれない」

カウボーイズがシーズン第3週にカーディナルスに敗れたのは衝撃的だった。そして、シーズン第5週に行われた49ers戦での惨敗は唖然とさせられるものだった。

プレスコットは49ers戦まで1度しかインターセプトを喫していなかったにもかかわらず、今回は3回も浴びている。最終的にわずか197ヤードしか稼げなかったオフェンスは、5回目のドライブまでファーストダウンを獲得できなかった。ディフェンスも満足のいくパフォーマンスを見せておらず、相手に421ヤード(プレー平均6.3ヤード)を許している。一方、49ersの先発組は第4クオーターに勝利を確信して笑みを浮かべながらベンチに下がっていた。

日曜夜に行われたNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のヘビー級の戦いは49ersの圧勝に終わり、カウボーイズにとってはまさに“屈辱的”な試合となった。

カウボーイズのヘッドコーチ(HC)マイク・マッカーシーは「明らかに、ものすごく屈辱的な敗北だった。言うまでもないことだ」と話している。

最初のドライブで7対0と先制した49ersは、第1クオーター序盤に14対0とリードを広げたが、プレスコット率いるカウボーイズはここでようやく奮起。プレスコットがワイドレシーバー(WR)ケボンタエ・ターピンにタッチダウンパスを通したことでカウボーイズは点差を縮めている。しかし、1回のフィールドゴールを除けば、ダラスが得点を挙げたのはこのドライブのみだった。

49ersはディフェンスがしっかりとカウボーイズの攻撃を抑え込んでいた一方で、QBブロック・パーディー率いるオフェンスが大活躍を見せている。

過去2回のポストシーズンでいずれも49ersに敗れたことで敗退したカウボーイズにとって、今回の試合はNFCのエリートチームに属していることを示すチャンスだった。まだNFC東地区のライバルである無敗のフィラデルフィア・イーグルスと対決しておらず、49ers戦で屈辱を味わった3勝2敗のカウボーイズは、現時点では準備が整っていると言えない状態だ。

「今回の試合でチームとしての現状が明確になった」とマッカーシーHCは述べている。

苦戦していたのはプレスコットだけではなく、カウボーイズは全体的に精彩を欠いていた。

それでも、昨シーズンにインターセプト数でリーグ内ワースト1位となったプレスコットは、ターンオーバーを減らすことを誓っている。日曜夜までは持ち堪えていたプレスコットだが、49ers戦では3回ものインターセプトを喫した。良くないパスや判断はそれだけではなく、プレスコットは何度もカバレッジに投げ込んだり、頻繁にカバーされていたナンバー1オプションのWRシーディー・ラムと息が合わなかったりと苦戦を強いられている。

プレスコットは準備が整っていたと語っていたが、到底そのようには見えなかった。

「準備については好感触だったし、正直、試合に臨むまではすべてが順調な気がしていたのに、あらゆる面で打ち負かされてしまった」とプレスコットは振り返っている。

プレスコットのパフォーマンスを評価するよう求められたマッカーシーHCは、広い視野を用いながらも、自ら招いた痛手は自分で対処しなければならないと明言した。

「今回のパフォーマンスから良い成績を残せるとは思えない」と強調したマッカーシーHCは「私たち全員にとって最も重要なのは、すでにお話ししているが、とにかく責任を持つことだ。今夜の自分の行動やプレーに責任を持つこと。自分たちの中をきれいに整えなければならない」と続けている。

プレスコットはパス24回中14回成功、153ヤード、パサーレーティング51.6と散々な結果に終わったが、言い訳はしなかった。

その態度はマッカーシーHCからのメッセージに沿っており、チームが取り乱して誰かに責任をなすりつけるのではなく、一丸となることを目指している中で、責任を取ろうとしているのだ。

マッカーシーHCは「自分たちにとって一番大事なのは、責任を持つことだ」と繰り返している。「間違いなく屈辱的だったが、これは1つの試合に過ぎない」

指については問題ないと明かしたプレスコットは、それが不調の一因だったわけではないと語った上で、タッチダウンパスはテーピングをしてから決めたと話している。

カウボーイズにはテーピングと手当てが必要かもしれない。32点差というのはカウボーイズが49ersに敗れた試合の中で最悪の点差だった。このライバル関係において49ersは現在、20勝19敗1分とリードしている。

「腹を殴られたでも、尻を蹴られたでも、どんな言い回しをしてくれてもいい」と述べたマッカーシーHCは「私たちは打ちのめされた。3つの局面すべてでやられた。それははっきりと認める」と続けた。

【RA】